土工

単位体積質量試験(RI計器)の試験方法と結果について

原位置試験とは、現場の元の状態のままで実施する試験の総称で、現場で比較的簡易に土質を判定したい場合や、土質試験に供する乱さない試料の採取が困難な場合に実施する試験です。

  • サウンディング試験
  • 平板載荷試験
  • 現場透水試験
  • 単位体積質量試験

が該当します。

単位体積質量試験は、現場において、地山または盛土などの単位体積当たりの質量から、湿潤密度と乾燥密度を求め、締固め施工管理に用いります。

  • 砂置換法
  • コアカッター法
  • RI計器

による方法があります。

今回は、砂置換法について、勉強したことをまとめたいと思います。

単位体積質量試験(RI計器)とは?

単位体積質量試験(RI計器)とは、「RI(放射性同位元素)」を装備した装置であり、放出されるγ線及び中性子線を利用して、γ線で密度計測に、中性子線で含水量計測を行います。

「RI」とは、Radio Isotope(ラジオアイソトープ)の略で、アイソトープ(isotope、同位体)は、同じ陽子の数で中性子の数が異なる元素です。

その中でも不安定で放射線を放出して他の核種に変わるアイソトープを、ラジオアイソトープと呼びます。

RI計器に使われているのはγ線と中性子線で、γ 線はコバルト-60から、中性子線はカリフォルニウム-252から放出されます。

RI計器は、それら2つの「RI」を装備した装置であり、放出されるγ線及び中性子線を利用して、土壌の水分・密度を測定します。

放射線の種類について

放射線は、物質と作用して、原子・分子を電離する能力のある高速の粒子線および極めて波長の短い電磁波のことをいいます。

放射線の主なものには、次のようなものがあります。

α線

α線は高速で飛ぶ「α粒子」の流れで、陽子2個と中性子2個によって構成される粒子です。

原子が「α崩壊」を起こしたときに放出されます。

α線は強いプラスの電気を帯びており、周囲の元素が持つ電子を引き離し、陽イオンに変える力(電離作用)を持っています。

また、α粒子が大きい粒子なので、原子の隙間を通り抜けることができないため、透過作用は低く、紙1枚で遮断することができます。

外からα線を浴びても皮膚で守られるので人体に害はありませんが、α線を放出する物質を体内に取り込むと、電離作用が強いため人体に強い影響を及ぼします。

組織にぶつかった時に壊れた分子やイオン(電子を奪われた原子)が、組織を壊すこともあります。

β線

β線は高速で飛ぶ電子の流れで、マイナスの電気を帯びており、周囲の元素が持つ電子を引き離し、陰イオンに変える力(電離作用)を持っています。

人工的に電子を加速させてつくったβ線のことを「電子線」といいます。

β線は電子なので、透過作用は大きく、体内からでも体外からでも人体に影響を与えます。

アルミニウムなどの薄い金属板や、1cmほどのプラスチック板で遮蔽することができます。

γ線

γ線は非常に波長が短い(エネルギーの大きい)電磁波で、光の一種です。

可視光の1万倍も高いので、人間が感知できることはできません。

光なので、質量も電荷も大きさもありませんが、透過作用が高く、1mほどのコンクリート壁や鉛などの板でなければ遮断することはできません。

そのため、ガンマ線が人体に侵入しても、体を傷つけるのは一部で、大半は衝撃もせずにそのまま突き抜けます。

X線は、γ線とは発生の機構が異なり、原子核外での電場や軌道電子が関与した結果生じるものですが、電磁波という観点からγ線≒X線といえるでしょう。

中性子線

中性子線は高速で飛ぶ中性子の流れのことです。

原子炉の中でウラン燃料などが核分裂した際に放出されるなど、人工的なものから発生します。

中性子は電気的に中性なので、周囲に電気エネルギーの影響を与えません。

中性子線の透過作用は非常に強く、遮断するのは難しいです。

中性子線のエネルギーを吸収するには、中性子と同じくらいの質量の物と衝突させる必要があります。

つまり、軽い原子核や陽子(水素原子核)ほど中性子線を遮りやすく、が中性子線を遮るのに有効です。

また中性子線は、当たった原子を放射性同位体に変えてしまうという性質があります。

中性子線はそのエネルギーにより、以下の4つに分類される。

  • 高速中性子(0.5MeV以上)
  • 中速中性子(0.1〜500keV)
  • 遅い中性子(0.1keV以下)
  • 熱中性子(物質の熱運動と平衡にある中性子で、20℃で0.025eV)

RI計器の種類について

RI計器には、散乱型・透過型があります。

散乱型RI計器は、線源が地表面にあるため、測定前の作業が測定面の平滑整形だけでよく、作業性が良いですが、地盤と計器底面との空隙の影響を受けやすいので注意が必要である。

透過型RI計器は、線源が長さ 20cm の線源棒の先端付近にあり測定時には線源棒の挿入作業を伴うので散乱型に対して少し測定作業時間が長くなります。

線源が地中にあるため、盛土面と計器底面との空隙の影響は比較的受けにくいです。

出典:RI計器を用いた盛土の締固め管理要領

γ線による密度計測について

γ線が原子の外殻電子に作用し、エネルギーの一部をその電子に与えてその電子をはじき出し、自らはエネルギーを減じて進路を変える現象を、コンプトン効果(散乱)と呼びます。

密度計測では、このコンプトン効果を利用します。

γ線エネルギーEγ=0.3MeV〜2.0MeVの範囲では、物質とγ線の相互作用は、そのほとんどがコンプトン効果となります。

γ線は物質中でコンプトン効果を繰り返し、エネルギーを失って最後は光電効果を起こして原子に吸収されます。

γ線と物質の相互作用によりEγが減少する割合を表す計数を質量吸収係数といいます。

この質量吸収係数はEγ=0.3MeV〜2.0MeVの範囲で水素原子を除き主要元素間でほぼ同じ値となります。

このことは、土の元素構成によらず、同じ反応を示し、このγ線の性質を利用します。

線源から発生するγ線による応答をRρとすると、Rρは次式のように表されます。

Rρ=(Σ・ρ・r)²・exp(−Σ・ρ・r)
Σ:質量吸収係数
ρ:密度
r:線源と検出器の離間距離
線源から発生するγ線による応答関係のグラフ

 

 

 

 

 

出典:ソイルアンドロックエンジニアリング株式会社HP

 

通常、土の密度は図のピークより右側(ρが1.0以上)の範囲となります。この区間の曲線は、近似的に指数関数で次のように表すことができます。

Rρ=A・exp(−B・ρt)

A、B:校正定数
ρt:湿潤密度

この校正定数A、Bは校正試験により求めます。RIメーカーでの制作納入時についてます。

出典:RI計器を用いた盛土の締固め管理要領

中性子線による水分計測について

中性子とほぼ質量の等しい陽子(水素原子核)と衝突した場合のみ、その速度をほぼ失い、熱中性子となります。地盤中の水素はそのほとんどが水分子(H2O)として存在するため、熱中性子を測定することにより、地盤中の水素原子の量が計測できます。

散乱型の場合

一般に中性子検出に使用される³He検出管で測定できるのは熱中性子だけです。放射線源から放射された中性子より生じた熱中性子は、土中の水分が多ければ生成率が大きくなり、少ないと小さくなります。

散乱型水分計の校正式は次のように表すことができます。

Rm=A+B・ρm+C・ρm²

Rm:水分計の計数率比
ρm:含水量(g/cm³)
A、B、C:校正係数

 

水射熱中性子数と含水量の相関グラフ

出典:ソイルアンドロックエンジニアリング株式会社HP

出典:RI計器を用いた盛土の締固め管理要領


透過型の場合

土中の水分(水素原子核)と衝突しないで、線源から地中を透過してきた熱中性子を測定対象にしています。地中の水分(水素原子核)との相互作用で減速・生成した熱中性子は測定対象外であるため、吸収材で遮断します。

透過型の水分計の校正式は次のように表すことができます。

Rm=A・exp(−B・ρm)

Rm:水分計の計数率比
ρm:含水量(g/cm³)
A、B:校正係数

透過型水分計の指数関数グラフ

出典:ソイルアンドロックエンジニアリング株式会社HP

出典:RI計器を用いた盛土の締固め管理要領


まとめ

単位体積質量試験(RI計器)について、不勉強ながらまとめさせていただきました。

単位体積質量試験として

  • 砂置換法
  • コアカッター法
  • RI計器

が該当する中で、今回RI計器について紹介しました。

他の試験についてもまとめさせていただいてますので、詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

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また、実際に勉強に使用したテキストなどはこちらでまとめさせていただいております。

良ければ参考までにご覧ください。

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参考文献

試験所技術資料第213号:RI計器で土の密度・水分量をはかるしくみ(測定原理と校正曲線の作成)昭和59年3月日本道路公団試験所

地盤工学会「地盤調査法」

地盤調査の方法と解説. 地盤工学会

地質調査要領―効率的な地質調査を実施するために.全国地質調査業協会連合会