軟弱地盤対策工法として、
- 表層処理工法
- 緩速載荷工法
- 抑え盛土工法
- 置換工法
- 軽量盛土工法
- 載荷重工法
- バーチカルドレイン工法
- サンドコンパクションパイル工法
- 振動締固め工法
- 固結工法
が挙げられます。
今回はこの中でも、バーチカルドレーン工法についてまとめます。
バーチカルドレーン工法の方法・特徴について
バーチカルドレーン工法は、軟弱地盤中を鉛直方向に排水材を設け、排水距離を短くして圧密排水を促進させ、「圧密時間短縮・せん断強さ増加」を図る工法です。
わかりやすく言うと、毛細管現象を利用して水を吸い出します。
排水材(ドレーン材)の違いで、サンドドレーン工法とPVD(プレファブリケイティッドバーチカルドレーン)工法に大別され、施工が早く経済的なPVD工法が護岸・埋立地の液状化対策などに選択されることが多いです。
圧密に要する時間は排水距離の2乗に比例するので、排水距離の短縮することが重要になります。
ドレーン打設後に、盛土を設置する裁荷重工法の「載荷盛土工法(プレローディング工法)」を併用し、盛土荷重で排水を促すのが一般的です。
サンドドレーン工法
サンドドレーン工法は、透水性が高い砂を鉛直方向に打設する工法です。
ドレーン材(透水係数10-2cm/sec程度の砂)を介して集められた過剰間隙水を外へ導くために、サンドマットを敷設することが一般的です。
マンドレルによる空気圧入・ウォータージェットによる水圧入などの方法が取られます。
打設後に引き抜き作業が必要で地盤を乱すことがあるので、鋭敏比が高い粘性土の場合、次の理由により圧密沈下が遅延します。
砂柱が途中で途切れるなどの問題が発生したため、砂を詰めた「袋詰ドレイン材」を打設する「バックドレイン工法(袋詰めサンドドレーン工法)」、網筒で被覆する「CFドレーン工法(部分被覆サンドドレーン工法)」が開発されました。
ただ、材料の運搬・環境負荷が非常に大きいというデメリットがあります。
PVD(プレファブリケイティッドバーチカルドレーン)工法
PVD(プレファブリケイティッドバーチカルドレーン)工法は、砂の代わりペーパー(カードボード)・プラスチックボードを鉛直方向に打設する工法です。
経済的で品質も安定しているので、圧密促進工法として良く用いられます。
ケーシングパイプを設計深度まで貫入した後、ケーシングパイプだけ引き抜きドレーン材を残した状態にします。
打設後はドレイン材をカッターで切るだけなので地盤を乱すことが少ないため、鋭敏比の高い粘性土でも有効的です。
従来は厚紙ペーパー(カードボード)だけでしたが、合成樹脂のプラスチックボードが生み出され、生分解性プラスチックドレイン材など環境負荷軽減も図られています。
- ペーパー(カードボード):ペーパードレイン工法・(カードボードドレーン工法)
- プラスチックボード(高分子透水板):プラスチックボードドレーン工法
まとめ
軟弱地盤対策工法における「バーチカルドレーン工法」の方法についてまとめました。
他の軟弱地盤工法については、下記記事でまとめていますのでご参照ください。
参考ページ:軟弱地盤対策工法の施工方法について
紹介させて頂いた知識は土木施工管理技士の試験にも出てくるほど重要な知識です。
勉強に使用した書籍をまとめていますので、ご参照ください。