サウンディングとは、ロッドの先端につけた抵抗体を土中に挿入して、貫入・回転・引抜きなどの荷重をかけて、地盤の固さや締まり具合の性状を調査する方法です。
が該当します。
今回はポータブルコーン貫入試験の試験方法と結果についてまとめます。
目次
ポータブルコーン貫入試験とは?
ポータブルコーン貫入試験(コーンペネトロメーター試験)は、人力でコーンを貫入し、貫入抵抗を求める静的貫入試験です。
コンペネ試験とも呼ばれ、「コーン指数qc(kN/m2)」を計測することが目的です。
粘性土・腐植土などの軟弱地盤における土層構成や厚さ (深さ) などで、建設機械のトラフィカビリティ (通行性能)・盛土締め固め管理・戸建住宅地の地耐力の判定に使用されています。
人力で行える範囲に限定されますが、非常に簡単な試験器具で試験できます。地盤工学会の学会基準のコーン指数試験として、1995年に基準化されました。
ポータブルコーン貫入試験の試験方法について

ポータブルコーン貫入試験は、貫入体(コーン)を人力により1cm/s程度で静的に貫入する際の抵抗力を、貫入量10cmごとに求める試験です。
ポータブルコーン貫入試験の試験の手順は以下のようになります。
【ポータブルコーン貫入試験の試験方法】
- 先端コーン(鋼製で先端角30°、底面積6.45cm2)をロッドに緩みがないように接続し、ロッドの上端を測定装置・貫入用ハンドルに固定
- ロッドを直立させ、貫入用ハンドルを用いて、貫入速度は1cm/sを標準として連続的に貫入
- ロッドにつけた10cm間隔の刻線が地表面に一致した時に貫入を一時中止
- 改めて圧力を加えコーンが動き出す瞬間のダイヤルゲージの読み値Dを10cm貫入ごとに荷重計の読み値Dを記録
- 最終深さまで測定した後、先端コーン・ロッドを引き上げて取り外し、異常がないか点検
- 測定は同一試験地点の附近で二回以上行い、各測定深さ毎の平均値を計算
試験用具
ポータブルコーン貫入試験機・コーンペネトロメーターには以下の2種類があります。
- 単管式:コーン貫入抵抗にロッド周面の摩擦を含んで測定するもの。外径16mm,長さ50cmのロッドで10cmごとに目盛線を有するもの
- 二重管式:コーン貫入抵抗がロッド周面の摩擦を除いて測定できるもの。外管は外径22mm,長さ50cmのロッドで10cmごとに目盛線を有するもの。 先端シュー付きは長さ40cm程度のもの。内管は外径16mm,長さ50cm。
単管式は深くなるにつれてロッドの周面摩擦が大きくなるため、貫入深さは3~5m程度が限界です。
これ以上の深さで10m程度の場合は二重管式を用いる必要があります。
参照:株式会社アオイテック
測定装置:貫入力が測定できる荷重計とし,必要な容量と精度を有するもの
貫入用ハンドル:人力によって先端コーンを貫入させるもので,貫入力に十分耐えられるもの
適用範囲
粘性土や腐食土などの軟弱地盤を対象とします。
ポータブルコーン貫入試験の結果を用いて、コーン指数qcの求め方

現地の土の強さは、「コーン指数qc(kN/m2)」として表され、以下の式で示すことができます。
コーン指数(qc)=Qc/A=1.55(KD+1.28+7.65n)
- Qc:先端コーンの貫入力(kN)
- A:先端コーンの底面積(m2)
- KD:貫入力=荷重計読み値(D)×較正係数(K)
- N:単管の場合ロッド本数
試験を結果を用いて、土質判定の仕方(一軸圧縮強さqu、粘着力 c )
コーン指数qcは、粘性土を対象として室内で行われる一軸圧縮強度試験の結果と相関があります。
そのため、以下の式を用いて、一軸圧縮強さqu・粘着力cを導くことができます。
- 一軸圧縮強さqu=0.2×コーン指数qc(kN/m2)
- 粘着力c=0.1×コーン指数qc(kN/m2)
ポータブルコーン貫入試験のNdを用いてN値換算する方法

荷重49N(5kgf)のハンマーを高さ50cmから自由落下させ、ロッド先端に取り付けたコーンが10cm貫入するごとに要する打撃回数をNd値とし、簡易貫入試験結果と表現されます。
例えば10cm以上貫入した場合には、打撃回数Nと貫入量⊿h(cm)を用いて、Nd=10N/⊿hと導くことが可能です。
地盤工学会の「地盤調査法」によると、Nd<20以下においてはNd=(1~2)Nの範囲を取るので、平均的にNd≒1.5Nと近似することが提案されています。
そのためN=Nd/1.5と換算してN値を導き出すことが一般的です。
まとめ

ポータブルコーン貫入試験の試験方法と結果についてまとめました。
他の試験についてもまとめさせていただいてますので、詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
参考ページ:土質調査におけるサウンディング試験について
紹介させて頂いた知識は土木施工管理技士の試験にも出てくるほど重要な知識です。
参考までに、勉強に使用した書籍をまとめさせていただきます。
参考文献
地盤調査の方法と解説. 地盤工学会
地質調査要領―効率的な地質調査を実施するために.全国地質調査業協会連合会
ボーリングポケットブック(第5版). 一般社団法人全国地質調査業協会連合会