土工

法面保護工における植生工の方法・特徴について

法面保護工は、法面の風化・侵食を防止し、法面の安定を図るための工法です。

法面保護工は、大別すると以下の3つに分けられます。

  • 植生を用いる「植生工」
  • コンクリート等の構造物を用いる「構造物工」
  • 法面の風化・侵食の原因である地表水・浸透水を排除する「法面排水工」

この中でも、植生工は、法面に植物を繁茂させ、法面浸食防止・風化抑制を図る工法です。

植生工の方法としては以下のものがあります。

  • 種子散布工
  • 客土吹付工
  • 張芝工
  • 植生マット工
  • 筋芝工
  • 植生土のう工

この植生工について、まとめたいと思います。

植生事前調査

植生工は植物を用いるため、気象条件などにより、同じ施工方法でも効果が異なります。

そのため、植生が使用できるのか、調査が必要になります。以下の項目等を検討します。

  • 周辺環境
  • 気象
  • 法面の物理性

周辺環境の調査

周辺の植物群落の調査には、各群落1地点ずつの調査枠(コドラート)を設け調査を行います。

「被度」については、ブラウン-ブランケの全推定法を用います。「被度」とは、コドラート内で各植物種が地上を被う割合を表したもので、種組成の把握ができます

また、「群度」を調べることもあります。群度は優占度の大小とは関係なく、コドラート内における植物種の配分状態を表したものである。

最近は鹿の食害に注意するため、大型動物の生息状況についても調査します。植生使用予定箇所において、センサーカメラによる行動調査・フィールドサイン調査を行います。

植生調査の方法・考察について ~ブラウン・ブランケ法~評価地域の植物群落を構成する種・群落構成を植物社会学的に調査し、評価地域の総合的解析のためにリスト化します。 繁殖の程度、群落の構...

気象の調査

気象の調査として日照・降水量・気温が主に調査されます。

気象条件によって、適した種を決定する必要があります。

低温・高温下での施工は植生の育成の妨げになるため、施工時期を明確に設定して、悪条件化での施工を避ける必要があります。

また、降水量の中でも積雪に関しては、凍害などの侵食を受けやすいため、施工方法の検討材料になります。

湧水・集水箇所は、施工後の侵食に大きく関係してくるため、降水時の水流れの調査など詳細な気象関係にも注意を向ける必要があります。

法面の物理性の調査

「山中式土壌硬度計」の画像検索結果

法面の物理性の調査として土壌硬度・土壌酸度が主に調査されます。

土壌硬度の測定には、山中式土壌硬度計が広く用いられます。一般的に粘性土で23mm、砂質土で27mm以上の場合、植物の生育が困難になります。

土壌酸度の測定には、ガラス電極式pH計を用いてpHを測定する方法です。一般的に土壌酸度がpH4~8から外れる場合,中和処理等の対策が必要です。

種子散布工

「種子散布工」の画像検索結果

種子散布工は、種子・肥料・ファイバー・水・安定剤に混ぜたものを、法面にポンプ・吹付ガンで吹付ける工法です。

種子が育成するまでに時間がかかるため、法面勾配が1:1.0より緩やかな場所で使用され、種子が発芽しやすい肥沃地・湿潤地の施工が必須になります。

トラック搭載式のハイドロシーダーなどの吹付機械を使用して、大量の用水を加えた低粘度スラリー状の材料を、ポンプ圧送によ厚さ1㎝未満散布します。

混ぜ込むファイバーは、浸食防止のために用いられ、木質繊維・粘着剤・被膜材などを用いることがあります。

「種子散布工」の画像検索結果

出典:株式会社道建緑化工業HP

ハイドロシーダは施工性が高いため、植生工で最も安価であるため、最も用いられてる工法です。

問題点として、植物の初期生育までの侵食防止効果が低く、雨などの影響により吹付資材が流されてしまう危険性があります。

対策として、ネット・金網などの補助材料を用いることがあります。


客土吹付工

「客土吹付工」の画像検索結果

客土吹付工は、種子肥料・土・水を混ぜたもの(種肥土)を、モルタルガン・エアーシーダーなどで圧縮空気を用いて、1cm~3cmの厚みで吹付ける工法です。

土には、緑化基盤材(バーク堆肥)を用いることが多く、種子の発芽率が向上し、法面表面の浸食防止対策にもなります。

土を含むので種子吹付工よりも傾斜に弱く、1:0.8より緩い切土法面に適しており、安定した緑化を可能にする事が出来ます。

使用植物は外来や在来の草本類だけではなく、木本類の種子も使用できる点が種子散布工と違います。

また、客土吹付工は土壌硬度が高い礫質土でも施工可能です。

客土吹付工

参照:岡崎グリーン

張芝工

「張芝工」の画像検索結果

張芝工は、を人力にてベタ張りで隙間なく張り付け、法面に密着するように張り付ける工法です。

使用する芝は、野芝・高麗芝・切芝・ロール芝が用いられ、法面に目串などで固定します。

種子散布などの種子の発芽後に保護効果を有するものと比べて、べた張の完成と同時に保護効果を有します。そのため、侵食されやすい環境の法面保護に適しており、盛土部で使用されます。

適用できる勾配は、法面勾配が1:1.5より緩やかな場所に適しています。

「張芝工」の画像検索結果

参照:株式会社末武造園土木

目地張りは芝と芝の間隔を空けて張る方法だが、ベタ張りは芝と芝の間隔を空けずに張る方法です。

そのため、人力でベタ張りするので費用が高く施工性が悪いため、対象面積が大きくできません。


植生シート・植生マット工

植生シート工・植生マット工は、種子を装着したシート・マットで法面を保護する工法です。

種子散布の効果発現が遅い弱点を、マット・シートにすることで保護効果の早期発現を可能にします。

また、張芝工と違い、設置後に種子が発芽することで、法面接着が良好になり、安定的な法面保護が行われます。

植生シート工

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植生シート工は、植生シートを法面に止め釘などでマットを地面と密着固定させる工法です。

植生シートはわら・むしろ・不織布・化繊ネット・水溶性紙でできています。

比較的勾配が急な盛土部で、法面勾配が1:1.5より緩やかな場所に適用できます。

弱点は、シートに活着させれる種子・肥料・生育基盤材が限られており、肥料袋などはつけることができない点です。

シートが地面に密着している必要があり、少しでも浮いているとそこから浸食が起こるため、注意が必要です。

表面浸食の防止効果があり、施工も簡単であるよう法面は十分平滑に整形することが必要です。

植生マット工

「植生マット工」の画像検索結果

参照:西日本グリーンメンテナンス

植生マット工は、植生マットを法面にアンカーピンや止め釘などでマットを地面と密着固定させる工法です。

マットの材料は、厚みのある不織布、紙、わら、すだれ、フェルトなどが用いれ、これらに種子・肥料・生育基盤材がついています。また、間隔を持たせて、肥料袋がついているのが特徴です。

シート工に比べて厚みと重さがあるため、法面勾配が1:0.8より緩やかな場所に用いります。

筋芝工

 

「筋芝工」の画像検索結果

参照:ロンタイ株式会社HP

筋芝工は、盛土法面の土羽打ち際に野芝を水平に筋状に挿する工法です。

野芝は育成が遅く、保護効果発現が遅れ、筋間にある土砂が流出する恐れがあります。

土羽打ちは、2/3が土に埋まるように野芝を挿入する必要があります。

とても地表水に対して弱く、切り芝を用いるので小面積しか施工できないため、この施工方法を用いる例が少なくなっています。

造園として必要な場合に用いられることがあります。


植生土のう工

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植生土のう工は、種子・肥料・土壌を詰めた土のう袋を、法面に掘った水平な溝・法枠内に固定する工法です。

袋に詰めれているので、地盤との馴染みが良く、種子が流出する恐れもありません。

土のうの間に隙間が出来た場合は、土で間詰めします。

場合によっては、現場発生土を用いる場合もありますが、基本は向上等で袋に詰まった状態で現場に運ばれてきます。

「植生土のう工」の画像検索結果

参照:株式会社水戸グリーンサービス

1:0.8より緩い切土法面に適しており、安定した緑化を可能にする事が出来ます。

土のうにすることで、種子発芽前の法面保護効果の早期発現を可能にします。設置後に種子が発芽することで、法面接着が良好になり、安定的な法面保護が行われます。

まとめ

植生工について、不勉強ながらまとめさせていただきました。

法面保護工は

  • 植生を用いる「植生工」
  • コンクリート等の構造物を用いる「構造物工」
  • 法面の風化・侵食の原因である地表水・浸透水を排除する「法面排水工」

に大別され、植生工についてまとめさせていただきました。

他の施工方法について詳細に知りたい方は、こちらをご参照ください。

法面保護工の施工方法について ~植生工・構造物工・法面排水工~法面保護工は、法面の風化・侵食を防止し、法面の安定を図るための工法です。 大別すると、以下の3つに分けられます。 植生を...

また、勉強した本をこちらでまとめさせていただいております。
良ければ参考までにご覧ください。

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