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農家おすすめ!タマネギの栄養・効能を活かす効果的な料理法

農家おすすめ!タマネギの栄養・効能を活かす効果的な料理法
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食材の栄養素は料理の仕方次第で大きく変化します。

栄養を大きく損なう調理をしてしまうと、食材の栄養素を活かすことができません。

逆にちょっとした工夫・要点を知るだけで、効率的に栄養を活かすことが可能です。

今回は「タマネギ」の栄養・効能を活かす効果的な料理法をまとめます。

タマネギの主な栄養・効能

タマネギ

【玉ねぎの注目成分】

  • ビタミンB1:0.03mg
  • カリウム:150mg
  • 葉酸:16μg
  • 食物繊維:1.6g

【玉ねぎ 生 可食部100gあたり成分 七訂日本食品標準成分表より】

タマネギの主な栄養素であるカリウムは、血圧を下げる効果があります。

玉ねぎは必須脂肪酸であるリノール酸も含まれ、総コレステロール値やLDLコレステロール値を低下させることができ、心疾患予防が期待できます。

これらの栄養素以外にも注目すべき成分が3つあります。

  • 硫化アリル
  • ケルセチン
  • グルタチオン

レッドオニオン(赤玉葱)だけには、ポリフェノールであるアントシアニンが含まれます。

硫化アリル(イソアリイン)

タマネギに含まれる硫化アリル(イソアリイン)は、硫黄化合物でシステインスルフォキシド類に分類されるファイトケミカルです。

イソアリイン自体にも抗酸化作用があるが、この成分から生成されるチオスルフィネートが重要になります。

植物組織が破壊されると、液胞中に存在する酵素アリイナーゼがイソアリインに作用し、チオスルフィネート(thiosulfi nates)を生成します。

チオスルフィネートは血液を固まりにくくするので血栓の生成を抑え、血液サラサラ効果があるのです。

また、消化液の分泌を助けて食欲を増進する作用をはじめ、新陳代謝・神経の沈静化に必要なビタミンB1の吸収と活性化を促す作用があり、疲労回復効果もあります。

硫化アリル(イソアリイン)については、下記記事にてまとめていますのでご参照ください。

ケルセチン

「ケルセチン」は、褐色の皮部分に多く含まれるポリフェノールです。

品種によって含有量が異なり、「赤玉ねぎ>>黄玉ねぎ>白玉ねぎ」となります。

また、タマネギの身よりも皮に豊富に含まれているので、タマネギの皮「お茶・ジュース・スープを作る」「出汁に使う」などの方法で有効活用する例があります。

強い抗酸化作用・抗炎症作用を持ち、細胞老化抑制・活性酸素除去に効果があり、血圧上昇抑制や抗アレルギー性にも効果があります。

ケルセチンは脂肪の分解を促し、コレステロール上昇を抑える成分として注目されています。

ケルセチンよりも吸収されやすいケルセチン配糖体を配合された飲料などがトクホ(特定保健用食品)として許可されています。

グルタチオン

「グルタチオン」は、グルタミン酸・システイン・グリシンの3つのアミノ酸からなるトリペプタイド、酸化還元を正常に維持するための物質です。

抗酸化効果・放射線障害予防効果があります。

さらに、たんぱく質・脂質の糖化防止作用・活性酸素除去作用があるため、老化物質生成防止作用が認められ、アンチエイジングとしても活躍します。

タマネギの栄養・効能を活かす効果的な料理法

タマネギ スライス

タマネギの栄養・効能を活かすため、以下の効果的な料理方法をおすすめします。

玉ねぎに含まれる栄養素で特に変化しやすいのは「硫化アリル」ですので、これに主眼を置いています。

あくまでも、栄養を活かすためであって、美味しさを追求する場合の料理方法とは異なることをご承知ください。

【タマネギの栄養・効能を活かす効果的な料理法】

  1. 細かく刻み、10分放置する
  2. 飴色になるまで炒めない
  3. 芯まで使用する
  4. 日光に当てて保存したものを使用する
  5. 水につけない
  6. 油と一緒に食べる

①細かく刻み、最低10分放置する

タマネギ 刻む

タマネギの血液サラサラ効果を最大限に発揮するには、酵素アリイナーゼが活性化させ、チオスルフィネート(thiosulfi nates)を生成しなくてはいけません。

細胞を破壊すればするほど酵素が反応するため、「おろす>みじん切り>繊維に垂直に切る>繊維に沿って切る」となって、調理に合わせてできる限り細胞を壊すように切ります。

また、アリイナーゼの酵素反応は緩やかに反応しますので、切ってから調理または生で食べる前に、最低10分おくと良いことが推奨されています。(Song K, Milner JA. The influence of heating on the anticancer properties of garlic. J Nutr. 2001;131(3s):1054S-1057S.)

②飴色になるまで炒めない

タマネギ 炒める

飴色になるまで加熱するとタマネギの辛み成分である硫化アリルがプロピルメルカプタン(プロパンチオール)に変わってしまいます。

そのため、できれば生食の方が栄養面からは好ましいです。

加熱する場合は、長時間加熱することで甘みが増して美味しいのですが、栄養面のことを考えると飴色まで炒めないでください。

どうしても加熱したい際は、電子レンジを用いた短時間加熱にしましょう。

③芯まで使用する

タマネギ 芯

玉ねぎの過食部は「葉」、根元にあるのが「茎」であり、芯だと思っている部分は「発芽葉(はつがよう)」と言う部分で「葉」に該当します。

匂い・辛味成分が特に強いので、捨てる方も多い部位です。

しかし、タマネギの芯は栄養素が多く含まれる部分で食べないともったいありません。

できる限り芯に近い部分まで食べることをおすすめします。

④日光に当てて常温保存したものを使用する

タマネギ 日光浴

タマネギに日光を当てることで、ケルセチンが増加します。

そのため、購入した玉ねぎを数日ほど日当たりの良い場所に置いておくだけでも、ケルセチンの含有量を増やすことが可能です。

また、基本的には常温で風通しが良く、湿度が高くないところに保管しておくだけで長持ちさせることができます。

冷凍保存を推奨していることもありますが、硫化アリルが壊れて糖になってしまい栄養が損なわれてしまいますので、常温保存を推奨します


⑤水につけない

タマネギ 水

タマネギを水につけることで、辛味を抜くことで食べやすくなり、皮が柔らかくなってむきやすくなります。

しかし、硫化アリル・ケルセチンは水溶性なため、水溶性ビタミンと共に流れ出てしまいます。

そのため、水につけて放置することは推奨していません。

辛味がどうしても気になる場合は、「辛味の少ない新タマネギを用いる」「水にさらす時間を3分未満にする」など工夫しましょう。

⑥油と一緒に食べる

タマネギ 油

ケルセチンは脂溶性で、油に溶ける性質を持っているので、油と一緒に摂取することで効率よく吸収できます。

ドレッシングをかけて食べるときは、ノンオイルよりも油分が多いドレッシングが好ましいです。

ケルセチンは熱にも強いので、オニオンリングなど加熱するレシピでも摂取することができます。

まとめ

タマネギ

タマネギの栄養・効能を活かす効果的な料理法についてまとめました。

栄養を生かす調理の方法に併せて、品質の良い食材を手に入れることも重要です。

残念なことに品質の良い食材を買ってみようと思っても、近所のスーパーの品揃えがない・価格高いなどの問題にあたってしまいます。

そこで、旬で良質な野菜を手軽に安く手に入れる方法として、『野菜の宅配定期便』を紹介させて頂いておりますので、ぜひご覧ください。

農家による経験・知恵によるところもありますが、栄養をしっかり摂るためには正しい情報・データも必要なため、書籍・論文などの文献で勉強しました。

栄養について勉強をした際に使用した書籍をまとめましたので、興味がありましたらご参照ください。

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