食材の栄養素は料理の仕方次第で大きく変化します。
栄養を大きく損なう調理をしてしまうと、食材の栄養素を活かすことができません。
逆にちょっとした工夫・要点を知るだけで、効率的に栄養を活かすことが可能です。
今回は「いちご」の栄養・効能を活かす効果的な料理法をまとめます。
いちごの主な栄養・効能
【いちごの注目成分】
- ビタミンC:62mg
- 葉酸:90μg
- カリウム:170mg
- カルシウム:17mg
【いちご 可食部100gあたり成分 七訂日本食品標準成分表より】
いちごは、免疫力上昇・抗酸化作用・美肌効果などが期待できる「ビタミンC」を豊富に含んでいます。
いちご約150gにあたる8〜10粒を食べることで、ビタミンCの1日推奨量である100mgを摂取可能です。
また葉酸も豊富に含まれているので、赤血球・DNA・RNA・たんぱく質の生合成促進などの効能も期待できます。
先端が糖度が高いので、ヘタ側から先端に向かって食べると食味が向上するのでおすすめです。
栄養成分に以外にも、注目すべき成分として「アントシアニン」「キシリトール」が挙げられます。
アントシアニン
アントシアニンは、いちごの赤色の色素成分で、ポリフェノールの一種で強い抗酸化作用があります。
活性酸素を取り除く抗酸化作用以外にも、目の疲れを改善する効果が期待できます。
網膜に存在する「ロドプシン」の再合成を助け、視力悪化予防にも機能します。
キシリトール
キシリトールは、糖アルコールの一種で、砂糖と同じくらいの甘さがありますがカロリーが低いことが特徴です。
いちご100gあたりキシリトールが350mgも含まれています。
キシリトールは、唾液分泌促進・歯の再石灰化促進・ミュータンス菌の増殖防止などの虫歯予防効果などの効能が期待できます。
いちごの栄養・効能を活かす効果的な料理法
いちごの栄養・効能を活かすために、以下の効果的な料理法をおすすめします。
あくまでも、栄養を活かすためであって、美味しさを追求する場合の料理方法とは異なることをご承知ください。
【いちごの栄養・効能を活かす効果的な料理法】
- ヘタはできるだけ取らない
- 脂質と一緒に食べる
- 加熱しない
- 冷所で保存する
①ヘタはできるだけ取らない
いちごのビタミンCは、ヘタの部分にいちばん詰まっています。
そのため、ヘタを取るときには、白い部分まで削らないように慎重に手で葉だけ取るようにしましょう。
また、ビタミンC・アントシアニンなど水溶性成分が豊富なため、水洗い後にヘタを取って、流出するのを防ぐとなお良いです。
②脂質と一緒に食べる
ビタミンC・アントシアニンなどの抗酸化物質は脂肪分と一緒に摂ることで吸収率が高まります。
ビタミンCの場合は2〜3倍、アントシアニンなどのポリフェノールは2〜3割ほど吸収率が高まるのです。
脂質分を多く含むヨーグルト・牛乳・練乳と合わせて食べましょう。
③加熱しない
イチゴに含まれるビタミンCは加熱すると、ほとんどが失われてしまいます。
ジャムなどの加熱加工することで、いちごのかさを減らすことで多くのいちごを食べることができるメリットはありますが、栄養面からはおすすめできません。
できる限り生の状態のいちごを食べることが好ましいです。
④暗所・冷所で保存する
アントシアニンなどが含まれるいちご色素の安定性について、低温(特に冷凍)では安定であり、 明所と暗所では暗所の方が安定であることが分かっています(査阪美智子・西村智子.1991.いちごアントシアニン色素についてーその安定性並びにぶどう果皮色素との比較ー 第 1報.甲子園短期大学紀要. 10. 3 -16.)。
購入後は、常温でなく暗所・冷所で保存することがおすすめです。
冷凍の場合、保管している温度が高いとビタミンCが減少しますが、マイナス20℃以下で保管するとビタミンCの欠損が少なくなります。
まとめ
いちごの栄養・効能を活かす効果的な料理法についてまとめました。
栄養を生かす調理の方法に併せて、品質の良い食材を手に入れることも重要です。
残念なことに品質の良い食材を買ってみようと思っても、近所のスーパーの品揃えがない・価格高いなどの問題にあたってしまいます。
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農家による経験・知恵によるところもありますが、栄養をしっかり摂るためには正しい情報・データも必要なため、書籍・論文などの文献で勉強しました。
栄養について勉強をした際に使用した書籍をまとめましたので、興味がありましたらご参照ください。