食材の栄養素は料理の仕方次第で大きく変化します。
栄養を大きく損なう調理をしてしまうと、食材の栄養素を活かすことができません。
逆にちょっとした工夫・要点を知るだけで、効率的に栄養を活かすことができます。
今回は、「リンゴ」のすごい栄養・効能を活かす効果的な料理法をまとめます。
リンゴのすごい栄養・効能
【リンゴの注目成分】
- 炭水化物:16.2g
- ビタミンC:6mg
- カリウム:120mg
- 食物繊維:1.9g(水溶性0.5g、不溶性1.4g)
【リンゴ 果肉100gあたり成分 七訂日本食品標準成分表より】
リンゴは、高血圧など生活習慣病の予防に効果がある「食物繊維」や「カリウム」が豊富です。
西洋のことわざで、“An apple a day keeps the doctor away.”(1日1個のリンゴは医者を遠ざける)と言われるほど、習慣的にリンゴを食べると良いとされています。
子どもの下痢・消化不良改善のために、すりおろしたりんごを2日間にわたって与える療法「モーロりんご療法」として、実際に使用されていました。
体を温める効果もあり、非常に栄養・効能のよい果物です。
栄養素以外に注目すべき成分として「ポリフェノール」・「リンゴ酸」が挙げられます。
ポリフェノール
りんごはポリフェノール成分が豊富で、「プロシアニジン」がポリフェノールの主成分として約60%を占めており、エピカテキン、アントシアニン、クロロゲン酸、ケルセチンなども含まれています。
プロシアニジンには以下の効果があります。
- 抗酸化作用
- アレルギー反応抑制
- 美肌効果
- 血液中の脂質の酸化抑制
- 悪玉コレステロール値低下作用
- 脂肪蓄積抑制
リンゴに含まれるポリフェノールは、未熟なもの・青いリンゴの方が約6倍多く含まれています。
リンゴ酸
リンゴ酸は、リンゴの酸味のもとである有機酸です。
有機酸は、クエン酸回路を活発化させ、体に溜まった疲労物質である乳酸を分解しエネルギーに変換するので、疲労回復効果が期待できます。
また、胃腸の働きを良くしたり、殺菌作用で体内の炎症を抑える作用もあります。
リンゴのすごい栄養・効能を活かす効果的な料理法
リンゴのすごい栄養・効能を活かすために、以下の効果的な料理方法をおすすめします。
あくまでも、栄養を活かすためであって、美味しさを追求する場合の料理方法とは異なることをご承知ください。
【リンゴのすごい栄養・効能を活かす効果的な料理法】
- 横切り
- 皮ごと食べる
- 加熱する
①横切り
リンゴは85%が水分で、残りの15%に栄養が凝縮されています。
リンゴの芯の周りには多くの蜜があり、この部分を食べることが栄養面で重要になります。
縦切りをしてしまうと芯の周囲も切り取ってしまうので、横切りにすることで芯の周りにある蜜も残さず食べましょう。
りんごの芯が星型であるから、スターカットと呼ばれるほどなので非常におすすめです。
②皮ごと食べる
リンゴの皮には、実よりもカリウムが2倍、ビタミンC・ポリフェノールが4倍含まれています。
また、アントシアニン・ペクチンが豊富に含まれているので、とても重要な可食部といえます。
そのため皮を剥かずに食べることがおすすめです。
③加熱する
リンゴを160〜190°Cで60分焼成すると、著しく軟化すると細胞壁の分離が見られ、食物繊維のペクチンが6.6倍になります。(渕上倫子,焼きリンゴにおける多糖類の分解と組織の崩壊,家政誌 ,59,871~879 (2008))
ペクチンには整腸作用があり、便秘のときは便を柔らかくして排便を促して、下痢のときはゼリー状の膜になって腸壁を守られます。
また、コレステロール値の上昇を抑えて動脈硬化の予防、腸内の善玉菌の増加などの効果もあります。
整腸作用などを狙うならば、リンゴを加熱することがおすすめです。
逆にりんごジュースでは全く摂取することができないので注意しましょう。
まとめ
リンゴすごい栄養・効能を活かす効果的な料理法まとめました。
栄養を生かす調理の方法に併せて、品質の良い食材を手に入れることも重要です。
残念なことに品質の良い食材を買ってみようと思っても、近所のスーパーの品揃えがない・価格高いなどの問題にあたってしまいます。
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農家による経験・知恵によるところもありますが、栄養をしっかり摂るためには正しい情報・データも必要なため、書籍・論文などの文献で勉強しました。
栄養について勉強をした際に使用した書籍をまとめましたので、興味がありましたらご参照ください。