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石綿含有製品の劣化・破損状況の把握について

石綿含有製品の劣化・破損状況 の把握について
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施設管理者は、石綿含有製品の使用状況を把握し、使用されている場合には、その劣化・破損状況に応じた適切な石綿粉塵暴露防止対策を講じなければいけません。

石綿粉じんばく露防止対策の基本的な手順は、

  1. 石綿含有製品の使用状況の把握
  2. 石綿含有製品の劣化・破損状況の把握
  3. 石綿粉塵暴露防止対策の選定
  4. 石綿含有製品の除去、解体等の対策工事
  5. 廃石綿等・石綿含有廃棄物の産廃処理

となります。

今回、石綿含有製品の劣化・破損状況の把握についてまとめます。

石綿含有製品の劣化・破損状況の確認方法

石綿管 破損 埋設

石綿含有製品は、劣化・破損状況の程度で、石綿が飛散する可能性が異なり、状況によって防止対策も異なります。

適切に劣化・破損状況を判断することが石綿粉塵暴露対策で1番重要です。

石綿含有製品の劣化・破損状況は、製品の使用場所等に応じて、主に露出している石綿含有製品を目視で確認します

ただし、振動を発生する施設においては、飛散性石綿含有製品が囲い込み状況であっても損傷している場合も考えられる。

気中の石綿濃度測定により石綿粉塵の発生状況を確認するのが好ましいです。

飛散性・非飛散性では特徴が異なるため、製品の特徴を理解する必要があります。

飛散性石綿含有製品の劣化・破損の程度

解体工事

飛散性石綿含有製品は、劣化、破損状況の程度で、石綿が飛散する可能性が大きく違うので飛散防止対策も、その状況に応じて行う必要がある。

このため、劣化、破損の程度を「区分1」「区分2」「区分3」の3区分で分類します。

区分1

劣化・破損の程度が大きく、石綿の飛散が恐れが大きい状態です。

区分1の特徴

  • 吹き付け面等の崩れ・垂れ下がり・浮き上がり
  • 床面に製品の一部の飛散
  • 基盤面との剥離
  • 振動や漏水にさらされている

区分2

劣化・破損の程度は小さく石綿の飛散の恐れが小さい状態です。

石綿を含有していない製品で覆われている「囲い込み」よる対策済みと判断され、ここに分類される場合が多いです。

区分3

劣化・破損は見られず、安定している状態です。

非飛散性石綿含有製品の劣化・破損の程度

アスベスト・石綿・収集

非飛散性石綿含有製品は、一般的に安定しており、破損等が生じた場合でも、部分補修・囲い込みで石綿粉塵の発生を一時的に防止できます。

このような場合は、飛散性石綿含有製品の「区分2」に分類できます。

しかし、激しい破損・耐用年数を超えた破損がある場合は、「区分1」に分類する。

非飛散性の石綿セメント管・電気・機械製品は、地下埋設・部品の一部などとして使用されており、通常の目視での確認は困難であることから、次に述べる点に注意する必要がある。

配管材(石綿セメント管)

配管材として、石綿セメント管が使用されています。

一般的には土中で安定した状態にあるが、管の補修・更新の工事の際に飛散のおそれがあるため、注意が必要である。

また、老朽化による管継手パッキンの劣化・道路状況の変化・セメントの中性化などによる管体の破損によって漏水事故が発生しています。

劣化の判定方法は、「水道用石綿セメント管診断マニュアル」に詳細に記されています。

電気部品

電気部品は、電気製品の材料として組み込まれており、ゴム・レジン等により固化・密閉されている。

このため、目視のみで状況の判断を行うことは一般的に不可能です。

部品名・製造記号・番号等を基に、発注したプラントメーカーに問い合わせることで判断するしかありません。

この電気部品を交換する場合、古い機器においては製造中止により簡単な交換では対応できず、改造・全て更新が必要となる。

機械部品

機械部品は、電気部品と同様に固化・密閉等の加工がなされており、目視のみで状況の判断を行うことは一般的に不可能です。

機械部品の交換部品も、機器や部品等の各メーカーによりまちまちであるため、用・排水ポンプ設備の請負業者に対し問い合わせることで判断するしかないです。

まとめ

保護具・保護衣の着用

石綿含有製品の劣化・破損状況の把握についてまとめました。

石綿撤去作業のは、通常の土木作業よりも安全性が重視されるため、専門知識が必要になります。

その専門知識を習得するための参考書・専門書をまとめましたので、参考にしてみてください。

参考資料・参考文献

  • 農業農村整備事業におけるアスベスト対応マニュアル:農林水産省農村振興局整備部
  • 水道用石綿セメント管の撤去作業等における石綿対策の手引き:厚生労働省健康局水道課
  • 愛知県農業用石綿セメント管工事指針:愛知県農業用水管アスベスト対策推進検討会