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石綿含有製品の使用状況の把握について

石綿含有製品の使用状況の把握について
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施設管理者は、石綿含有製品の使用状況を把握し、使用されている場合には、その劣化・破損状況に応じた適切な石綿粉塵暴露防止対策を講じなければいけません。

石綿粉じんばく露防止対策の基本的な手順は、

  1. 石綿含有製品の使用状況の把握
  2. 石綿含有製品の劣化、破損状況の把握
  3. 石綿粉塵暴露防止対策の選定
  4. 石綿含有製品の除去、解体等の対策工事
  5. 廃石綿等・石綿含有廃棄物の産廃処理

となります。

今回、石綿含有製品の使用状況の把握についてまとめます。

石綿含有製品の使用状況の把握について

計画書 企画書

高度経済成長時に造成された各種施設には石綿含有製品が数多く使用されており、造成時から長期間が経過していることもあり、特定が極めて困難です。

  • 目視
  • 設計図書
  • 分析

を実施して、石綿含有製品の使用状況を判断します。

目視による調査

調査

石綿含有製品の使用の有無を目視だけで判断することは非常に困難である。

飛散性の吹付け石綿については、外見上の特徴から判断が可能な場合もあります。

吹き付け石綿・吹き付けロックウールは針で突くと容易に貫入するが、吹き付けひる石は針で突いても容易に貫入しない。

設計図書等での調査

書類

全てを目視のみで確認することは困難であり、造成時の図面に頼ることが多くなります。

しかし、造成時の図面等を発見しても、材料名・商品名・工法が記されているだけで、実際に石綿を有しているか不明な場合が多いです。

例えば、吹付ロックウールは現在でも使用されていますが、昭和55年以前に製作されているものは石綿を含有しています。

このため、同一商品名でも石綿が含有の有無が不明な場合は、施工業者・製造メーカーなどに聞き取り調査をするのが効果的です。

設置時期が古い場合、配管図等の設計図書の収集に困難が予想されるので、当時の工事の関係者等に聞き取りを行うなど設計図書に頼らない対応が求められます。

分析による調査

顕微鏡

目視・設計図書などで石綿含有の有無が特定できない場合は、試料採取を行い、石綿含有量の分析を実施します。

石綿含有量の分析方法は、「建築物の耐火等吹き付け材の石綿含有量の判定方法について」・「建材中の石綿含有率の分析方法について」で示されています。

高度な技術を要するので、専門的な分析機関に依頼するのが一般的です。

アスベストの測定方法は、「建材中の石綿含有率の分析方法について」に示されるJIS A 1481-2・JIS A 1481-3 に準拠して行われます。

分析の流れ

  1. 試料採取
  2. 分析用に調整
  3. 定性分析(X線回折法・位相差顕微鏡を使用した分散染色分析法など)
  4. 石綿の有無を確認
  5. 石綿有の場合、定量解析(基底標準吸収補正法など)

まとめ

アスベスト・石綿

石綿含有製品の使用状況の把握についてまとめました。

石綿撤去作業のは、通常の土木作業よりも安全性が重視されるため、専門知識が必要になります。

その専門知識を習得するための参考書・専門書をまとめましたので、参考にしてみてください。

参考資料・参考文献

  • 農業農村整備事業におけるアスベスト対応マニュアル:農林水産省農村振興局整備部
  • 水道用石綿セメント管の撤去作業等における石綿対策の手引き:厚生労働省健康局水道課
  • 愛知県農業用石綿セメント管工事指針:愛知県農業用水管アスベスト対策推進検討会