施設管理者は、石綿含有製品の使用状況を把握し、使用
石綿粉じんばく露防止対策の基本的な手順は、
- 石綿含有製品の使用状況の把握
- 石綿含有製品の劣化、破損状況の把握
- 石綿粉塵暴露防止対策の選定
- 石綿含有製品の除去、解体等の対策工事
- 廃石綿等・石綿含有廃棄物の産廃処理
となります。
今回、石綿含有製品の使用状況の把握についてまとめます。
石綿含有製品の使用状況の把握について
高度経済成長時に造成された各種施設には石綿含有製品が数多く
- 目視
- 設計図書
- 分析
を実施して、石綿含有製品の使用状況を判断します。
目視による調査
石綿含有製品の使用の有無を目視だけで判断することは
飛散性の吹付け石綿については、外
吹き付け石綿・吹き付けロックウールは針
設計図書等での調査
全てを目視のみで確認することは困難であり、造成時の図面に頼ることが多くなります。
しかし、造成時の図面等を発見しても、材料名・商品名・工法が記されているだけで、実際に石綿を有しているか不明な場合が多いです。
例えば、吹付ロックウールは現在でも使用されていますが、昭和55年以前に製作されているものは石綿を含有しています。
このため、同一商品名でも石綿が含有の有無が不明な場合は、施工業者・製造メーカーなどに聞き取り調査をするのが効果的です。
設置時期が古い場合、配
分析による調査
目視・設計図書などで石綿含有の有無が特定できない場合は、試料採取を行い、石
石綿含有量の分析方法は、「建築物の耐火等吹き付け材の石綿含
高度な技術を要するので、専門的な分析機関に依頼するのが一般的です。
アスベストの測定方法は、「建材中の石綿含有率の分析方法について」に示されるJIS A 1481-2・JIS A 1481-3 に準拠して行われます。
分析の流れ
- 試料採取
- 分析用に調整
- 定性分析(X線回折法・位相差顕微鏡を使用した分散染色分析法など)
- 石綿の有無を確認
- 石綿有の場合、定量解析(基底標準吸収補正法など)
まとめ
石綿含有製品の使用状況の把握についてまとめました。
石綿撤去作業のは、通常の土木作業よりも安全性が重視されるため、専門知識が必要になります。
その専門知識を習得するための参考書・専門書をまとめましたので、参考にしてみてください。
参考資料・参考文献
- 農業農村整備事業におけるアスベスト対応マニュアル:農林水産省
農村振興局整備部 - 水道用石綿セメント管の撤去作業等における石綿対策の手引き:厚
生労働省健康局水道課 - 愛知県農業用石綿セメント管工事指針:愛知県農業用水管アスベス
ト対策推進検討会