基礎生態学

個体数調節方法「種内競争・種間競争・捕食-被食・個体群構造」

個体数調節方法「種内競争・種間競争・捕食-被食・個体群構造」

個体群が環境に適応し他ならば、個体数が増加し続け、環境が支えきられないほど増加してしまいます。

しかし、実際にはそんなことはあり得ず、増加にブレーキがかかります。

生態系が安定を保つためには、ネガディブフィードバック機構並列安定機構が働き、ブレーキがかかりすぎて絶滅することもなく、上限と下限の間で適切に推移することができます。

この個体数調節には「種内競争・種間競争・捕食-被食・個体群構造」の影響で行われます。

なぜこのような個体数調整ができているかまとめます。

種内競争

資源が有限ならば、個体数の増加と伴って1個体が利用できる資源が減ります。

そのため、同種間で資源を奪い合う競争が行われます。

空間当たり・資源あたりの密度の上昇によって、個体数の歯止めがかかる負の効果をもたらすため、「密度効果」と呼びます。

植物の場合は移動ができないので、単位面積あたりの植物体重量を減らさないような「最終収量一定の法則」に従い、密度が高くなった場合は自己間引きを行います。

アリー効果(正の密度効果)

密度の下降による密度効果の逆が起こると、競争は緩和されて1個体で利用できる資源は増え、個体数は増加するはずである。

しかし、低密度になりすぎると繁殖・採餌・捕食回避などが困難になるため、個体の増加率が低下します。

個体群が存続するには下回ってはいけない個体数の閾値が存在し、個体数の減少が止まらなくなります。

このように、低密度において個体数の増加率が密度に正比例することを「アリー効果」と呼びます。

種間競争

資源は限られているため、同種間以外でも異なる種の間で競争が行われます。

種が必要とする資源の要素と生存可能な条件の組み合わせをニッチ(生態的地位)」と呼び、互いのニッチが重なるところで種間競争が行われます。

種間競争によりニッチが変化し、形態の変化を伴うニッチ分化が起こった共進化を「生態的形質置換」と呼び、繁殖の変化を伴う場合は「生殖的形質置換」と呼びます。

ニッチを巡り合って競争した場合、片方の種が排除されるという「競争排除則(ガウゼの法則)」が働きます。

1つのニッチには1種しか生息することができませんが、逆にニッチが異なっていれば共存が可能です。

ロトカ・ヴォルテラの競争式から、種間競争よりも種内競争が強い場合に共存し、種内競争よりも種間競争が強い場合は一方が排除されることが示されています。

自種における密度効果の方が強く増殖を抑制する場合に共存関係を持つため、密度効果を高めるように個体を増加させることで、種内・種間も個体数を安定させることができます。

捕食-被食

自然下において、生物は食物連鎖の一部に組み込まれており、捕食-被食の相互作用の関係にあり、個体数変動に影響を与えています。

その関係は以下のような共振動につながります。

  1. 被食者が増えると、餌資源が増えるので捕食者の個体数が増えます。
  2. 捕食者が増えると、被食圧が高まるので被食者が減ります。
  3. 被食者が減ると、餌資源が減るので捕食者が減ります。
  4. 捕食者が減ると、被食圧が減るので被食者が増えます。

このことを数理モデルを用いて説明したのが、ロトカ・ヴォルテラの捕食式です。

2者による単純な捕食-被食の関係であることは少なく、複雑な個体数変動になります。

植物などは分布を広げるために、特定の昆虫に被食されるように共進化したり、被食されないように軍拡競争を行います。

個体群構造

個体群は一様に分布しているわけではなく、パッチ上に点々と不連続に存在しています。

一部の局所個体群が絶滅するレベルで減少しても、他の局所個体群から個体が供給されるなどし、局所個体群全体で個体数が調節されます。

生息環境の構造が、生物間の相互関係のあり方に大きな影響を与えています。

局所個体群間で個体の交流は限られているが相互作用し合っている個体群全体をメタ個体群と呼ばれています。

隣の局所個体群までの距離が近いほど、空きパッチに局所個体群が再生する確率は高くなります。

局所的に見ると非平衡で絶滅を繰り返していても、メタ個体群全体として見ると平衡状態で個体数が適切に維持されることがあります。

まとめ

自然環境

生物が絶滅するような個体数変動をしない適切な個体数調節の方法についてまとめました。

生態学を勉強するのにおすすめのテキストをまとめましたので、参考にしてください。