食材の栄養素は料理の仕方次第で大きく変化します。
栄養を大きく損なう調理をしてしまうと、食材の栄養素を活かすことができません。
逆にちょっとした工夫・要点を知るだけで、効率的に栄養を活かすことができます。
今回は「タコ」の栄養・効能を逃さない効果的な料理法をまとめます。
タコの主な栄養・効能
【タコの注目成分】
- たんぱく質:21.7g
- ビタミンE:1.9mg
- ナイアシン:1.9mg
- ナトリウム:230mg
- カリウム:240mg
- 亜鉛:1.8mg
【マタコ 茹で 可食部100gあたり成分 七訂日本食品標準成分表より】
タコは、脂質が少なくてヘルシーな食材で、たんぱく質が豊富です。
タコ類として日本では「マダコ・ミズダコ・イイダコ・ヤナギダコ」がよく利用され流通していますが、欧米ではデビルフィッシュ(悪魔の魚)と呼ばれて敬遠されています。
栄養素以外にも注目すべき成分として、「タウリン」が挙げられます。
タウリン
タウリンは、軟体動物では組織に遊離状態で豊富に存在するスルホン酸の一種です。
カルボキシル基を持たないためアミノ酸には分類されないが、似ている物質であるためアミノ酸の一種として説明されることもあります。
タウリンの含有量は520mg/100gで、牡蠣(1,130mg)・ほたて(769mg)・あさり(664mg)に次ぐ第4位の多さになります。
タウリンには、肝臓での胆汁酸の分泌量を増加させる作用があり(Tanaka K, Sakai T, Ikeda I, Imaizumi K, Sugano M. Effects of dietary shrimp, squid and octopus on serum and liver lipid levels in mice. Biosci Biotechnol Biochem. 1998 Jul;62(7):1369-75. doi: 10.1271/bbb.62.1369. PMID: 9720219.)、以下の効果が得られます。
- 血液中のコレステロール・中性脂肪の減少
- 高血圧の抑制
- 解毒強化
- 疲労回復
- 視力回復・眼病予防
タウリンと聞くと「リポビタンD」が想起され夏バテ予防・疲労回復などがよく取り上げられますが、それ以外の効果にも注目してみてください。
タコの栄養・効能を逃さない効果的な料理法
タコの栄養・効能を逃さないため、以下の効果的な料理法をおすすめします。
基本的に、スーパーなどで販売されているのは、茹でた状態のものが多いため、茹でてあることは前提で進めます。
あくまでも、栄養を活かすためであって、美味しさを追求する場合の料理方法とは異なることをご承知ください。
【タコの栄養・効能を逃さない効果的な料理法】
- 刺身で食べる
- 珍味(タコの卵・タコスミ)を食べてみる
- サラダと一緒に食べる
- 油と一緒に食べる
①刺身で食べる
タコに含まれるタウリン・ビタミンB群は水溶性で熱に弱いので、生食用のタコなら刺身として食べることをおすすめします。
下茹でされる過程で栄養を欠損しているので、できる限り栄養の損失は抑えたいです。
購入後は、ペーパータオルで水気を拭き取り、ラップに包んで冷蔵庫のチルド室で保存しましょう。
②珍味(タコの卵・タコスミ)を食べてみる
食べる機会は滅多にありませんが、タコの珍味として「タコの卵(タコマンマ)」「タコスミ」があります。
タコの卵は、細長い粒状なので米粒に見立て「タコマンマ」と呼ばれ、プチッと弾ける食感と濃厚な味が楽しめます。
イカスミは非常に馴染み深いと思いますが、墨袋がないため量が確保できない「タコスミ」はほとんど食べるられていません。
ですが、イカスミに比べてタコスミの方がアミノ酸を多く非常に濃厚です。
ぜひこれらを食べる機会がありましたら、栄養豊富ですので食べてみてください。
③サラダと一緒に食べる
タコに含まれる亜鉛は、体内での吸収率が低く、食品から摂取できる量は30%程度と言われています。
そのため、亜鉛の吸収を促進するビタミンCを含む食材と一緒に食べるようにしましょう。
ビタミンCを多く含む野菜と組み合わせるとよく、ピーマン・ブロッコリーなどがおすすめです。
④油と一緒に食べる
ビタミンEなどの栄養は脂溶性ですので、油と一緒に料理することで効率よく吸収することが出来ます。
ドレッシングをかけて食べるときは、ノンオイルよりも油分が多いドレッシングが好ましいです。
加熱調理するときは、タコの唐揚げなどがおすすめです。
まとめ
タコの栄養・効能を逃さない効果的な料理法についてまとめました。
魚介類を調理するのは少し手間もかかってしまいますので、気軽に宅配でも魚介類を頂ける時代になりましたので、ぜひご活用ください。
農家による経験・知恵によるところもありますが、栄養をしっかり摂るためには正しい情報・データも必要なため、書籍・論文などの文献で勉強しました。
栄養について勉強をした際に使用した書籍をまとめましたので、興味がありましたらご参照ください。