食材の栄養素は料理の仕方次第で大きく変化します。
栄養を大きく損なう調理をしてしまうと、食材の栄養素を活かすことができません。
逆にちょっとした工夫・要点を知るだけで、効率的に栄養を活かすことが可能です。
今回は「ニンジン」のすごい栄養・効能を逃さない効果的な料理法をまとめます。
ニンジンのすごい栄養・効能

【にんじんの注目成分】
- βカロテン:8600μg
- カリウム:300mg
- 食物繊維:2.8g(水溶性0.7g・不溶性2.1g)
【西洋にんじん 可食部100gあたり成分 七訂日本食品標準成分表より】
ニンジン(人参)には、抗酸化作用があるβ-カロテンが豊富に含まれています。
カロテンは人参の「キャロット」が由来となるほど、最もβカロテンを摂取することができる野菜の1つです。
βカロテンはビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を健康に保つ効果・体の成長を促進させる効果・ガンを予防・抑制する効果などがあります。
またカリウムも豊富で塩分の取り過ぎによるむくみ対策に役立ち、食物繊維は善玉菌の増殖を促進させて腸内環境を整えるのに役立ちます。
これらの栄養素以外にも注目すべき成分として、「ルテイン」が挙げられます。
ルテイン
ルテインはカロテノイドの1種・天然色素で、ニンジンのルテイン含有量は0.24mg/100gです。
眼の水晶体・網膜の中心部にある黄斑部に多く存在し、目をブルーライトなどの有害な光線から保護する働きがあります。
加齢でルテインが減少するので、ルテインを摂取することで眼病のリスクを下げ、視力の衰えを予防できます。
ルテインの摂取量は6mg/日以上が望ましいとされており、継続的に1日あたり10mgのルテインを摂取することで加齢性眼疾患のリスクを軽減すると報告されています(AREDS2 Research Group; Chew EY, Clemons T, SanGiovanni JP, Danis R, Domalpally A, McBee W, Sperduto R, Ferris FL. The Age-Related Eye Disease Study 2 (AREDS2): study design and baseline characteristics (AREDS2 report number 1). Ophthalmology. 2012 Nov;119(11):2282-9. doi: 10.1016/j.ophtha.2012.05.027. Epub 2012 Jul 26. PMID: 22840421; PMCID: PMC3485447.)。
ニンジンのすごい栄養・効能を逃さない効果的な料理法

ニンジンのすごい栄養・効能を逃さないため、以下の効果的な料理法をおすすめします。
あくまでも、栄養を活かすためであって、美味しさを追求する場合の料理方法とは異なることをご承知ください。
【ニンジンのすごい栄養・効能を逃さない効果的な料理法】
- 皮ごと食べる
- 葉を食べてみる
- 加熱・酢漬けにする
- 乱切り・輪切りにカット
- 油と一緒に食べる
①皮ごと食べる

ニンジンの皮は非常に薄いので、出荷前の洗浄で剥けてしまいます。
購入時についている「皮」だと思っているものは「内鞘細胞」というもので可食部です。
この内鞘細胞には豊富にβカロテン・ポリフェノールが含まれていますので、皮ごと食べることをおすすめします。
白い筋は細根が出てくるところで縦一列に並んでいると、土が良質で快適に生育できた証拠ですので、目利きにもつかいましょう。
②葉を食べてみる

ニンジンの葉は、βカロテンが根の部分より少ないのですが、ビタミンCは22mg(根の約4倍)鉄は0.9mg(根の約5倍)と豊富です。
間引きされたニンジンの葉・水耕栽培されたニンジンの葉などが利用されます。
おひたし・和え物・サラダで食べると食べやすいです。
うさぎなどの小動物用エサとして人気ですが、ぜひ人間も食べてみてください。
③加熱・酢漬けにする

ニンジンには、ビタミンCを酸化させる厄介な酵素である「アスコルビナーゼ」が含まれています。
加熱調理することで不活性化するのですが、長期保存する際は困ってしまうのです。
そこで、酢・レモン汁にもアスコルビナーゼの働きを抑える効果があるので、酢漬けにしたピクルスだと長期保存できます。
すりおろすこととアスコルビナーゼの働きが活発になるため、ジュース・スムージーにするときは注意しましょう。
④乱切り・輪切りにカット

ニンジンは皮側に多く栄養があり、中心の芯には食物繊維ばかりで栄養が少ないです。
そのため千切りや細切りにカットすると、取り分け方によっては栄養が少ない部分ばっかり食べてしまうこともあります。
中心部と皮側をしっかり食べられるように、乱切り・輪切りにしてすることをおすすめします。
⑤油と一緒に食べる

βカロテンは脂溶性ですので、油と一緒に料理することで効率よく体内に吸収できます。
ドレッシングをかけて食べるときは、ノンオイルよりも油分が多いドレッシングが好ましいです。
「にんじんしりしり」「にんじんきんぴら」など、油を使った効果的な調理レシピをおすすめします。
まとめ

ニンジンのすごい栄養・効能を逃さない効果的な料理法についてまとめました。
栄養を生かす調理の方法に併せて、品質の良い食材を手に入れることも重要です。
残念なことに品質の良い食材を買ってみようと思っても、近所のスーパーの品揃えがない・価格高いなどの問題にあたってしまいます。
そこで、旬で良質な野菜を手軽に安く手に入れる方法として、『野菜の宅配定期便』を紹介させて頂いておりますので、ぜひご覧ください。
農家による経験・知恵によるところもありますが、栄養をしっかり摂るためには正しい情報・データも必要なため、書籍・論文などの文献で勉強しました。
栄養について勉強をした際に使用した書籍をまとめましたので、興味がありましたらご参照ください。
