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軟弱地盤対策工法における「固結工法」の方法・特徴について

軟弱地盤対策工法における 固結工法の方法・特徴について
記事内に商品プロモーションを含みます。

軟弱地盤対策工法として、

  • 表層処理工法
  • 緩速載荷工法
  • 抑え盛土工法
  • 置換工法
  • 軽量盛土工法
  • 載荷重工法
  • 振動締固め工法
  • サンドコンパクションパイル工法
  • バーチカルドレーン工法
  • 固結工法

が挙げられます。

今回はこの中でも、固結工法についてまとめます。

固結工法の方法・特徴について

固結工法

固結工法は、セメント・生石灰等の固化材による化学的固結作用・人工的な凍結作用を用いて、軟弱地盤を固結させて支持力の増大・変形の抑制・液状化防止を図る工法です。

固結工法は、以下の4つの工法を挙げられます。

【固結工法の手法】

  • 石灰パイル工法:生石灰を杭状に打設する方法
  • 深礎混合処理工法:石灰・セメントなどの土質改良材を強制攪拌する方法
  • 薬液注入工法:薬液を地盤に圧入する方法
  • 地盤凍結工法:地下水を含む土を凍らせる方法

石炭パイル工法

コンパクションパイル工法

石炭パイル工法は、軟弱地盤中に生石灰を杭状に打設して柱を造り、生石灰が水と反応して消石灰になることを利用して、「地盤の圧密・沈下減少」を図る工法です。

通常のコンパクションパイル工法は、サンドコンパクションと呼ばれる砂を用いて振動・衝撃による圧密を図りますが、石灰を利用することで化学的反応を用いて効率的に実施することができます。

反応に時間を有するので、砂よりも圧密に時間を要する点では不利になります。

しかし、場合によっては砂よりもフライアッシュ・クリンカアッシュなどの方が施工単価が安くなり経済的になることがあります。

深礎混合処理工法

深礎混合処理工法

「建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針」日本建築センター発行より引用

深礎混合処理工法は、石灰・セメントなどの土質改良材を粉体か、土などと混ぜてスラリー状を、原位置で強制攪拌して、地盤中に安定処理土による円柱を作り、「地盤の圧密・沈下減少」を図る工法です。

CDM工法・柱状地盤改良工法・機械攪拌工法とも呼ばれ、強制攪拌することで反応を促進させるので、短時間で強度を得ることができます。

施工方法として、原則としてラップ配置で行うが、やむを得ず非ラップ配置に設置する場合には地震時の水平支持力に考慮が必要です。

攪拌によって地盤に変位が生じる可能性があるので、変位抑制対策を合わせて実施する必要があります。

薬液注入工法

薬液注入工法

薬液注入工法は、地中に設置した注入管を通して薬液を地盤に圧入することで、「地盤の浸水性減少・地盤の強度増加」を図るための工法です。

薬液として水ガラス系が主に使われ、使われる構造物・地盤によって注入材料を合わせていき、サンドゲルの形成により、地盤の補強のみならず湧水防止にできます。

大規模な施工設備が必要とならないので、低騒音・低振動で狭い場所での施工が可能です。

薬剤による水質汚濁が起きないように監視しなくてはいけない点・細粒分含有率が30%を超えると施工できない可能性がある点に注意が必要です。

大まかに以下のような施工方法が挙げられます。

  • 二重菅ストレーナ工法:短いゲルタイムで固結させるのが単相式、長いゲルタイムで固結させる複相式があります。
  • ダブルパッカ工法:低い注入圧力で高い注入効果が得られる。
  • スリーブ注入工法:二重管とダブルパッカの両方を用いる。
  • 浸透固化処理工法:ダブルパッカー工法で特殊シリカを用いる。

地盤凍結工法

地盤凍結工法は、地下水を含む土を凍らせることにより地盤を固め、止水性・高強度のある凍土壁を造設する仮設工法です。

軟弱地盤・地下水位以下にある透水性地盤を掘削するトンネル工事などの仮設で用いられ、半永久的に地盤改良効果発揮する工法ではありません。

凍結管を埋設して、ブライン(不凍液)を-30℃で循環させ凍土を形成し、仮設終了時には温かいブラインを循環して凍土を融解し元通りの地盤に戻すことができます。

コストは割高ですが、福島第一原子力発電所の凍土遮水壁に適用され注目されました。

まとめ

土木

軟弱地盤対策における固結工法についてまとめました。

他の軟弱地盤工法については、下記記事でまとめていますのでご参照ください。

紹介させて頂いた知識は土木施工管理技士の試験にも出てくるほど重要な知識です。

勉強に使用した書籍をまとめていますので、ご参照ください。