天然記念物 PR

【愛知県あま市】蓮華寺寺叢自然環境保全地域・天然記念物「蓮華寺のカヤノキ」

【愛知県あま市】蓮華寺寺叢自然環境保全地域・天然記念物「蓮華寺のカヤノキ」
記事内に商品プロモーションを含みます。

愛知県あま市は濃尾平野にある都市で、旧美和町地区は蜂須賀正勝や福島正則を始め戦国時代に活躍した武将を多く輩出していることで有名です。

蜂須賀正勝の縁がある「蓮華寺」は、古くから大事に守られてきたため、多くの文化財・自然が残っています。

今回はこの「蓮華寺」についてまとめます。

蓮華寺

蓮華寺 蓮華寺 雰囲気

蓮華寺は真言宗智山派の寺院で、豊臣秀吉の家臣である「蜂須賀小六正勝」とその子家政の菩提寺です。

弘仁9年(818)弘法大師が熱田神宮の信託により創建したと伝わる古刹で、創建の際井戸を掘ったところ清水があふれて池になり白蓮華が出てきたことが寺の名前の由来になります。

そのため蜂須賀弘法として地域の方に親しまれているところです。

真言宗の古刹として文化財も多く、金剛界及び胎蔵界曼荼羅、藤原時代のものと伝わる木造仏頭、法華経紫紙鎌倉版などがあります。

他にも約3haの境内には、県指定天然記念物の「蓮華寺カヤノキ」・県指定名勝の「蓮華寺庭園」・大規模自然林として「蓮華寺寺叢自然環境保全地域」など、貴重なものとして指定されているものが多いです。

蓮華寺庭園

蓮華寺庭園

「蓮華寺庭園」は蓮華寺境内の大師堂西側にある石を使わない庭園です。

昭和40年(1965)に県指定の「名勝」に登録されています。

情報があまりないので、文化財ナビ愛知の文化財の情報を記載します。

海部郡美和町蜂須賀にある新義真言宗・池鈴山蓮華寺境内の北部、大師堂西側に作庭されたもので、石を使わない庭園である。庭のほぼ中央に池を置き、その北、北東、南西に高さ1~3m余の築山5つを配し、池の左右から堀川を導き、北東の川の出口には雅致に富む一枚岩の橋が掛けられている。もと針葉樹や広葉樹の灌木をまばらに植え、西方の養老の山々や伊吹山を遠望できるように作庭された。石組を用いない無技巧の技巧を特色とする点で室町時代以前の築造になると推定される池泉式庭園である。
この庭にはのちの桃山時代に清洲から寄進石24個が入れられ、素朴な情景や遠景の眺望がやや変化するが、前面に石と樹木を配した新たな景観を作っている。全体には築山などの原形をよく残していることから県下には類例の少ない古式の庭園といってよい。

引用:文化財ナビ愛知

蜂須賀小六正勝公碑・蜂須賀城址

蜂須賀小六正勝公碑 蜂須賀小六正勝公碑 看板

蜂須賀小六正勝の旧宅や1haの蜂須賀城があった跡地に、「蜂須賀小六正勝公碑・蜂須賀城址」があります。

蓮華寺に蜂須賀小六正勝の位牌・墓牌が残っており、蜂須賀村の郷土の英雄を顕彰する動きが高まり、昭和2年に顕彰碑が建てられました。

戦国武将の蜂須賀小六は、織田信長に仕官し墨俣城一夜城の構築に尽力し、豊臣秀吉の臣下として播磨竜野城主を承り、高松城の開場・中国大返しで尽力した功績があります。

仁王門

蓮華寺 仁王門

入口の仁王門は蜂須賀家の寄進によるもので寛永20年(1643)に建立されました。

濃尾地震にも耐えており、創建当時から残る貴重な建造物です。

菅安社

蓮華寺 菅安社

菅安社についてまとめてある記事をそのまま引用します。

『蜂須賀村由来記』によれば、弘法大師がこの村に巡錫の節、小字名の菅安の地に至ると、白髪の老人が現れて大師に、ここに一宇を建て仏法を弘めるように告げたので、大師はこれより東に堂宇を建立したのが蓮華寺で、その老人が白山大権現であったから、この地に祀るようになったと書かれている。
昭和29年7月13日、当時の社人山田一男及び当所の花木最海・林文次郞・蜂須賀国武が責任役員となり、現在地に神社を設立して旧地より移したものである。
(美和町史より)

引用;ホトカミ

奥之院

蓮華寺 奥之院

蓮華寺の奥に入ると、蜂須賀山(標高11.8m)の山頂を示す二等三角点と「奥之院」があります。

その横に正勝・家政公の墓地があり、厳かな雰囲気がある場所です。

御嶽神社

蓮華寺 御嶽神社

御嶽神社については特に情報なし。

蓮華寺寺叢自然環境保全地域

蓮華寺寺叢自然環境保全地域 看板 蓮華寺 蜂須賀山

蓮華寺寺叢は、昭和50年に愛知県自然環境保全地域第1号「蓮華寺寺叢自然環境保全地域」として指定されている寺叢です。

寺叢とは、寺院に付帯する樹林・森林で、寺院独自の宗教的空間である仏教庭園・墓地を含みます。

指定面積は特別地区0.324ha、普通地区1.885ha、合計2.209haです。

蓮華寺寺叢は、一宮自然堤防地帯の南端に位置し、標高11.8mある自然堤防の微高地が残っています。

また、開発が進んでいる尾張地方では珍しく、常緑紅葉樹林の自然林が守られており、この地方が開発される以前の本来の自然植生を知るために貴重な自然環境です。

高木はイチイガシ・シラカシ・アカガシ等のカシ類が優占し、亜高木にヤブツバキ・モチノキ・イスノキ・カクレミノ・ヒメユズリハ・サカキ等があり、低木にヤブニッケイ・アオキ・ネズミモチ・ヒサカク・シャシャンボ等があります。

愛知県自然環境保全地域

蓮華寺寺叢自然環境保全地域 石看板

愛知県自然環境保全地域は、「自然環境の保全及び緑化の推進に関する条例」第20条第1項によって愛知県知事が指令するもので、優れた天然林や貴重な動植物の自生地などの貴重な自然環境を有する地域を、私たちの共通の財産として、将来にわたって保全しようとする制度です。

県内13地域、総面積261.08haが指定されています。

指定要件は以下の通りです。

【愛知県自然環境保全地域の指定要件】

  • 優れた天然林(10ha以上)
  • 特異な地形、地質(1ha以上)
  • 自然環境が優れた状況を維持している海岸、湖沼、河川、湿原等(1ha以上)
  • 野生動植物の生息地、自生地で、その区域における自然環境が前記123の区域における自然環境に相当する程度を維持しているもの。(1ha 以上)

保全地域は、生態系維持のため特に保全を図る地区「特別地区」・特定の野生動植物を保護する地域「野生動物保護地区」・保全地域の区域のうち特別地区と野生動物保護地区に含まれない「普通地区」の3つにゾーニングされています。

このゾーニングによって、行為の規制の内容が異なります。

  • 特別地区(許可制):建築物等の新築・改築・増築、宅地の造成等土地の形質の変更、鉱物や土石の採取、木材の伐採
  • 野生動植物保護地区(禁止制):特定の野生動植物の捕獲・殺傷・採取・損傷
  • 普通地区(届出制):一定の規模を超える建築物等の新築・改築・増築、宅地の造成等土地の形質の変更、鉱物や土石の採取、

天然記念物「蓮華寺のカヤノキ」

天然記念物「蓮華寺のカヤノキ」

「蓮華寺のカヤノキ」は、昭和33年に県の天然記念物に指定されている雌樹のカヤノキです。

情報があまりないので、文化財ナビ愛知の文化財の情報を記載します。

蓮華寺の後園にあって、東幹はすでに折れたものと思われその形をとどめないが、地面から3幹が直立し、別に3幹が斜めに立っている。樹齢500年を越えると思われるが、いまなお壮健で、雌樹のため年々多量の種子を結んでいる。

引用:文化財ナビ愛知

蓮華寺へのアクセス

  • 所在地:〒490ー1225 愛知県あま市蜂須賀大寺135
  • 問い合わせ:052-444-1272(蓮華寺)・
  • 公共交通:名古屋鉄道津島線「青塚駅」から徒歩約10分
  • 自動車:名二環「甚目寺北IC」から車で約10分
    ・タクシー:タクシーアプリ「GO」
    ・レンタカー:skyticketレンタカー

蓮華寺の駐車場

蓮華寺 駐車場

10台ほど駐車できる駐車場があります。

まとめ

蓮華寺 説明看板

愛知県あま市にある蓮華寺に付帯する「蓮華寺寺叢自然環境保全地域」・天然記念物「蓮華寺のカヤノキ」を紹介しました。

あま市には、「蓮華寺のカヤノキ」以外にも天然記念物があります。

  • 下萱津のフジ
  • 七宝町の羅漢槙

他の天然記念物もぜひ鑑賞してみてください。