滋賀県は、琵琶湖を中心に豊かな自然が形成され、地域住民によって熱心に保全活動がされています。
そのため遺産等に認定された重要な動植物が多く、自然観察に訪れるには最適な地域です。
国の天然記念物に指定されている「南花沢のハナノキ」を訪れてみましたので、諸元・現地の情報をまとめました。
「南花沢のハナノキ」について



「南花沢のハナノキ」は、賀県東近江市南花沢町八幡神社境内に生息する、1921年(大正10年)に国の天然記念物に指定されたハナノキの巨木です。
約600mほど離れた近傍に、同時に国の天然記念物に指定された「北花沢のハナノキ」があります。
南花沢のハナノキは、樹齢450年以上・樹高21m・樹幹周囲5.2mほどであったが、樹勢が衰えはじめたため東近江市によりハナノキ周辺の土壌改良・支柱を設置など樹勢回復に取り組んでいたが、空洞になっていた主幹が腐朽して2010年(平成22年)8月4日に倒壊してしまった。
残った主幹は八幡神社の境内にて大事に保存されています。

南花沢のハナノキは、花博協会と読売新聞社が選定した新・日本名木100選のひとつに選ばれています。
参考文献:新 日本名木100選
天然記念物とは
引用:文化遺産オンライン
天然記念物は、「動物・植物・地質鉱物で我が国にとって学術上価値の高いもの」のうち、重要なものです。
また、保護すべき天然記念物に富んだ代表的一定の区域ごと指定することもできます。
国指定の天然記念物は「文化財保護法」、各地方自治体指定の天然記念物は「文化財保護条例」に基づいて指定されたものです。
国指定天然記念物の中でも、さらに世界的・国家的に重要なものが、「特別天然記念物」に指定されます。
天然記念物に指定されたものは、文化庁長官の許可・各地方自治体長の許可がなければ、採集・伐採・採掘などができません。
南花沢のハナノキと「聖徳太子」の関係について


聖徳太子が百済寺を建立した際に当地を訪れ、「仏教が繁栄していくなら、この木も栄えて花をつけるであろう」と祈願してこの地区の南北に1本ずつ箸を御供えとして刺したところ、それらが誓いのとおり大きく成長して南北2本のハナノキになったという伝承が残されています。
そのため「南花沢のハナノキ」に併設されている南花沢農村公園には、聖徳太子の像があるのです。
花沢の地名もこの木に由来するほど地域に根ざしており、これら2本のハナノキは霊木神木として崇拝の対象となり、現在でも病気平癒・安産の神として敬われています。
「南花沢のハナノキ」へのアクセス
- 所在地:〒527-0112 滋賀県東近江市南花沢町546
- 公共交通:近江鉄道八日市線 「八日市」から徒歩1時間半、湖国バス「中里」バス停から徒歩約15分
・タクシー:タクシーアプリ「GO」
・レンタカー:skyticketレンタカー
- 自動車:名神高速道路「八日市IC」から車で約10分
- 問い合わせ:東近江市観光協会 TEL0748-29-3920
駐車場

「南花沢のハナノキ」には散策できるように、南花沢農村公園の横に駐車場が用意されています。
広いスペースがあって、駐車するのに困ることはありません。
反対側には、南花沢農業者集会所の駐車場がありますので、そこにも止めることもできます。
まとめ

国指定天然記念物「南花沢のハナノキ」についてまとめました。
興味を持っていただけたら、ぜひ現地にも訪れてみましょう。
また、対になる「北花沢のハナノキ」も近くにありますので、そちらもご覧になってください。