銀杏の主要品種は「藤九郎(とうくろう)」と「久寿(きゅうじゅ)」で、他にも「喜平」「金兵衛」「嶺南」などの品種があります。
久寿のルーツは愛知県祖父江町で、藤九郎のルーツは岐阜県瑞穂市です。
伊吹山から吹きおろす風「伊吹おろし」から神社・屋敷を守る防風林として活用された地域性から広まりました。
防風林としての役割以外に、飢餓の時の非常食として古くからイチョウは重宝されています。
この藤九郎のルーツであり、岐阜県の天然記念物に指定されている西蓮寺「藤九郎ギンナン」を訪れてみましたので、諸元・現地の情報をまとめます。
西蓮寺「藤九郎ギンナン」について
藤九郎は、瑞穂市の井上藤九郎宅に樹齢300年の原木がありましたが、大正元(1912)年の台風で倒伏・枯死したので現存していません。
この原木の正しい系統で最も古く大きい接ぎ木として、西蓮寺境内にある樹齢160年生樹の「藤九郎ギンナン」が岐阜県指定天然記念物になっています。
岐阜県HPにおいて「藤九郎ギンナン」の諸元について以下の通りです。
この木の根元の幹周囲3.0m、目通り幹周囲2.7m、樹高は15mである。地上2.7mのところに4本の藤九郎ギンナンの穂木が接木されている。東の枝の周囲1.8m、長さ8.9m、西の枝の周囲1.6m、長さ3.5m(伊勢湾台風により枝折れ)、北の枝の周囲1.1m、長さ9.4mである。
結果に入るのが遅く10月上旬から銀杏が拾われ、紅葉の時期には「藤九郎ギンナン祭り」が開催されます。
山門下で1袋100円で販売されており、大粒の銀杏は非常に人気です。
西蓮寺公式Facebookで情報を公開していますので、そちらで情報を確認しお買い求めください。
天然記念物とは
引用:文化遺産オンライン
天然記念物は、「動物・植物・地質鉱物で我が国にとって学術上価値の高いもの」のうち、重要なものです。
また、保護すべき天然記念物に富んだ代表的一定の区域ごと指定することもできます。
国指定の天然記念物は「文化財保護法」、各地方自治体指定の天然記念物は「文化財保護条例」に基づいて指定されたものです。
国指定天然記念物の中でも、さらに世界的・国家的に重要なものが、「特別天然記念物」に指定されます。
天然記念物に指定されたものは、文化庁長官の許可・各地方自治体長の許可がなければ、採集・伐採・採掘などができません。
「藤九郎」と他の銀杏との品種差について
藤九郎の穀果、「久寿」より重く大粒で、殻の厚さが薄く表面は滑らかで光沢があり、丸型で揃いが良好で品質が良いです。
通好みのほろ苦さの食味、縮みにくく低温での長期貯蔵が可能な貯蔵性の良さも相まって、食用銀杏の人気種になりました。
晩成型で10月上旬~11月中旬が収穫期です。
他の品種よりも殻が薄く剥きやすいので、「炒り銀杏」が食べ方としておすすめです。
西蓮寺「藤九郎ギンナン」へのアクセス
- 所在地:〒501ー0221 岐阜県瑞穂市只越1172
- 公共交通:JR東海道本線「穂積駅」から徒歩約15分
- 自動車:東海環状自動車道「大野神戸IC」から車で約15分
- 問い合わせ:岐阜県文化伝承課
・TEL:058-272-1111(内線3147,3148)
・FAX:058-278-2824
駐車場
西蓮寺の駐車場が約30台分あるので、広いスペースがあって駐車するのに困ることはありません。
ただ、ここまで行く道が生活道路で非常に狭いので、運転には注意してください。
まとめ
岐阜県指定天然記念物である西蓮寺「藤九郎ギンナン」についてまとめました。
ぜひ収穫期である10月上旬~11月中旬に訪問するのがおすすめです。
藤九郎と並んで人気の「久寿」は愛知県祖父江町で、イチョウ祭りを大々的に行っているので、そちらも行ってみてください。