ハリヨはトゲウオ目トゲウオ科の魚で、岐阜県と滋賀県の湧水のある河川に局所的に分布しています。
個体数が減少傾向にあるため、生息地の多くは重要な保全地です。
岐阜県西濃地域にある保全地の1つとして、国の天然記念物に指定されている「津屋川水系清水池ハリヨ生息地」があります。
しっかりと整備されており、実際に訪問してみてハリヨの観察に適した場所だと感じたので、紹介いたします。
「津屋川水系清水池ハリヨ生息地」について



「津屋川水系清水池ハリヨ生息地」は、平成24年9月19日に国の天然記念物に指定されました。
また、岐阜県希少野生生物保護条例の「指定希少野生生物」「保護区」にも指定されています。


「津屋川水系清水池ハリヨ生息地」の指定対象区域は、岐阜県海津市南西部で養老山地の東山麓に位置する湧水池とそれを源流とする細流であり、指定面積は1,181m2です(参照元:津屋川水系清水池ハリヨ生息地 保存管理計画(案))。
湧水は季節により変化はあるものの約30L/分の湧出水量があり、150mほどの細流によって津屋川に注がれています。
岐阜経済大学・大垣東高校等による調査の結果から、「数100〜2000個体のハリヨが生息している」と判明しました。
雄と雌で性成熟度の高い個体が多い時期に、「ずれ」が生じているため、個体数の増減が周期的に起きていると推察されています。
「南濃町ハリヨを守る会」が池の清掃活動などが継続して行われており、水流阻害や泥の堆積を引き起こすことから外来種のオオフサモの駆除なども積極的に行われています。
天然記念物とは
引用:文化遺産オンライン
天然記念物は、「動物・植物・地質鉱物で我が国にとって学術上価値の高いもの」のうち、重要なものです。
また、保護すべき天然記念物に富んだ代表的一定の区域ごと指定することもできます。
国指定の天然記念物は「文化財保護法」、各地方自治体指定の天然記念物は「文化財保護条例」に基づいて指定されたものです。
国指定天然記念物の中でも、さらに世界的・国家的に重要なものが、「特別天然記念物」に指定されます。
天然記念物に指定されたものは、文化庁長官の許可・各地方自治体長の許可がなければ、採集・伐採・採掘などができません。
「津屋川水系清水池ハリヨ生息地」へのアクセス
- 所在地:〒503ー0401 岐阜県海津市南濃町津屋2067
- 問い合わせ:TEL 0584-53-1374 (海津市商工観光課)
- 公共交通:養老鉄道「美濃津屋駅」から徒歩約5分
・タクシー:タクシーアプリ「GO」
・レンタカー:skyticketレンタカー
- 自動車:東海環状自動車道「養老IC」から車で約10分
駐車場について

津屋川水系清水池ハリヨ生息地の駐車場は、歩いて1分のところに3台分あります。
ですが、路地も狭いので近くの津屋城跡の駐車場を利用することを強くおすすめします。

まとめ

ハリヨの生息地である「津屋川水系清水池ハリヨ生息地」を紹介しました。
「津屋川水系清水池ハリヨ生息地」は、学術的・文化的価値が高く、日本国内でも貴重な自然遺産です。
津屋川周辺は散策できる場所が多く、「北部浄水公園」にはハリヨの生息地もあります。

また、岐阜県西濃地域には、ハリヨの生息地が多くありますから、ぜひ観察しに行ってみてください。
参考ページ:【岐阜県西濃地域】ハリヨが自然観察できる生息地