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ポンプ設備の性能管理における「保全方式」について

ポンプ設備の性能管理における 保全方式について
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ポンプ設備の性能管理とは、ポンプ設備に必要な機能・性能を長期にわたって維持させる行為です。

ポンプ設備の性能レベルを健全度で表し、レベルに応じた対策を検討するため、以下の手順で性能管理がされます。

  1. 日常点検
  2. 機能診断調査
  3. 機能診断評価
  4. 機能保全計画の策定
  5. 機能保全(長寿命化対策)の実施

今回は、これらの保全に関わる保全方式についてまとめます。

ポンプ設備の性能管理における保全の方式について

性能管理の保全方式

引用:農業水利施設の機能保全の手引き「ポンプ場(ポンプ設備)」農林水産省

保全の方式としては、予防保全・事後保全に分けられます。

予防保全(Preventive Maintenance(PM))は、設備の使用中における故障を未然に防止し、設備を使用可能状態に維持するために計画的に行う保全です。

事後保全(Breakdown Maintenance(BM))は、設備が機能低下、もしくは機能停止した後に使用可能状態に回復する保全です。

予防保全とは

予防保全は、

  • 時間計画保全(Time Based Preventive Maintenance(TBM))
  • 状態監視保全(Condition Based Preventive Maintenance(CBM))

に分けられます。

時間計画保全は、予定の時間計画に基づく予防保全の総称で、予定の時間間隔で行う定期保全・設備や機器が予定の累積稼働時間に達したときに行う経時保全に小別されます。

計画的に実施する月・年単位の定期点検と部品交換などの定期整備は、時間計画保全に含まれます。

状態監視保全とは、運転中の設備の状態を計測装置などにより観測し、その観測値に基づいて保全を実施するものです。

常に設備状態の傾向を監視・分析することにより、異常の早期発見・劣化進行の予測を用いて適切な時期に保全を実施できます。

点検・機能診断調査時の測定データによる劣化傾向の把握は、状態監視保全に含めます。

事後保全とは

事後保全は、

  • 通常事後保全(Planned Breakdown Maintenance(PBM))
  • 緊急保全(Emergency Breakdown Maintenance(EBM))

に分けられます。

通常事後保全とは、管理上、予防保全を実施しないと決めた機器・部材や部品等の性能低下に対する処置をするものです。

緊急保全とは、管理上、予防保全を行うと定めた機器・部材や部品等の予測が不可能な突発的故障に対する緊急処置をするものです。

重要度と保全方式

重要度と保全方式

引用:農業水利施設の機能保全の手引き「ポンプ場(ポンプ設備)」農林水産省

ポンプ設備の通常の保全方式は、部品点数が多く構造も複雑であるため、状態監視保全(CBM)・時間保全計画(TBM)で行うことが望ましいとされています。

ただし、設備の重要度に応じて事後保全を適用するなど、保全の合理化を図ることも必要です。

事故が発生しても被害や復旧費用が少なく、予防保全による機能診断調査を行うよりも事後保全の方が明らかに経済的な設備は、機能診断調査の対象外とすることなどを検討されます。

設備機能の維持に対して影響度が大きい機器・部品等については、不具合の発生を極力回避するよう予防保全を適用して設備機能を確実に確保します。

また、影響度の小さい機器・部品等については、事後保全を適用し、壊れるまで使うことで費用対効果を最大限に得ることを考慮しています。

部品に適した保全方式

部品に適した保全方式

引用:農業水利施設の機能保全の手引き「ポンプ場(ポンプ設備)」農林水産省

ポンプ設備の場合は部位の性能低下が設備全体の機能停止につながることが多いため、予防保全が基本である。

しかし、ケーシングの塗装(重要度C)や、グランドパッキンの水漏れ(重要度B)など、他の部位への影響が小さい項目に限って通常事後保全(PBM)とされている。

まとめ

ポンプ設備

ポンプ設備の性能管理における保全方式についてまとめました。

ポンプ設備の「性能管理」全体については、下記の記事でまとめていますのでご参照ください。

紹介させて頂いた知識は土木施工管理技士の試験にも出てくるほど重要な知識です。

勉強に使用した書籍をまとめていますので、ご参照ください。