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【希少水草】インバモの育て方・増やし方

【希少水草】インバモの育て方・増やし方
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生息環境の悪化により、希少な水草が絶滅の危機に瀕しています。

しかし、愛好家が採取・栽培することで域外保全され、広く流通しているものも多くあります。

日本産のポタモゲトンとして人気のある、「インバモ」の育て方・増やし方についてまとめます。

インバモとは

インバモ

インバモ(Potamogeton inbaensis Kadono は、ガシャモクとササバモの自然雑種で、ヒルムシロ科ヒルムシロ属(Potamogeton:ポタモゲトン)の多年草の沈水植物です。

千葉県印旛沼で最初に発見されたので「印旛藻」と名付けられ、琵琶湖・利根川水系の湖沼・福岡県北九州市のお糸池などで生息が確認されていました。

渇水条件下では、陸生茎を伸ばし陸生葉を展開することができます(天野百々江, 大野睦子, 須田隆一, 飯田聡子, 角野康郎, & 小菅桂子. (2008). 北九州市お糸池における自然雑種インバモの起源と現状. 分類8(2), 129-139.)。

葉はレースのような葉脈で、ササバモのように細長く、葉柄はガシャモクのように短くなります。

自然環境の悪化に加えF1交雑種なので実生せずしないので、天然では生息数が減少しています。

しかし、園芸品としてアクアリウム愛好家によって栽培され、流通に多く出回り維持されています。

ガシャモク・ササバモ・インバモの比較

維管束数
配列
葉柄長葉身長/葉身幅
(L/W比)
ガシャモク3~4本
縦列
短い
2.5~7.5mm
幅広く短い
3.4~5.4
インバモ3~10本
両方
中間型
ガシャモク母:8~20mm
ササバモ母:10~28mm
中間型
ガシャモク母:3.2~5.5
ササバモ母:6.5~11.0mm
ササバモ8~10本
環状
長い
16~55mm
細長い
5.7~13.5mm

ガシャモクとササバモは葉柄長・葉身長/葉身幅(L/W)で明確に区別できることが示されています(天野百々江, 大野睦子, 須田隆一, 飯田聡子, 角野康郎, & 小菅桂子. (2008). 北九州市お糸池における自然雑種インバモの起源と現状. 分類8(2), 129-139.)。

インバモの形質は両種の雑種ゆえ中間状態であり、母親がガシャモクかササバモかどちらかで形質が異なります。

一回起源・多回起源

雑種が複数の地点に隔離分布する場合、特定の水域で起源した雑種が何らかの方法で分布が拡大した「一回起源」、各地域で独立して起源した「多回起源」に分けられます(角野康郎, & 飯田聡子. (2021). 日本産ヒルムシロ属の雑種: 研究の現状と課題. 植物地理・分類研究69(1), 67.)。

ヒルムシロ属では雑種が形成されると、栄養によって長年生き延びるが可能です。

インバモの育て方

インバモ アップ

インバモは、沈水性で葉身10cm20cmほどになります。

そのため、水深が確保できる60cm水槽以上の水槽で栽培されることが多いです。

ササバモ譲りで丈夫さがあるので、CO2添加なし・肥料なしで人工光源下で繁茂させることができます。

自然環境下では、冬季になると地下茎の先に殖芽をつけて落葉休眠します。

室内水槽での管理下では越冬させずに常緑のままになりますが、越冬を経験させないと株が弱っていく傾向があります。

インバモの増やし方

インバモ 増殖

花期は7~11月で沈水茎から花茎を伸長させて水面上に花穂をつけますが、ガシャモク・ササバモとは違い正常な花粉は認められず、稔性も確認できません天野百々江, 大野睦子, 須田隆一, 飯田聡子, 角野康郎, & 小菅桂子. (2008). 北九州市お糸池における自然雑種インバモの起源と現状. 分類8(2), 129-139.)。

そのため、栄養繁殖する地下茎(ランナー)を株分け・枝分けして増やす方法しかありません。

水中茎を枝挿し・挿し戻しすることでも増やすことができますが、うまく活着せずに溶けてしまうことの方が多いです。

条件さえ整えば地下茎(ランナー)は非常に活発に伸びていくので、そちらでの増殖を狙いましょう。

まとめ

インバモ 葉身

インバモの育て方・増やし方についてまとめました。

ビオトープではたくさんの水草が使用されています。

実際にビオトープを作成した私がおすすめする水草をまとめていますので、下記から詳細をご参照ください。