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ビオトープに使えるおすすめの「植物・水草」選定法~生育形・越冬・容量・在来種~

ビオトープに使えるおすすめの「植物・水草」選定法~生育形・越冬・容量・在来種~
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庭にビオトープを作ろうと試みたとき、「植物・水草」が多すぎてどれを導入しようか悩んだ経験があります。

導入してみようとホームセンターで手に取ったスイレンが越冬が厳しく諦めるなど、選定にとても難儀しました。

どの植物なら自分のビオトープに最適なのか調べ尽くしましたので、その結果を共有します。

個人的な思想も含みますが、読者の参考になればと幸いです。

ビオトープにおすすめの「植物・水草」選定法

生育形越冬容量在来種
トクサ湿地性
ヒメトクサ
セリ
マコモタケ×
ミズバショウ
シラサギカヤツリ
×
ショウブ
カキツバタ
イグサ
ミソハギ×
ミズキンバイ
ミナミキカシグサ
(ロタラロトンジフォリア)
抽水性
ミズユキノシタ
(ルドウィジア オバリス)
ウチワゼニクサ
(ウォーターマッシュルーム・ウォーターコイン)
ウォーターバコパ
×
ラージパールグラス
×
ハビコリハコベ(グロッソスティグマ)×
ヤナギトラノオ
ナガバオモダカ×
オモダカ
ヘラオモダカ
ウリカワ
デンジソウ
ヒメホタルイ
コナギ
ミズトクサ
ニオイショウブ
マツバイ
(ウォーターグラス)
ヨシ×
ガマ×
コウホネ浮葉性
ヒメコウホネ
ガガブタ
ヒメガガブタ
アサザ
温帯性
スイレン
×
温帯性
ヒメスイレン
×
熱帯性
スイレン
××
マツモ浮遊性
イトタヌキモ
タヌキモ
トチカガミ
アマゾントチカガミ
(アマゾンフロッグピット
××
ホテイアオイ
(ウォーターヒヤシンス)
××
サルビニア ククラータ××
フサモ沈水性
ヒロハノエビモ
シャジクモ
クロモ
セキショウモ×
スブタ
ミズオオバコ××
オオカナダモ
(アナカリス)
××

ビオトープにおすすめの「植物・水草」選定するために、上記の表を作成しました。

楽に管理できることを主軸に、「生育形」「越冬」「容量」「在来種」の4つの観点で仕分けをします。

結果としては以下の8種が「植物・水草」がおすすめとして選定されました。

ビオトープにおすすめの「植物・水草」

  • 湿地性植物:ヒメトクサ
  • 抽水性植物:ミナミキカシグサ(ロタラロトンジフォリア)・ミズユキノシタ(ルドウィジア オバリス)
  • 浮葉性植物:ヒメコウホネ・アサザ
  • 浮遊性植物:マツモ・イトタヌキモ
  • 沈水性植物:フサモ

生育形

水棲植物 生活型 生育形

ビオトープのレイアウトとして、「生育形」を意識しながら植えていくことになります。

水棲植物の生育形は、以下の5タイプに分かれています。

  • 湿地性植物:水辺で自生するが常時水没してなくても生育できる種類
  • 抽水性植物:根・下部は常時水没が必要だが、上部は水上に出る種類
  • 浮葉性植物:根が水底に活着し、水面に葉を浮かばせる種類
  • 浮遊性植物:植物体全部を常時水面を漂い、水面に葉を浮かばせる種類
  • 沈水性植物:植物体全部を常時水没している種類

同じような植物でも、生育形が違うと植える環境が異なります。

例えばトクサ科には、湿地性のトクサ・ヒメトクサ、抽水性のミズトクサがあるのです。

また、マツモなど生育環境に合わせて生育形を変える種も多くいます。

異なる生育形の水棲植物を比較できないので、生育形ごとにビオトープに最適な水棲植物を精査します。

生育形
トクサ湿地性
ヒメトクサ
セリ
マコモタケ
ミズバショウ
シラサギカヤツリ
ショウブ
カキツバタ
イグサ
ミソハギ
ミズキンバイ
ミナミキカシグサ
(ロタラロトンジフォリア)
抽水性
ミズユキノシタ
(ルドウィジア オバリス)
ウチワゼニクサ
(ウォーターマッシュルーム・ウォーターコイン)
ウォーターバコパ
ラージパールグラス
ハビコリハコベ(グロッソスティグマ)
ヤナギトラノオ
ナガバオモダカ
オモダカ
ヘラオモダカ
ウリカワ
デンジソウ
ヒメホタルイ
コナギ
ミズトクサ
ニオイショウブ
マツバイ
(ウォーターグラス)
ヨシ
ガマ
コウホネ浮葉性
ヒメコウホネ
ガガブタ
ヒメガガブタ
アサザ
温帯性
スイレン
温帯性
ヒメスイレン
熱帯性
スイレン
マツモ浮遊性
イトタヌキモ
タヌキモ
トチカガミ
アマゾントチカガミ
(アマゾンフロッグピット
ホテイアオイ
(ウォーターヒヤシンス)
サルビニア ククラータ
フサモ沈水性
ヒロハノエビモ
シャジクモ
クロモ
セキショウモ
スブタ
ミズオオバコ
オオカナダモ
(アナカリス)

越冬

越冬 枯れる 枯死

屋外ビオトープで水草を継続的に育てるには、越冬できる耐寒性がある植物であるかが重要です。

水中が全部凍ってしまうと全滅してしまいますが、表面が軽く凍る程度なら越冬できる植物が多く存在します。

表面上枯れてしまっても水中葉・根茎・種子が残置されておれば、春には新芽が出てくる力強さがあります。

越冬の仕方は、生育形で異なりますが以下の4種類あります。

  • 水上常緑で越冬可能
  • 水上葉落葉・水中葉常緑で越冬可能
  • 水上葉・水中葉落葉で越冬可能
  • 屋外越冬不可能

ここからは完全に個人的な趣味嗜好になりますが、水上葉・水中葉が落葉をするよりも冬も常緑の方が好きです。

メダカなどの防護機能・寂しい冬場の癒やしの存在として、できれば常緑のものを選びたいので、以下の3段階に分類しました。

  • ◎:屋外で水上葉・水中葉が常緑で越冬可能
  • :屋外で落葉するが、種子・根茎が残り越冬可能
  • ×:屋外で越冬不可能

居住状況や防寒対策などの条件によって大きく変わりますが、「1月2月の平均最低気温が0℃程度」「防寒対策しない」という条件で考えています。

同じような種類でも「ヘラオモダカ・オモダカ(○)→ナガバオモダカ(◎)」「熱帯性スイレン(×)→温帯性スイレン(○)」が選択されることになります。

容量

屋内飼育よりも屋外飼育の方が広くスペースを取ることはできますが、それでも限りがあります。

背丈・要求面積が大きい植物は、小さなビオトープには適さず管理が難しいです。

「鉢を小さくする」「日陰で育てる」「頻繁に間引く」など大きくなるのを抑える方法もありますが、できるだけコンパクトな品種をビオトープに用いることを基本にします

  • ◎:平均背丈30cm以下・プラ舟20サイズでもOK
  • ○:平均背丈50cm程度・プラ舟40サイズは必要
  • ×:平均背丈100cm程度・プラ舟80サイズ以上は必要

コンパクトな品種を用いるコツは、小型品種の「ヒメ〇〇」という種類を選ぶことです。

「スイレン→ヒメスイレン」「コウホネ→ヒメコウホネ」「ガガブタ→ヒメガガブタ」などがあります。

在来種

外来種 ホテイアオイ

個人的な感想になりますが、せっかくビオトープを作るなら在来種を活用したいです。

在来種よりも環境対応力があり見栄え・匂いが良い水草もあります。

シラサギカヤツリが可愛くて、外来種ですが導入してしまっています。

意識的に在来種を取り入れようとしないと外来種だらけになってしまうので、積極的に在来種を採用しましょう。

  • ○:在来種
  • △:帰化植物
  • ×:外来種

「オオフサモ」「ブラジルチドメグサ」「ボタンウキクサ」などの緊急対策外来種・特定外来生物、「アマゾントチカガミ」「ウチワゼニクサ」「オオカナダモ」「オオサンショウモ」「キショウブ」「ナガバオモダカ」「ホテイアオイ」などの重点対策外来種は積極的に外していきたいです。

また色鮮で愛好家の多いスイレンも園芸品種が多いので、外してみます。

在来種でも「国内外来種」という考えから、飼育外に流出させないことは大前提ですので気をつけて飼育しましょう。

ビオトープにおすすめの「植物・水草」8選

 

生育形越冬容量在来種
トクサ湿地性
ヒメトクサ
セリ
マコモタケ×
ミズバショウ
シラサギカヤツリ×
ショウブ
カキツバタ
イグサ
ミソハギ×
ミズキンバイ
ミナミキカシグサ
(ロタラロトンジフォリア)
抽水性
ミズユキノシタ
(ルドウィジア オバリス)
ウチワゼニクサ
(ウォーターマッシュルーム・ウォーターコイン)
ウォーターバコパ×
ラージパールグラス×
ハビコリハコベ(グロッソスティグマ)×
ヤナギトラノオ
ナガバオモダカ×
オモダカ
ヘラオモダカ
ウリカワ
デンジソウ
ヒメホタルイ
コナギ
ミズトクサ
ニオイショウブ
マツバイ
(ウォーターグラス)
ヨシ×
ガマ×
コウホネ浮葉性
ヒメコウホネ
ガガブタ
ヒメガガブタ
アサザ
温帯性
スイレン
×
温帯性
ヒメスイレン
×
熱帯性
スイレン
××
マツモ浮遊性
イトタヌキモ
タヌキモ
トチカガミ
アマゾントチカガミ
(アマゾンフロッグピット
××
ホテイアオイ
(ウォーターヒヤシンス)
××
サルビニア ククラータ××
フサモ沈水性
ヒロハノエビモ
シャジクモ
クロモ
セキショウモ×
スブタ
ミズオオバコ××
オオカナダモ
(アナカリス)
××

打ち消し線が入っていないものであれば、ビオトープで使ってみて大丈夫ですが、自身の条件によく合致するものとして以下の8種を選定しました。

  • 湿地性植物:ヒメトクサ
  • 抽水性植物:ミナミキカシグサ(ロタラロトンジフォリア)・ミズユキノシタ(ルドウィジア オバリス)
  • 浮葉性植物:ヒメコウホネ・アサザ
  • 浮遊性植物:マツモ・イトタヌキモ
  • 沈水性植物:フサモ

①ヒメトクサ

ヒメトクサ(姫砥草)は、日本の寒冷湿地に自生するトクサ科トクサ属の湿地性植物です。

トクサは背丈1m程度になるが、ヒメトクサは15cm程度とかなり小ぶりになります。

常緑で冬越しでき、和風な雰囲気が味わえるので人気です。

②ミナミキカシグサ(ロタラロトンジフォリア)

ミナミキカシグサ(ロタラロトンジフォリア)は、九州より西部に自生するミソハギ科キカシグサ属の抽水植物です。

水中葉の新芽は赤身を帯びるので熱帯魚水槽で赤系水草として用いられます。

常緑で冬越しでき、水上葉でピンク色の花を咲かせるので、ビオトープを華やかにしてくれます。

③ミズユキノシタ(ルドウィジア オバリス)

ミズユキノシタ(ルドウィジア オバリス)は、本州・四国・九州に自生するアカバナ科チョウジタデ属の抽水植物です。

水中葉は赤身を帯びるので熱帯魚水槽で赤系水草として用いられます。

常緑で冬越しでき、花びらのない小さな白い花をつけます。

④ヒメコウホネ

ヒメコウホネ(姫河骨)は、中部以西〜九州、特に愛知・岐阜・三重に多く自生するスイレン科コウホネ属の浮葉性植物です。

長卵形の葉は、コウホネの直径30cmよりも小さく、直径15cmほどになります。

冬季は地上部が枯れる休眠状態になるが、春になると元気に芽吹きます。

黄金色の花が特徴的です。

⑤アサザ

アサザは、本州から九州まで広く自生するミツガシワ科アサザ属の浮葉性植物です。

冬季は地上部が枯れる休眠状態になるが、春になると元気に芽吹きます。

3cm程度の黄色いフリル状の花が人気です。

⑥マツモ

マツモは、日本各地に自生するマツモ科マツモ属の浮遊性植物です。

熱帯魚・メダカ・金魚の飼育で広く用いられ、日本を代表する水草になります。

冬季も常緑で越冬できるほど丈夫で、非常に生育旺盛で初心者におすすめです。

⑦イトタヌキモ

イトタヌキモは、中部以西に自生するタヌキモ科タヌキモ属の浮遊性植物です。

捕虫嚢をもつ食虫植物だが、 捕虫できなくても茎の葉緑素だけでも成長できます。

タヌキモよりも細く、冬季も常緑で越冬でき、黄色い花をつけます。

⑧フサモ

フサモは、日本各地に自生するアリノトウグサ科フサモ属の沈水性植物です。

マツモに似ていますが、フサモは根茎を底床に根付かせなければなりません。

冬季も常緑で越冬できます。

まとめ

ビオトープ 水草

ビオトープに使えるおすすめの「植物・水草」を調べた結果をまとめました。

勉強不足でまだ調べきれていないものもありますので、随時更新していきます。

ビオトープ作成の役に立つコンテンツになっていれば幸いです。