屋外にビオトープを作ると、夏場の暑さ対策が必要になります。
暑さで「過蒸発で水質悪化」「溶存酸素量減少」「メダカなどの生体が弱る・死滅する」などの問題が発生してしまいます。
実際に私が管理しているビオトープでも実施していることばかりですので、私のビオトープについても興味があればご参照いただければ幸いです。
特に容量の小さなビオトープでは、40℃以上の高水温になりやすいので対策が必須です。
屋外ビオトープでメダカ・水草への可能な暑さ対策を5つ紹介します。
【屋外ビオトープ】夏場のメダカ・水草暑さ対策
- 日除けを行う
- 涼しい場所に置く
- 飼育容器の材質・色・水量を工夫する
- 足し水・水替えの頻度を上げる
- 冷却ファンなどの冷却グッズを利用する
①日除けを行う
夏場の強烈な日差しを遮るため、日除けを行うのは夏場の暑さ対策の定番です。
ただ、ビオトープに入っているメダカ・水草などの生体育成にはある一定程度の日射量が必要なので、完全に遮光するのはよくありません。
そこで、「すだれ」「水草」など日差しの一部だけを遮る方法がおすすめです。
すだれ
すだれは、竹や木の細長い帯状の素材を編んで作られており、日差しの一部を遮ることができます。
隙間があるので、日光の一部が入るだけでなく、風通しが良いのも利点です。
冬場は凍結対策としても活用でき、1年中活躍することができます。
私のビオトープでも年中利用しており、長いものはホームセンターで、短いものならダイソー・セリアなどの100均で購入しました。
新品のすだれには燻煙剤が付着していることがあるので、しっかり洗浄してから使用する点には注意してください。
安価で耐久性もあり、夏場の暑さ対策以外にも雨風対策などで使える優れたアイテムです。
水草
ビオトープの水草を工夫することで、暑さ対策をすることが可能です。
浮葉性植物・浮遊性植物で水面に植物を繁茂させることで、飼育水への直射日光を軽減できます。
背の高い湿地性植物・抽水性植物を西側に植えることで、西日を遮ることができます。
仕事が進まなくてもイライラしない。
なぜって、僕の家にはビオトープがあるからさ♪
ささっと諦めて、庭に出よう!#湿地帯ビオトープ pic.twitter.com/C63D93t7Pq
— おいも屋 (@nougyou_doboku) May 30, 2024
日差しを有効利用しながら一部をビオトープ内に届かせ、水質向上もできるのでとてもおすすめです。
水草の選び方については、別でまとめていますのでご参照ください。
②涼しい場所に置く
新規でビオトープを作成する際は、夏場のことを考えて涼しい場所で作成しましょう。
「午前は日に当たり、午後からは日陰になる場所」が最適です。
「棚田式ビオトープ」の足し水の風景
上流に水入れればあとは自動だし、水が落ちる音が好き😍(近場で工事中)#湿地帯ビオトープ pic.twitter.com/U10LmXW5Kn
— おいも屋 (@nougyou_doboku) May 18, 2024
私のビオトープは西日側はブロック塀があるので、非常に高温対策になっています。
軒下・カーポートに移動させてしまえば雨水もシャットダウンでき、オーバーフロー対策にもなります。
小さい容器でビオトープを作っている場合は、夏の間だけ日陰に移動させるのも良い手段です。
キャスター付き平台車に乗せて置けば、簡単に移動させることもできます。
また、「風通しが良い場所」であるのも重要です。
蒸発を促し気化熱でビオトープ内の温度を下げる以外にも、植物が蒸れ防止・酸欠リスク低減などの効果もあります。
「芝生の上に置く」「レンガで底上げ」「棚を組んで上に置く」など、地面からの輻射熱も軽減できればしたいところです。
③飼育容器の材質・色・水量を工夫する
飼育容器の材質・色・水量を工夫して、暑さを軽減できる方法があります。
屋外飼育での水温変化を抑える断熱効果に優れた発泡スチロールを飼育容器に用いることがあります。
発泡スチロール箱を直接飼育容器にする方もいますが、製品化されたものもおすすめです。
外気温の影響を緩和する一方、熱がこもり水温が下がりにくいというデメリットには注意しましょう。
飼育容器の色は、黒以外の白・青などの容器を使いましょう。
外気温28.8℃で約15.5Lの同じ容器でも、白容器の水温は27.1℃に対して黒容器は29.4℃と違いがあります。
ただ、黒色は改良メダカの色が締まるとかメリットもあるので、メダカを飼育する場合は注意が必要です。
その場合は、白・青の容器の内側のみを水性塗料でコーティングすることで、両立することができます。
飼育容器の容量を大きくすると水温の変化が穏やかになりますので、大きさが変更できないか検討しましょう。
同じ白容器でも、約15.5L容器の水温は27.1℃に対して、約8L容器では29.0℃と違いがあります。
④足し水・水替えの頻度を上げる
日射量が多くなると蒸発してビオトープ内の水が減るので、足し水をしましょう。
水の量が少ないと水温の変化が急になりやすく、溶存酸素量も減りやすいです。
自動給水してくれるグッズもありますので、活用すると時短になるので良いでしょう。
また、こまめな水換えも、水温を下げつつ、酸欠・水質悪化を改善することができます。
ただ、水温を急激に下げようと思って冷水を入れるのは、中の生体に悪影響なのでやめましょう。
⑤冷却ファンなどの冷却グッズを利用する
軒下・カーポート・屋根など雨水が入り込まない場所なら、電子機器が使えます。
屋外での使用が禁止されているものが多いので、屋外用商品を買いましょう。
アクアリウムをやっている方なら、室内の高水温対策の定番は「冷却ファン」です。
水面の水を蒸発させる気化熱で水温を下げられるので、通気性が悪い場所では効果があります。
まとめ
【屋外ビオトープ】夏場のメダカ・水草暑さ対策
- 日除けを行う
- 涼しい場所に置く
- 飼育容器の材質・色・水量を工夫する
- 足し水・水替えの頻度を上げる
- 冷却ファンなどの冷却グッズを利用する
屋外ビオトープで可能な暑さ対策を5つ紹介しました。
住んでる場所によりますが、地球温暖化のせいで夏場の暑さが酷くなっているので、暑さ対策が必須になっています。
デジタル水温計で最高温度など気軽に測定・記録ができるますので、ビオトープがどれだけ暑かったのか、対策で効果があるのか計測してみてください。