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【ビオトープ水草】ミズキンバイの育て方・増やし方

【ビオトープ水草】ミズキンバイの育て方・増やし方
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コロナの外出自粛の影響から、メダカ飼育が1つのブームになり、庭でビオトープを楽しむ方が増えました。

時期になるとホームセンターでビオトープの専用コーナーが設けられるほどです。

しかし、生育形の違い・耐寒性など水草の特性が分からない種類も多くあります。

ビオトープで使われる水草の生態を把握するため、今回は「ミズキンバイ」の育て方・増やし方についてまとめます。

ミズキンバイとは

ミズキンバイ(水金梅)は、高山植物の「キンバイソウ」に似ている黄色い一日花を咲かせる、多年生の抽水性植物です。

学名はLudwigia stipulaceaで、アカバナ科チョウジタデ属に分類されます。

千葉県・神奈川県・高知県・宮崎県の4県で生息が確認され、環境省絶滅危惧Ⅱ類(VU)の指定種です。

草丈は50cmほどですが、浮遊植物のように葉を浮かべ水面を覆うように面的に繁茂します。

互生し鋸歯はなく撥水性・光沢のある葉で、茎葉は無毛です。

水中・泥中に根茎を伸ばし、節から植物体の固定のために不定根以外に、ガス交換のために白い呼吸根を出すのが特徴です。

ミズキンバイに似ている植物との違い

学名和名・通名特徴
Ludwigia stipulaceaミズキンバイ・基本5弁花
・花の大きさ2.5cm
・葉・地上茎無毛
Ludwigia grandifloraオオバナミズキンバイ・特定外来種
・基本5弁花
・花の大きさ4cm
・葉・地上茎有毛
Ludwigia decurrensアメリカミズキンバイ
(ヒレタゴボウ)
・水田の雑草として定着
・帰化種
・基本4弁花

ミズキンバイに似ている種として、「オオバナミズキンバイ」「アメリカミズキンバイ」があります。

オオバナミズキンバイは特定外来生物で栽培禁止になっており、琵琶湖での異常繁茂が問題になっており(参照:農水省HP)、ミズキンバイとは、花の大きさ・毛の有無で見分けができます。

アメリカミズキンバイは、水田の雑草として定着しており、湿地性植物で同じように黄色い花を咲かせ、4弁花なので見分けが容易です。

詳細な同定については、環境省「特定外来生物 同定マニュアル」を参考にしてみてください。

ミズキンバイの育て方

ミズキンバイ

ミズキンバイは、ストレスが小さく撹乱の大きい生育場所に適応した撹乱依存戦略をとる「撹乱依存種」です。

特に、人為撹乱が定期的に行われる農的な土地利用空間が重要であることが示されています(大澤啓志, 徳丸沙織, & 勝野武彦. (2003). ミズキンバイの国内生育分布および開放止水域における生育状況. 日本緑化工学会誌29(1), 3-8.)。

全国の湿地・水田・河川などが整備され撹乱が抑えられてしまったことが、本種が絶滅のおそれがある原因になっています。

この特徴を意識して、栽培環境を整えましょう。

  • 日向で育てる:日照要求度が高い
  • 単品飼育:他種の影で弱くなる
  • 広めな栽培スペースの確保:オープンスペースに伸びていく
  • 撹乱を起こす:定期的な間引き・植え替え

草丈の高い植物の侵入によりミズキンバイの群落は減少することが示されているので(大澤啓志, 勝野武彦, & 片野準也. (2001). 都市河川に生育するミズキンバイの生態的特徴. 日本緑化工学会誌26(3), 188-197.)、特に日照については注意してください。

日本の自然環境下で生息しているので、寒冷地以外は屋外で越冬可能です。

地上部は枯れますが、春になると芽を出します。

ミズキンバイの増やし方

ミズキンバイ 根本

撹乱地にいち早く侵入できるように、非常に繁殖力は高いです。

挿し木・挿し穂で簡単に増やすことができ、2~4日で活着するほどすぐ根を出します。

増えすぎるほどなので、栽培スペース確保に気をつけましょう。

まとめ

ミズキンバイの育て方・増やし方についてまとめました。

ビオトープではたくさんの水草が使用されています。

実際にビオトープを作成した私がおすすめする水草をまとめていますので、下記から詳細をご参照ください。