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【ビオトープ水草】ヒメガガブタ(ヒメチドリ)の飼育方法

【ビオトープ水草】ヒメガガブタ(ヒメチドリ)の飼育方法
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コロナの外出自粛の影響から、メダカ飼育が1つのブームになり、庭でビオトープを楽しむ方が増えました。

時期になるとホームセンターでビオトープの専用コーナーが設けられるほどです。

しかし、生育形の違い・耐寒性など水草の特性が分からない種類も多くあります。

ビオトープで使われる水草の生態を把握するため、今回は「ヒメガガブタ(ヒメチドリ)」の飼育方法についてまとめます。

ヒメガガブタ(ヒメチドリ)とは

ヒメガガブタ(ヒメチドリ)

ヒメガガブタ(姫鏡蓋)は、底床に根を張り、水面に花弁5・6枚で白色の花を咲かせる浮葉植物です。

熱帯ガガブタ(植物耐寒性ゾーン8~13:出典texasinvasives) なので寒さには弱いため、温暖な地域でも日本では屋外越冬に失敗する場合が多くなります。

学名はNymphoides cristataで、ミツガシワ科(Menyanthaceae)アサザ属に分類され、海外ではCrested Floating Heartと呼ばれています。

アジア(インド・スリランカ・中国・台湾)が自生地になっています(Kathleen Craddock Burks. “Nymphoides Cristata (Roxb.) Kuntze, a Recent Adventive Expanding as a Pest Plant in Florida.” Castanea 67, no. 2 (2002): 206–11.)。

角野康郎「日本水草図鑑」(1994年、文一総合出版)・平凡社刊「日本の野生植物」・
文一総合出版刊「日本水草図鑑」には沖縄に自生する旨記載されていますが、実際のところ不明です。

園芸品種としてアメリカに侵入し、米国南東部全域で分布が拡大しているので、「Florida Noxious Weed List」などで有害指定を受けるなど侵略的外来種の扱いを受けています。

日本では記述があまりないので、野生化して問題になっている事例は確認できませんでした(※だからといって、容易に野外に放出しないでください)。

ヒメガガブタとガガブタの違い

ヒメガガブタ ガガブタ

パッと見ではガガブタに似ているのでヒメガガブタと呼ばれているのですが、ガガブタと大きく異なる特徴が3つあります。

1つ目は「花冠裂片」で、ガガブタは有毛でレース状になるが、ヒメガガブタは無毛でフリル状になります。

2つ目は「葉の大きさ」で、ガガブタは最大直径20cmくらいになりますが、ヒメガガブタは「姫」とついているように最大直径8cm程度と小ぶりです。

3つ目は「耐寒性」で、ガガブタは日本に自生できるほど強い耐寒性がありますが、ヒメガガブタは上記で示した通りの弱い耐寒性しかありません。

ヒメガガブタとガガブタの違いについて、表にまとめてみました。

ヒメガガブタガガブタ
花冠裂片有毛無毛
葉の最大直径約8cm約20cm
耐寒性弱い強い

ヒメガガブタ(ヒメチドリ)の育て方

ヒメガガブタ(ヒメチドリ) メダカ

ヒメガガブタは、小型の浮葉植物なので、水深は10cmあれば十分です。

日光が足らなくなると花が咲かなくなるので、日あたりの良いところで育てましょう。

成長力・繁殖力も旺盛で温帯性で高温には強いので、春~秋は「水に浮かべておけば勝手に育っている」と感じました。

根が活着すると、栄養繁殖が活発になり、株がどんどん増えていく印象です。

ハムシ・ショウリョウバッタなどの食害にあいますが、成長速度のほうが遥かに速いので放っておきましょう。

さすがに数年放置すると株が弱ってくるので、1〜2年に一度植え替えをします。

ヒメガガブタは耐寒性が弱いので、冬越しする際だけ注意が必要です。

「植物耐寒性ゾーン8~13」を無事クリアできるか微妙なラインで、氷点下が3日以上続くところは厳しい印象です。

耐寒性ゾーンは屋根のない露地環境で冬越しできるかどうかの目安ですので、比較的温暖なところは保温対策・室内越冬などの冬越し対策をしましょう。

ヒメガガブタ(ヒメチドリ)の増やし方

ヒメガガブタ(ヒメチドリ)の増やし方

ヒメガガブタは、葉から不定根のような殖芽を出すので、「ちぎり葉」で簡単に増やすことができます。

株分でも増やすことができますが、葉で増やす方が楽なのでそちらがおすすめです。

野外越冬に失敗した場合に備えて、室内水槽で数個体飼育するようにしています。

また、株分けでも増やすことができるので、春~初夏の成長段階で根張りが多すぎるときは株分けをしてみましょう。

まとめ

ヒメガガブタ(ヒメチドリ)の増やし方

ヒメガガブタ(ヒメチドリ)の飼育方法についてまとめました。

ビオトープではたくさんの水草が使用されています。

実際にビオトープを作成した私がおすすめする水草をまとめていますので、下記から詳細をご参照ください。