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【ビオトープ水草】アサザ(浅沙)の育て方・増やし方

【ビオトープ水草】アサザ(浅沙)の育て方・増やし方
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コロナの外出自粛の影響から、メダカ飼育が1つのブームになり、庭でビオトープを楽しむ方が増えました。

時期になるとホームセンターでビオトープの専用コーナーが設けられるほどです。

しかし、生育形の違い・耐寒性など水草の特性が分からない種類も多くあります。

ビオトープで使われる水草の生態を把握するため、今回は「アサザ(浅沙)」の飼育方法についてまとめます。

アサザ(浅沙)とは

アサザ(浅沙) 花

アサザ(浅沙)は、湖沼・ため池などの浅い水辺に生息する、ミツガシワ科アサザ属の多年草の浮葉性植物です。

学名はNymphoides peltataで、ハナジュンサイ(花蓴菜)とも呼ばれるように若葉は食用となります。

本州・四国・九州で自生している在来種で耐寒性が強く、屋外で根茎・種子の状態で越冬可能です。

開花期間は5~10月と長く、快晴時に花弁5枚でフリル状の黄色い一日花を日の出とともに開花し、午後に閉じます。

花言葉は「信頼」「しとやかな」「平静」です。

葉の最大直径10cm程度と小さく、低い鈍鋸歯があって葉縁が波状になり、基部は切れ込みが入ります。

アサザの希少性

アサザ(浅沙)

アサザは、環境省準絶滅危惧(NT)に指定されている希少な水草です。

種子繁殖とクローン成長の2つの繁殖形態を持ち、種子繁殖は「異型花柱性」という長花柱花・短花柱花の異なる花型間でのみ正常に作用します。

そのため、クローン成長での個体数増加が著しいため、日本にわずか61の遺伝子型しか残存しません(参照:上杉龍士, 西廣淳, and 鷲谷いづみ. “日本における絶滅危惧水生植物アサザの個体群の現状と遺伝的多様性.” 保全生態学研究 14.1 (2009): 13-24.)。

そのうち20個体が霞ヶ浦水系に生育しているため、認定NPO法人アサザ基金が発足され、里親制度・定植活動がされていました。

霞ヶ浦を首都圏の水瓶にする計画が進められ、水位操作で冬は水位が30cmほどあがり、夏は出水で急激に水位が下がるなどの影響で、特定の水位に適応した生活史を持っているアサザが大きな影響を受けました。

そのため、2018年には霞ヶ浦における群生が確認できなくなったとして、現地のNPOが自生のアサザの消滅を宣言しました(参照:NEWSつくば「最後のアサザ群落が消滅 霞ケ浦 日本最大の生育地)。

個体数は豊富で園芸種として流通していますが、遺伝的多様性が非常に乏しいのでなにかの拍子に絶滅してしまう可能性があります。

アサザと似ている浮葉性植物との違い

水草の種類花弁の色殖芽
アサザ波型根茎
ガガブタ全縁クラゲ状
ヒメシロアサザ全縁細長く
小さい
根茎
ヒツジグサ全縁

アサザは、ガガブタ・ヒメシロアサザ・ヒツジグサなどの浮葉性植物近似種と混同されがちです。

花が咲いているときは黄色いフリルの端で一目瞭然ですが、葉縁が波状になるのも特徴的なのでよく見れば判別できます。

コウホネも黄色い花を咲かせますが、葉は長卵形で大きく、花の形状が椀型なので比較的容易に区別がつくでしょう。

アサザの育て方

アサザは、浅いところに群生する小型の浮葉植物なので、水深は10cmあれば十分です。

日光が足らなくなると花が咲かなくなるので、日あたりの良いところで育てましょう。

地中を匍匐する長い地下茎から水中茎が伸び、水中茎の節から伸びる葉・地下茎から直接伸びる葉の2タイプ出ます。

繁殖力旺盛で増えすぎで開放水面がすぐ無くなるので、アサザと一緒に他の生体を飼育する際は注意が必要です。

アサザの増やし方

アサザ(浅沙)  株分け

前述の通り、種子繁殖とクローン成長の2つの繁殖形態を持ちますが、クローンでの繁殖がほとんどです。

クローン成長は、いちごのように走出枝(ランナー)を出して増えていくので、親株から簡単に分離して増やすことができます。

また、株が大きく成長したら株分けすることでも増えます。

株分けは春~初夏の成長段階で根張りが多すぎるときに行うのがおすすめです。

まとめ

アサザ(浅沙)の育て方・増やし方についてまとめました。

ビオトープではたくさんの水草が使用されています。

実際にビオトープを作成した私がおすすめする水草をまとめていますので、下記から詳細をご参照ください。