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田んぼの湛水を排水する「田面排水」の方法について

田んぼの湛水を排水する「田面排水」の方法について
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田んぼの水は、末端用水路から給水され、末端排水路から排水されます。

田んぼの水を上手にコントロールをすることは、稲の生育管理には欠かせません。

今回は、田んぼの湛水を排水する「田面排水」の方法についてまとめます。

「田面排水」について

田んぼ 排水路

田面排水は、水稲の栽培管理・大型農業機械が走行するために必要な地耐力の確保のために、田面湛水を排除することです。

表面排水・地表排水とも呼び、圃場表面に滞留した余剰湛水の排除促進を図ります。

一般的には、田面湛水を1~2日以内に排除できるように、水田整備が実施されます。

田面排水の標準日数

田んぼ

水田内の湛水(田んぼに蓄えられた水)を排出するのに必要な標準日数は、条件によって以下の通りです。

この標準日数を超過してしまうような水はけの悪い農地だと、水稲の栽培管理に不適格な農地条件であるといえます。

【灌漑期】

  • 除草剤・液肥施用時:1~2日以内
  • 湛水直播芽干し時:1日以内
  • 中干し時:2~3日以内
  • 灌漑終了時:3~5日以内
  • 大雨時(10cm以上の湛水):1~2日以内

【非灌漑期】

  • 耕起・砕土作業期:1~3日以内
  • 乾田直播播種作業期:1~2日以内
  • 乾田直播発芽期:1~2日以内
  • 収穫作業期:1~2日以内
  • 裏作・田畑輪換栽培時:1~2日以内
  • 秋耕作業時:3~5日以内

最適な田面排水のための整備条件

田んぼ 落水 溜まり水

田面湛水を1~2日以内に排除できる田面排水を実現するために、以下の条件を最適化する水田整備が行われます。

最適な田面排水のための整備条件として、以下の事項について検討が必要です。

【最適な田面排水のための整備条件】

  • 田面の均平度
  • 区画の長辺
  • 心土層の透水性
  • 江立て(排水小溝の設置)

田面の均平度

田面の均平が悪い場合、「溜まり水」が水田内に多く残置されます。

溜まり水は、地表水として落水口より排除できないので、排水性が大きく低下します。

水田内の凹凸を抑えるためには、水田圃場内の均平度は±3.5cm以内に整備すべきです。

この均一で平らに農地を整える作業のことを「均平整地」と呼び、均平整地については別でまとめていますので参照ください。

区画の長辺

田面の均平度が±3.5cm以内であったとしても、落水口までの距離が大きいと田面排水が悪くなります。

落水口より100m以上離れた場所は、1日以上湛水排除できない傾向です。

そのため、区画の長辺を100m以内に抑えると排水性が向上します。

水田の区画についての詳細は、下記でまとめていますのでご参照ください。

心土層の透水性

田面の均平度・区画の長辺を整えた水田でも、田面の湛水は全て落水口より地表水として排除することは不可能です。

溜まり水を排水するには、土壌浸透によって地下排水する必要があります。

しかし、心土層の透水性が悪い水田では、数日湛水が排水されません。

心土層の透水性が悪い水田の場合、「心土破砕」を実施して、透水性を確保しましょう。

江立て(排水小溝の設置)

中干し期・落水期に排水を促進させるために、小排水路と直角方向に排水小溝を設け、たまり水の残りやすいくぼ地から随時支線を出して落水口につなぐ方法が「江立て」です。

深さ20cm幅40cm程度の溝を、トレンチャなどを用いて10m間隔で設置していきます。

まとめ

田んぼ

田んぼの湛水を排水する「田面排水」の方法についてまとめました。

農業土木について詳しく学べる本について別でまとめてますので、興味があれば参照ください。

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