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水田圃場における畦畔(けいはん)について

水田圃場における畦畔(けいはん)について
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水田には、畦畔・落口など水田ならではの特徴的な構造物があります。

農業土木では、水田を造設するためこれらの構造について理解が必要です。

今回、水田圃場における畦畔についてまとめます。

畦畔とは?

畦畔(けいはん)

畦畔は、道路や水路に囲まれた1枚の田んぼ(農区)を、効率的な作業管理・適切な用排水管理ができるように、小さな田んぼ(耕区)に隔てるために設ける境界線です。

一般的には水田土壌を盛り土で築造されますが、コンクリートブロックなどの「畦畔ブロック」・合成樹脂板などの「畦板」が設置されることもあります。

稲作の栽培条件によって区切られますが、地主や耕作者の境界として用いられる場合もあります。

畦畔は、境界線以外の機能もあります。

  • 湛水維持・区画形成・区画保全などの「生産基盤形成機能」
  • 見回り・防除・除草・施肥のための「足場・通行・休憩場所」
  • 乳牛などの飼料作物を育成するための「畦畔草の栽培場所」

境界を設けるということは、一定程度の止水性を持たせなければなりません。

そのため毎年田んぼに水を張る前には、止水性を向上させるための「畦塗り」が必要です。

また、畦畔の雑草は病虫害の発生源になるので、定期的な草刈りは欠かせません。

畦畔の読み方・呼び方

畦畔の読み方は「けいはん」です。

畦畔以外にも、以下のような多数の呼び方があります。

【畦畔以外の呼び方】

  • 畦(あぜ・うね)
  • 畔(あぜ・くろ・ほとり)
  • 田畝・田圃(でんぽ)
  • 青地
  • 溝畔

畦畔の構造・作り方

畦畔 構造
区画間落差外法形状外法勾配内法勾配畦畔内高畦畔上幅
0.5m未満均一勾配1:1.01:0.5~1.00.3m0.3m
~0.6m
0.5m
~1.5m
均一勾配
法先小段有
1:1.0~1.21:1.00.3m0.3m
~0.6m
1.5m
~4.0m
法先小段有
法面中小段有
1:1.2~1.51:1.00.3m0.6m
4.0m以上画一的な基準なし
安定性・維持管理で現場判断
1:1.00.3m0.6m

畦畔の断面は、法面勾配 1:1・高さ30cm・上幅30cmの台形が標準です。

区画間の落差が大きくなるほど、法面が大きくが大きくなってしまうので、勾配・高さ・上幅の調節が必要です。

また、寒冷地等では「深水かんがい」「凍上崩壊」を考慮して上幅50cm・高さ40cm程度と大きくしたり、機械除草のために法面勾配を1:1.5や1:2.0にしたり、適宜大きさを変更します。

畦畔の設計の注意点

畦畔 傾斜地

畦畔法面の維持管理作業には、「法面の締固め・畦塗・除草」などの作業があります。

特に法面の除草作業は危険かつ重労働であるため、除草に適した畦畔法面形状の形成・畦畔法面を縮小する工夫が必要です。

そのため畦畔は防災上の観点から以下の条件を満たすように設計します。

  • 安全性:すべり破壊を生じないこと・維持管理が安全に行えること
  • 不透水性:漏水防止・軟弱化防止ができること
  • 法面安定性:畦畔法面浸食・表層崩落が防止できること

傾斜地では区画間に大きな段差が形成され、畦畔法面も大きくならないように対策が求められます。

畦畔法面積を縮小するための方法として、以下の3つがあります。

  1. 等高線区画
  2. 水路のライニング化・管水路化
  3. 道路路面高の修正

それでも畦畔法面が大きくなりすぎる場合は、小段を設置して安全性・効率性を高める。

まとめ

畦畔

今回、水田圃場における畦畔についてまとめました。

「のうぎょうとぼく」の中では、農業土木に関する豊富な記事を書いています。

水田を造設すること、農業土木について詳しく学べる本について別でまとめてますので、興味があれば参照ください。

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