種多様性を説明するために、「種の豊かさ(species richness)」「均等度(evenness)」の2つが用いられます。
種の豊かさは群集内に存在する種の数、均等度は群集内に存在する各種間の個体数の等しさのことです。
この種の豊富さと均等度を両方させた種多様性の指標の1つに「多様度指数(diversity-index)」が提案されています。
多様度指数として、よく知られている以下の2つについてまとめます。
多様度指数(diversity-index)
- シャノン指数 (H’)
- シンプソンの多様度指数 (D)
シャノン指数 (H’)
シャノン指数(Shannon-Wiener 指数)は、群集内の種の豊富さと均等度の両方を考慮した指標として、広く使われる多様度指数の1つです。
対数を用いているため、希少種の存在に比較的敏感に反応します。
値は0から理論上の最大値までで、値が大きいほど種の多様性が高いです。
\( H’=-\displaystyle \sum_{i=1}^{S}p_ilnp_i \)
S:群集に含まれる種数
pi:郡内における全個体数に占める種iの個体数の割合
シンプソンの多様度指数 (D)
シンプソンの多様度指数(Simpson の多様度指数)は、ランダムに選んだ2つの個体が異なる種である確率を表す多様度指数です。
サンプルサイズの影響を受けにくく、小さなサンプルサイズでも信頼性の高い結果が得られます。
\( D=1-λ=1-\displaystyle \sum_{i=1}^{S}p_i^2 \)
S:群集に含まれる種数
pi:郡内における全個体数に占める種iの個体数の割合
まとめ
種の豊かさと均等度を反映する種多様性指標「多様度指数」をまとめました。
多様度指数は生態学的研究や環境アセスメントなど、生態系の状態や変化を客観的に評価する上で重要なツールとして活用されています。
しかし、多様性を数値化した結果、サンプリングの影響・分類学的情報の欠如などから単純に比較することはできません。
他の情報と組み合わせて総合的に解釈することが重要で、他の指標についてもしっかり調査・分析をしましょう。