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コンクリート構成材料における「練混ぜ水」について

コンクリート材料に材料に使用する練混ぜ水について
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コンクリートとは、構成材料の「セメント・水・骨材・混和材料」を一体化したものです。

コンクリートの性能に合わせて、材料の種類・材料の配分が決まります。

今回、この構成材料の「練混ぜ水」についてまとめます。

練混ぜ水とは?

コンクリート 練り混ぜ

コンクリートの練混ぜ水は、水和反応・混和剤の効果発現などを起こすために必要不可欠な構成材料です。

練り混ぜ水は、油・酸・塩類・有機物などコンクリート・鋼材に影響を及ぼすものを有害量含んではいけません。

化学反応を引き起こすために用いられるので、どんな水でも良いわけではなく、JISで以下のように規定されています。

【練り混ぜ水に使用できる種類】

  • 上水道水
  • 上水道水以外の水
  • 回収水

コンクリート工場では、「上水道以外の水・回収水」を使用する場合には、年1回以上の品質確認が義務付けられています。

上水道水

上水道水

上水道水の水は、人が飲めるように整備されているため、コンクリートの練混ぜ水として活用することができます。

練混ぜ水の大半はこの上水道水が使われています。

上水道水以外の水

上水道水以外の水

上下水道以外の水として、河川水・地下水・工業用水などの水が該当します。

山間地などで上水道が整備されていない場所での工事施工において、これらの水が使用されることがあります。

どんな水でも使っていいというわけではなく、JISの品質規定を満たしているか検査が必要になります。

【河川水・地下水・工業用水の品質規定】

  • 懸濁物質の量:2g/L以下
  • 溶解性蒸発残留物の量:1g/L以下
  • 塩化物イオン量:200ppm以下
  • セメントの凝結時間の差:始発30分以内・終結60分以内
  • モルタルの圧縮強さの比:材齢7日・材齢28日で90%以上

JISには規定されていませんが、pHは7.0付近であるとコンクリートの耐久性に問題を起こすことが少なくなります。

海水を使うこともできますが、無筋コンクリートだけです。

回収水

回収水

回収水とは、生コン工場で洗浄によって発生する排水から処理してできる「スラッジ水」・「上澄水」のことです

スラッジ水はスラッジ固形分を含む水で、上澄水はセメントから溶出する水酸化カルシウム等を含むアルカリ性の高い水です。

高強度コンクリートの場合には、回収水は使用されません。

回収水も、JISの品質規定を満たしているか検査が必要になり、懸濁物質の量・溶解性蒸発残留物の量を除く3項目が検査対象です。

  • 塩化物イオン量:200ppm以下
  • セメントの凝結時間の差:始発30分以内・終結60分以内
  • モルタルの圧縮強さの比:材齢7日・材齢28日で90%以上

また、回収水の品質以外にも注意しなくてはいけない点があります。

  • スラッジ固形分率1%につき単位水量・単位セメント量をそれぞれ1〜1.5%増
  • 細骨材率はスラッジ固形分1%につき約0.5%減とする
  • スラッジ固形分率は3%を超えてはいけない。

まとめ

コンクリート 施工

コンクリート材料に材料に使用する「練混ぜ水」についてまとめました。

他の構成材料については、下記の記事でまとめていますのでご参照ください。

紹介させて頂いた知識は土木施工管理技士の試験にも出てくるほど重要な知識です。

勉強に使用した書籍をまとめていますので、ご参照ください。