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コンクリート構成材料における「骨材」について

コンクリート材料に材料に使用する 骨材について
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コンクリートとは、構成材料の「セメント・水・骨材・混和材料」を一体化したものです。

コンクリートの性能に合わせて、材料の種類・材料の配分が決まります。

今回、この構成材料の「骨材」について学んだことをまとめます。

骨材とは?

骨材

骨材とは、砂・砂利・砕石のことで、コンクリートを作るときには65~80%を骨材が占めており、欠かせない材料のひとつです。

骨材には活性がないですが、水和熱抑制・温度収縮抑制・コスト低減のために混ぜられます。

コンクリート骨材に求められる条件は以下の通りです。

  • 適度な硬度・強度・密度を有すること
  • ゴミ・有機物・塩化物などの有害物がないこと
  • セメントと付着するような表面組織を持つこと
  • 吸水・温度変化で体積変化を生じないこと
  • アルカリ骨材反応の原因にならないこと
  • 粒径が均一であること

粒度

骨材は、粒度によって分類されます。

  • 細骨材:10mmふるいを全部通り、5mmふるいを質量で85%以上通るもの
  • 粗骨材:5mmふるいに質量で85%以上留まるもの

細骨材はS(Sand)、粗骨材はG(Gravel)と略記されることがあります。

細骨材はモルタル用、粗骨材はコンクリート用に用いられる傾向にあります。

重さ

骨材は重さで区分することもでき、軽量骨材・普通骨材・重量骨材に分けられます。

  • 軽量骨材:比重0.7〜1.8で、人工軽量骨材が該当
  • 普通骨材:比重2.5〜2.6で、ほとんどの骨材が該当
  • 重量骨材:比重3.0〜5.0で、放射線を遮蔽する鉄鉱石が該当

含水状態

骨材内部の間隙は水で満たされているが表面には水が付着していない状態(表面乾燥飽和状態)における密度を表乾密度Wsと呼びます。

コンクリートの配合設計における密度は、この表乾密度を用います。

他の含水状態について以下のように示されます。

  • 空気中乾燥状態Wx(気乾状態):骨材の表面と内部の一部が乾燥している状態
  • 絶対乾燥状態Wd(絶乾状態):骨材の表面と内部も乾燥している状態
  • 湿潤状態Ww:骨材の表面と内部も水が付着している状態

骨材の種類

骨材の採取

骨材の種類として、以下のものがあります。

【骨材の種類】

  • 天然骨材
  • 人工骨材
  • 再生骨材

天然骨材

天然骨材は、自然下に存在する砂・砂利を採取した骨材です。

川底・ダム湖底から採取する川砂・川砂利は粒のサイズが揃っている特徴があり、最も良質な骨材です。

海底から採取する海砂は密度が小さい特徴があり、塩分濃度が高いため洗浄が必要です。

陸地から採取する陸砂・陸砂利・山地から採取される山砂・山砂利は輸送コストが抑えられる特徴があり、砂礫層から採取されるものを主に使用されます。

天然資源は、環境負荷がとてもかかり、近年では使用が制限されるようになっています。

人工骨材

人工骨材とは、工業生産などの副産物・人工破砕などを用いた骨材です。

金属類を精錬する時に発生する高炉スラグ・石炭を焼却する時に生じるフライアッシュは、溶解シリカ量が少なく、アルカリ骨材反応が起こらない骨材です。

フライアッシュや頁岩から作られる人工軽量骨材は、軽量コンクリート用の骨材になります。

岩などを破砕することで作られる人工砕石・人工砂利は、任意の粒度に調整することが可能です。

人工的な加工を加えるためコストがかかるため、指定された性能を満たすために部分的に使用されることがあります。

再生骨材

再生骨材は、建築廃材などの産業廃棄物であるコンクリート解体物を骨材として使えるように加工したものです。

クラッシャーなどの機械を使った破砕、熱を加えて骨材化する熱解砕などの手段で加工されます。

加工の程度によって3種類に分類することができ、通常使用される再生骨材は再生骨材Hのことを指しています。

  • 再生骨材L:破砕等を簡易に実施したもので、性能が必要ない均しコンなどに使用できます。
  • 再生骨材M:破砕等を中程度実施したもので、側溝や擁壁などの簡易構造物に使用できます。
  • 再生骨材H:破砕等を高度に実施したもので、一般のコンクリート同等扱いで使用できます。

再生骨材は、天然資源利用の低減や産業廃棄物の低減などの理由から、近年使用が盛んに進められています。

悪い骨材を用いた場合の問題

海 コンクリート テトラポット

適切な管理がされていない骨材を使用しないと、下記の問題が発生しやすいです。

  • アルカリ骨材反応
  • 塩害

アルカリ骨材反応

アルカリ骨材反応とは、反応性骨材とコンクリート中のアルカリ分での化学反応です。

この反応に起因する膨張がコンクリートのひび割れを生じさせることが問題になります。

アルカリ骨材反応を抑制するために、以下の対策がとられるのが一般的です。

  • アルカリシリカ反応性試験で無害とされた骨材を使用すること
  • コンクリートのアルカリ総量を3.0kg/m3以下にすること
  • 高炉スラグ・フライアッシュを使用すること

塩害

塩害は、コンクリート中の塩化物イオンが鋼材を腐食させ、鉄筋コンクリートの劣化を促進させる現象です。

腐食性物質(塩類等)が付着した骨材を使用せず、防錆材を塗布するなどの塩害対策を実施する必要があります。

まとめ

土木

コンクリート材料に材料に使用する骨材についてまとめました。

コンクリートとは、構成材料の「セメント・練混ぜ水・骨材・混和材料」を一体化したものです。

他の構成材料については、下記の記事でまとめていますのでご参照ください。

紹介させて頂いた知識は土木施工管理技士の試験にも出てくるほど重要な知識です。

勉強に使用した書籍をまとめていますので、ご参照ください。