岐阜県の西濃地域ではハリヨという希少な魚の生息地が保全されています。
県・市町村指定での天然記念物になっている生息地が多くとても貴重です。
今回は、岐阜県垂井町の天然記念物ある、表佐ハリヨ生息地「湯壺池」についてまとめます。
※環境保護の観点から、市町村にて公表され、Googleマップ上でも確認できるような、広く認知されている生息地に絞らせていただきます。
ハリヨとは?
ハリヨはトゲウオ目トゲウオ科の魚で、岐阜県と滋賀県の湧水のある河川に分布しています。
岐阜県内で指定されている希少種・天然記念物は、以下のものです。
- 岐阜県レッドリスト絶滅危惧I類
- 岐阜市レッドリスト絶滅危惧種I類
- 岐阜県希少野生生物保護条例指定種
- 海津市天然記念物
- 「海津市津屋川水系清水池ハリヨ生息地」として国の天然記念物
- 「池田町八幡のハリヨ生息地」として池田町の天然記念物
- 表佐ハリヨ生息地「湯壺池」として垂井町の天然記念物
これらに該当しているため、生息地での採取は禁止されているところがほとんどです。
湧水に集まる習性がありますので、湧水を見つければ簡単に観察することができますので、捕獲せずに目視のみで観察しましょう。
天然記念物とは
引用:文化遺産オンライン
天然記念物は、「動物・植物・地質鉱物で我が国にとって学術上価値の高いもの」のうち、重要なものです。
また、保護すべき天然記念物に富んだ代表的一定の区域ごと指定することもできます。
国指定の天然記念物は「文化財保護法」、各地方自治体指定の天然記念物は「文化財保護条例」に基づいて指定されたものです。
国指定天然記念物の中でも、さらに世界的・国家的に重要なものが、「特別天然記念物」に指定されます。
天然記念物に指定されたものは、文化庁長官の許可・各地方自治体長の許可がなければ、採集・伐採・採掘などができません。
表佐ハリヨ生息地「湯壺池」とは
表佐(おさ)ハリヨ生息地「湯壺池」は、垂井町指定の天然記念物で、湧水が自噴するスポットです(垂井町HP)。
表佐地域は、伊吹山水系の扇状地末端に位置し、河間(ガマ)と呼ばれる湧水が多く点在しています。
その河間の中でも、特に湧水の量が豊富なところを「湯壺」と呼び、大切に維持されてきました。
そのため、当地には古くから「字泉口」「字湯壺」「字水気免」などの地名が残っています。
湯壺の池の水温は15.5℃前後に保たれており、ハリヨの生息に適した環境です。
魚群も多く見られ、時期と場所によっては梅花藻を見る事ができます。
水は直接飲めるほど綺麗な水です。
岐阜県公衆衛生検査センターによる水道水の最も厳しい水質検査にも適合する水質で、株式会社環境科学研究所の水質検査書も張り出されています。
注意点
「湯壺の池」の中に、金魚・鯉が侵入しています。
繁殖や更なる放流が今後増えていくと、清水が溢れる湧水では無くなってしまいます。
天然記念物の有無関わらず、こうした場所に放流をするのは絶対にやめてください。
天然記念物なので、魚を獲ったり、侵入することも禁止されています。
表佐ハリヨ生息地「湯壺池」へのアクセス
- 所在地:〒503ー2122 岐阜県不破郡垂井町表佐1596
- 公共交通機関:JR東海道本線垂井駅から徒歩30分
・タクシー:タクシーアプリ「GO」
・レンタカー:skyticketレンタカー
- 自動車:東海環状自動車道大垣西ICから車で10分
駐車場
駐車場は併設されていませんので、車で訪問する際は路上駐車しかありません。
地元の人の生活道路になっていますので、迷惑にならないように心がけましょう。
まとめ
岐阜県垂井町にある、表佐ハリヨ生息地「湯壺池」を紹介しました。
天然記念物指定がされており、生息地での採取は禁止されていますので、観察のみにとどめてください。
西濃地域には他にもハリヨの生息地がたくさんありますので、ぜひ訪れてみてください。
参考ページ:【岐阜県西濃地域】ハリヨが自然観察できる生息地