食材の栄養素は料理の仕方次第で大きく変化します。
栄養を大きく損なう調理をしてしまうと、食材の栄養素を活かすことができません。
逆に、ちょっとした工夫・要点を知るだけで、効率的に栄養を活かすことができます。
今回は「もやし」のすごい栄養・効能を活かす効果的な料理法をまとめます。
もやしのすごい栄養・効能
【もやしの注目成分】
- エネルギー:14kcal
- カリウム:69mg
- 葉酸:41μg
- 食物繊維:1.3g(水溶性0.1g・不溶性1.2g)
- アスパラギン酸:460mg
【緑豆もやし 可食部100gあたり成分 七訂日本食品標準成分表より】
もやしは、代謝を高め、乳酸を取り除くことで疲労を回復させる効果期待できる「アスパラギン酸」を豊富に含んでいます。
全体の90%以上が水分でできているのでもやしは栄養がないと言われがちですが、低カロリーだが葉酸・食物繊維も豊富で、安価で量も豊富に手に入る貴重な食材です。
一般的に流通している9割のもやしは緑豆を発芽させた「緑豆もやし」ですが、大豆を発芽させた「大豆もやし」もあります。
大豆もやしの場合には、大豆に関連するので「イソフラボン」「GABA」「モリブデン」が豊富です。
イソフラボン
イソフラボンは、大豆に多く含まれるポリフェノールの1種です。
女性ホルモンのエストロゲンと化学構造が類似している特徴があるため、ストレスホルモンの分泌を抑える働き・美肌効果・骨粗鬆症予防効果などがあります。
通常のもやしにはイソフラボンは約1mg/100g含まれていますが、大豆もやしには約25mg/100g含まれています。
大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値70〜75mg/日と設定されているので、1日のトータルバランスで適切な量を摂取できます(食品安全委員会:大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A問19)。
GABA
GABAは英語のGamma-Amino Butyric Acidの頭文字をとった略称で、γ-アミノ酪酸というアミノ酸の一種です。
通常のもやしにはGABAは約1mg/100g含まれていますが、大豆もやしには約6mg/100g含まれています。
GABAは、以下の効果があります。
- 緊張・ストレス・疲労の緩和
- 就寝時の興奮性神経伝達物質を抑える
- 血圧・コレステロール値・中性脂肪値の低下
- 脳内の血流活性による記憶力向上・アルツハイマーなどの認知症予防
モリブデン
モリブデンは肝臓での鉄利用効率を高める作用があり、鉄欠乏性貧血を予防する効果があります。
緑豆もやしにはモリブデンが44μg/100g含まれており、1日のモリブデンの目安摂取量(成人男性の場合は25~30μg・成人女性の場合は20~25μg)を簡単に摂取可能です。
大豆もやしにはモリブデンが含まれていないため、銅の吸収を阻害されないので効率的に銅を摂取することができます。
もやしのすごい栄養・効能を活かす効果的な料理法
もやしのすごい栄養・効能を活かすために、以下の効果的な料理法をおすすめします。
あくまでも、栄養を活かすためであって、美味しさを追求する場合の料理方法とは異なることをご承知ください。
【もやしのすごい栄養・効能を活かす効果的な料理法】
- ヒゲ根も食べる
- 鉄分が豊富な食材と一緒に食べる
- 水にさらなさい
- チルド室で保存
①ヒゲ根も食べる
もやしは、「白い軸・根元の細いひげ根・薄黄色の子葉と豆」で構成されています。
栄養が多く集まっていると言われるのは「子葉と豆」の部分であり、ヒゲ根をとる処理をした「根切りもやし」として食べることもあります。
もやしの根の食感が嫌いな方は、根を取り除いてしまっているかもしれません。
しかし、ヒゲ根には食物繊維が豊富に含まれていますので、ヒゲ根も食べることをおすすめします。
②鉄分が豊富な食材と一緒に食べる
もやしに含まれるモリブデンが鉄分の吸収を促進してくれるので、貧血気味の方は鉄分の多い食材と合わせるのがおすすめです。
野菜だと小松菜・ほうれん草、肉類だとレバー・赤身肉と合わせるのが良いでしょう。
もやしナムル・レバニラ炒めなどのレシピがおすすめです。
③水にさらさない
もやしは、衛生管理の行き届いた環境で栽培されるので、調理前に水洗いする必要はありません。
水溶性の栄養素が流出してしまい、シャキシャキの食感も失われてしまいます。
そのため、水で洗うなどの水にさらすことは避けることをおすすめします。
加熱調理をするなら茹でるよりは、フライパンで短時間加熱・電子レンジなどが良いでしょう。
④チルド室で保存
もやしは、鮮度が落ちやすく、保存性の悪い食材です。
買ってきたらすぐに冷蔵庫に入れて、劣化を抑えましょう。
野菜室よりも温度が低い「チルドルーム」で保存することをおすすめします。
冷凍することでより長く保存することができますが、栄養が壊れやすくなるため、チルドルームで保存して早めに使った方が良いです。
まとめ
もやしのすごい栄養・効能を活かす効果的な料理法についてまとめました。
栄養を生かす調理の方法に併せて、品質の良い食材を手に入れることも重要です。
残念なことに品質の良い食材を買ってみようと思っても、近所のスーパーの品揃えがない・価格高いなどの問題にあたってしまいます。
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農家による経験・知恵によるところもありますが、栄養をしっかり摂るためには正しい情報・データも必要なため、書籍・論文などの文献で勉強しました。
栄養について勉強をした際に使用した書籍をまとめましたので、興味がありましたらご参照ください。