PR

茶の樹形の仕立て方法について

茶の樹形の仕立て方法について
記事内に商品プロモーションを含みます。

収穫する茶葉の品質・収量を向上させるには、茶樹の育成に応じた適切な環境づくり・維持管理が重要です。

茶樹は、栽培方法によって樹形を整える必要があり、収量・作業性の向上など多くのメリットがあります。

茶の樹形の仕立て方法について基本的な情報を解説します。

茶の樹形の仕立て方法について

樹形 仕立て

茶樹の樹形は、地形・摘採方式などによって異なりますが、生長が均一で品質の良い茶芽が多収でき、摘採しやすい樹形が求められます。

そのため、適切な樹形を見極め、適切に仕立て、管理する必要があります。

芽数型と芽重型について

茶葉

茶の収量は芽数・芽重・摘採面積によって構成されています。芽数・芽重については品種によって大きくことなります。

収量増加要因として芽数が主である種を芽数型品種、芽重が主である種を芽重型品種と呼びます。

摘採の機械化に伴って、芽の生長の良い芽重型が好まれます。

この芽重型は樹形が開張型になることが多いです。

開張性と直立性について

茶畑

品種によって、樹勢には開張性と直立性があります。

開張性は、茶樹の低いところに葉が集まり、せん枝の影響が少ないため、仕立てがしやすいです。

直立性は、茶樹の高いところに葉が集まり、せん枝の影響が多いため、仕立てがしにくいです。

茶樹の樹形・樹姿について

茶の樹形

樹形は、平地では弧状・水平型・三角型・台型・片斜面型があり、傾斜地では水平型・斜面弧状・弧状・斜面平行型などがある。

水平型は、均一で芽重型の芽が出やすいが、小型摘採機では摘採しにくいです。また、霜害を受けやすいです。

三角型は、摘採面が広く、摘採がしやすいが、樹形の維持が難しい。

弧状は、芽数の芽が出やすく、摘採もしやすいです。弧内半径が小さいと裾が低くなり摘採がしにくくなるため、弧内半径を大きくて裾を地表から30cm上げるようにします。

茶樹の樹高について

茶葉

樹高は、摘採しやすい高さに保つ必要があります。

機械摘採しやすくする場合、60~90cmに維持します。

手摘みしやすくするために1m以上にする場合、寒風で落葉しやすくなるため、秋枝を徒長させないように低づくりにするなどの検討が必要になる。

なお、積雪地域において、樹高60cm以下にすることで、雪に埋もれるほどにして凍害防止や雪圧力の抵抗力増大を図ります。

樹高が90cm以上になり摘採しにくくなった場合、深刈り・中刈りの更新を行います。

茶樹の畝幅・畝間について

茶樹の畝間

茶樹は、一般的に畝幅は1.5~1.8m畝間は15~30cmにします。

弧状に仕立てる場合、畝幅1.5mの場合は株張り1.2~1.3m、畝幅1.8mの場合は株張り1.5~1.6mの弧状に仕立てます。

茶樹の仕立て方法

茶樹

茶樹の仕立ては、樹高の高低によって大別されます。

【茶樹の仕立て方法】

  • 高仕立て
  • 中仕立て
  • 低仕立て

高仕立て

樹高1.0m以上・株張り1.8m以上にする大仕立てで、おおい下茶園で使われます。

摘採は手摘みで行われ、一番茶のみ摘採を行います。

摘採後は、前年のせん枝位置まで切り下げます。

高仕立てを行った場合、施肥を多くしないと良い芽の生育が得られません。

中仕立て

樹高75cm程度に仕立てるもので、はさみ摘み園で使われます。

摘採効率も高く、経済的な仕立てです。

低仕立て

樹高30~40cm・株張り1.0mにする小仕立て・地ばい造りと呼ばれるものです。

積雪地域や地下水位が高い茶園で使われます。地際から分枝させ、枝さけを避けます。

株張りを広げないと収量が落ちるため、複条などを検討する必要があります

樹高が低いと、茶芽に泥などが着くので、敷き草などを施用する必要があります。

まとめ

茶畑・茶樹

茶の樹形の仕立て方法についてまとめました。

日本茶について勉強できる本については、下記記事にてまとめていますのでご参照ください。

参考文献