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茶の摘採時期・摘採適期について

茶の摘採時期・摘採適期について
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茶は新芽の生育途中に摘採を行う作物で、摘採する時期により収量と品質が変化します。

収量と品質は反比例し、目的とする収量と品質のバランスを考慮し、摘採する時期を調整する必要があります。

茶の摘採時期・摘採適期について、基本的な情報を解説します。

茶の摘採時期について

茶の摘採時期

参照:株式会社静岡茶通信直販センター

茶は、摘採時期によって以下のように分類できます。

【摘採時期による茶の分類】

  • 一番茶
  • 二番茶
  • 三番茶
  • 秋冬番茶

年間の摘採回数は、一番茶と二番茶の2回か、秋冬番茶まで摘採して3回行われる場合が多いです。

一番茶

一番茶の摘採は、茶産地の多くは4月下旬から5月に最盛期となります。

立春(2月4日)から数えて88日目「八十八夜」に摘採を行います。

一番茶は、二番茶以降に比べて、苦渋みの原因となるカテキン・カフェインが少なく、旨み・甘みの要因であるアミノ酸が多いため、すっきりとした味わいです。

その年最初の新芽を摘み採るので、新茶とも呼ばれます。

二番茶

二番茶は一番茶摘採後45~50日(6月中旬~ 7月上旬頃)に摘採を行います。

一番茶より育成期間が短いので、栄養量が少ないです。

三番茶

三番茶は二番茶摘採後35~40日程度で摘採を行います。

高い気温の中で生育したので、渋味成分であるカテキンの含有量は多い傾向です。

秋冬番茶

地域によっては三番茶を摘み採らずに、秋口に摘む「秋冬番茶」というものもあります。

ポリサッカライドという多糖類が含まれていることが、研究で発見されました。

ポリサッカライドは熱に弱いため、水出しがおすすめです。

茶の摘採適期について

茶摘み

摘採時期が早いと収量は少ないが、若い良質な芽を収穫できます。

逆に摘採時期が遅くなると収量は増加するが、茎や下葉が硬化し荒茶の品質が低下します。

葉の品質が最も良い時期では収穫量が少ないため、摘採に適した時期は品質の最も良い時期から2~3日後になります。

この時期を適切に見極めるために、様々な方法があります。

茶の摘採適期の判定「出開度」

摘採摘期の判定は、一般に農家では「手ざわり」で行われることが多いです。

これを客観的に判定するには、「出開度」(でびらきど)が使われます。

新芽の生長終期に止葉が出現し、生長が停止した芽を「出開芽」といいます。

出開度とは、一定面積内の全芽数に対する出開芽の出現割合を百分率で表したものです。

出開度=出開芽数/全芽数×100

手摘みの場合は、通常は緑茶60~70%、紅茶40~50%のときに摘採摘期となります。
機械摘みの場合は、90%を超えることもあります。

茶の摘採適期の判定「硬化度」

5枚程度開葉した新芽の平均的なものを基部より摘み取り、その先端に錘りをつるし、基部から曲がった部分の頂部までの長さを測定し、新芽長に対する割合を計算します。

硬化度=基部からの折れ長/全芽長×100

摘採適期は一番茶で硬化度40~60%が適切です。

芽長に注目すると、一番茶は10cm、二・三番茶は6~7cmのものを5~6cm摘採するのが適しているとされています。

茶の摘採適期の判定「新芽開葉数」

新芽の開葉数を測定し、平均開葉数が一番茶の場合は4枚頃、二番茶の場合は3.5枚頃が摘採適期です。

一番茶では平均して1枚開葉するのに5日程度、二・三番茶では4日程度かかります。

開葉期以後に展開葉数を推定し必要日数を計算することによって、おおよその摘採適期が推定できます。

茶の摘採適期の調整について

茶葉

茶の摘採適期期間は、同一種・同一条件で、1週間ほどと言われております。

この1週間に摘みきれれば良いですが、労力不足などで適期を逃すと品質劣化してしまいます。

そのために、摘採適期をずらして、作業の平準化を行います。

多品種栽培

品種を1種のみじゃなく、早晩性の違う数品種を栽培すると、摘採適期をずらすことができます。

早晩性は、最も栽培されている品種である「やぶきた」を中生として、早生・晩生を決めております。

そのため、「やぶきた」との組み合わせて多品種栽培を行うことが想定されています。

被覆

その場合は、成長の促進のために夜間の被覆、成長の抑制のため昼間の被覆で調整することができます。

促進は2~3日、抑制は5~7日の効果があります。

秋整枝

秋整枝を行うことで、春整枝に比べて、一番茶の発芽が3~4日早まります。

植物生育調節物質

植物生育調節物質の散布により、摘採適期を促進・抑制できます。

発芽促進剤としては「ジベレリン」が使えます。

発芽期の2週間前・1~2葉期の2回で50~100ppmで葉面散布すると、2~4日促進できます。

発芽抑制剤として「MCPP・MCP・MDBA」が使え、発芽期の2週間前に葉面散布すると1週間抑制できます。

しかし、これらは品質・収量が低下するため、特別な場合以外は推奨されません

まとめ

茶畑・茶樹

茶の摘採時期・摘採適期についてまとめました。

摘採方法(茶摘み方法)については、「茶の摘採方法について」にてまとめていますのでご参照ください。

日本茶について勉強できる本については、下記記事にてまとめていますので、詳しく勉強したい場合はご参照ください。

参考文献

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