雪山フィールドワーク時に必要な装備について

雪山フィールドワーク時に 必要な装備について

研究のための重要なデータを収集するために、現地調査(フィールドワーク)をしています。

研究対象地によっては、致命的な危険と隣り合わせな場所で調査を行います。

調査者(フィールドワーカー)は、研究者・科学者・探検家・冒険家・登山家・写真家などの経験・知識を学んで、しっかり事前準備をすることで危険を避けなければなりません。

今回は雪山フィールドワーク時に必要な装備についてまとめます。

雪山フィールドワーク時に必要な装備について

雪山 風景

雪山での行動には、山で必要な通常装備に加えて、雪山に特化した装備が必要です。

これらの準備をせずに雪山に挑むと、行動不能・遭難などの危険な状態になりかねません。

準備不足で個人だけが危険になれば自業自得ですが、チームに迷惑をかけて最悪集団での行動不能・遭難になってしまいます。

自分と周りの仲間を守るためにも、しっかり準備してください。

雪山で行動するためには、以下の用具が必要になります。

【雪山フィールドワーク時に必要な装備】

  • 雪山用の服装
  • 雪上歩行用の道具
  • 雪崩対策の道具
  • 暴風雪対策の道具

雪山用の服装

雪山 ウェア

雪山は、通常の登山よりも濡れ・蒸れ・風への対策が必要になります。

対策をしっかりしないと、霜焼け・凍傷・低体温症につながる危険な要素です。

濡れ・蒸れ・風への対策のため、重ね着をして服装を脱いだり着たりして微調整する「レイヤリング」が重要になります。

濡れ・蒸れ・風への対策だけなく、ウェアとウェアの間で閉じ込められた空気「デッドエアー」が多いほど保温性が増すので、保温の観点からもレイヤリングは有効なのです。

レイヤリングが必要なウェアとして、以下の3つが挙げられます。

【レイヤリングが必要なウェア】

  • 雪山用のウェア
  • 雪山用手袋
  • 雪山用ソックス

雪山用のウェア

雪山で着るウェアは、体に直接触れて通気性が優れている「ファーストレイヤー」、保温機能が優れている「ミッドレイヤー」、防水・防風機能が優れている「アウターシェル」の3つを組み合わせる方法が一般的です。

  • ファーストレイヤー:汗の素早い吸収と放出ができる化繊
  • ミッドレイヤー:保温できるフリース・中綿のインサレーションジャケット
  • アウターシェル:厚手の冬用ジャケット

ファーストレイヤー・アウターレイヤーは基本的に着たままになり、ミッドレイヤーで調節をするため、「ベースレイヤー1枚・ミッドレイヤー2枚・アウターシェル1枚」で運用する場合が多いです。

雪山用手袋

雪山用手袋は、手の保温・防水に必要な装備です。

手に直接身につける通気性が優れている「ライナーグローブ・インナー手袋」、保温機能が優れている「アウターグローブ」、防水機能が優れているた「オーバーグローブ」の3つを組み合わせる方法が一般的です。

  • ライナーグローブ・インナーグローブ:通気性の良い化学繊維
  • アウターグローブ:厚手の中綿入りのグローブ
  • オーバーグローブ:完全防水のミトン以外の3本指・5本指タイプのグローブ

レイヤリングが必要ないオールインワンタイプのものがありますが、基本的にはレイヤリングする方が好ましいです。

風で飛んでしまったり、濡れてたり、破損した場合、替えがないと凍傷などの危険がありますので、必ず各レイヤーごとの替えを用意しましょう。

雪山用ソックス

雪山用ソックスは、の保温・クッションに必要な装備です。

足に直接身につける通気性が優れている「インナーソックス」、保温機能・クッション機能が優れている「アウターソックス」

  • インナーソックス:通気性の良い化学繊維
  • アウターソックス:メリノウールなどの温かくクッション製のある素材

低山では足先が冷える程度で済みますが、高山では凍傷の危険がありますので、しっかりレイヤリングしましょう。

雪上歩行用の道具

雪山 靴

雪山を安全に歩行するためには、雪上環境に合わせて装備を入れ替えます。

雪上歩行用の道具として以下のものが挙げられます。

【雪上歩行用の道具】

  • 雪山用登山靴
  • アイゼン
  • ピッケル
  • ワカン・スノーシュー

雪山用登山靴

雪山用登山靴は、足元の保温・防水に必要な装備です。

通常の登山靴と違い、保温材・防水材が豊富に使われているだけじゃなく、アイゼン装着に適したソールの硬さ・形状・コバが備えられているのが特徴になります。

登る山に合わせて靴を変えることもできますが、基本アルパインシューズで大丈夫です。

ただ、厳しい環境に挑まれる方は、中綿が入っているタイプや、インナーシューズとアウターシューズに分かれる2重登山靴タイプなどを選ぶと良いかもしれません。

アイゼン

アイゼンは、歩行時の滑り止めに必要な装備です。

金属爪が10〜12本のものをアイゼン、4〜6本のものを軽アイゼンと分類されます。

傾斜の緩い山・柔らかい雪である低山などは軽アイゼンで充分ですが、傾斜が厳しい山・森林限界を超えて雪が硬くなってきたり高山・アイスバーンや岩場のある山ではアイゼンが必須です。

また、登山靴に合わせて、ベルトタイプかワンタッチタイプか選択します。

滑落しないために欠かせない道具ですので、登る山に合わせたアイゼンを使用しましょう。

ピッケル

ピッケルは、姿勢保持・滑落時のブレーキに必要な装備です。

ピッケルにはCEN(欧州標準化委員会)やUIAA(国際山岳連盟)が定めた耐久性の規格があり、頑丈で重い「テクニカル(T)」と扱いやすく軽い「ベーシック(B)」の2種類あります。

シャフトの形は様々あり、シャフトが「ストレート」「長め」は緩やかな斜面向き、シャフトが「カーブ」「短め」は急な斜面向きです。

滑落時に命を守る道具になりますので、登る山に合わせて適切な重さ・長さ・形状のピッケルを使用しましょう。

ワカン・スノーシュー・スキー

ワカン・スノーシュー・スキーは、足の接地面積を大きくして雪の上で浮力を得るのに必要な装備です。

浮力の大きさはワカン<スノーシュー<スキーとなります。

浮力を得ることで歩きやすくなりますが支持力は悪くなりますので、斜面が急になるにつれて浮力の小さいものを選ぶと安全です。

これらの道具を用いることで歩きやすくなりますが、安定層まで足が到達しないので、雪崩を誘発しやすいので注意しましょう。

雪崩対策の道具

雪崩対策グッズ

雪崩に巻き込まれないような危機管理を十分にしていても、雪崩に巻き込まれる危険性があります。

そのときに、自分の命を守り、他人の命を救うための道具が必須です。

雪崩対策の道具として以下のものが挙げられます。

【雪崩対策の道具】

  • ビーコン
  • シャベル
  • ゾンデ(プローブ)

これらの装備無しで雪山に挑むのは非常に危険です。

ビーコン

ビーコンは電波を送受信する携帯無線装置で、雪崩に巻き込まれた時に自分の埋まっている位置を伝える・埋没者を捜索するために必要な装備です。

入山する直前に、ビーコンを送信モードにすることで、雪崩に巻き込まれても捜索されやすくなります。

アンテナの数が多いと見つけやすくなるので重要です。

シャベル

シャベルは、雪崩による埋没者を掘り起こすに必要な装備です。

他にもピットチェックなどの雪質チェック・緊急時のビバーク用の雪洞を掘るときにも必要となります。

緊急事時に組み立てやすく、持ち運びやすい軽さのものを選ぶ必要があります。

種類によってはピッケル・ソリとして利用できる多機能のものもあります。

ゾンデ(プローブ)

ゾンデ(プローブ)は、雪に突き刺して雪崩で埋まった埋没者の位置を特定するために必要な装備です。

ビーコンで位置を特定し、ゾンデでどの深さまで掘り返すかを測ります。

カナダ・スイスの雪崩統計から雪崩に埋まった場合は15分以内に救助することが望まれ、深さ2m~3m程度であれば15分以内に掘り返すことができます。

そのため、ゾンデは2〜3mのものが多いです。

暴風雪対策の道具

雪山 道具

吹雪・ガスなどで視界が効かないときに、必要になる道具は以下のものです。

  • GPS:視界がなくてもでも座標で自分の位置が知られる
  • ゴーグル風雪を防ぎ凍傷を避けることができ、吹雪の中でも裸眼より広い視界が得られます。

GPS

GPSとは、衛星による情報で現在位置の表示・目的地を示すのに必要な装備です。

みちびき・GLONASS・GPSの三側位対応、低温時に正常動作ができ、吹雪でも使える高い防水性と視認性が求められす。

地図・コンパス・高度計などの機能を備えたものもあります。

最新のスマホでも代用できるかもしれませんが、低温時にバッテリー消費が激しくすぐに電池が切れる、正常に動作できないなどの不安はついてしまいます。

ゴーグル

ゴーグルは、目の保護・視界確保のために必要な装備です。

雪により太陽光が散乱するため、紫外線が平地よりも非常に多いため、雪目と言われる目の日焼けを避けなければなりません。

日焼けによって疲労、視力の低下、最悪は失明につながる危険があります。

また、風雪によって目が凍傷を受けることもあるため、それをを避けることができます。

吹雪の中でも裸眼より広い視界が得られる、曇りにくく視界のクリアなものが好ましいです。

まとめ

雪 登山

今回は、雪山フィールドワーク時に必要な装備について学んだことをまとめました。

十分な準備をしてフィールドワークへ挑み、良い研究に繋げていきたいと思います。

危険に遭遇しないのが1番ですが、危険対処に重要になるサバイバルキットについてもまとめましたので御覧ください。

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