研究のための重要なデータを収集するために、現地調査(フィールドワーク)をしています。
研究対象地によっては、致命的な危険と隣り合わせな場所で調査を行います。
調査者(フィールドワーカー)は、研究者・科学者・探検家・冒険家・登山家・写真家などの経験・知識を学んで、しっかり事前準備をすることで危険を避けなければなりません。
危険に遭遇しないのが1番ですが、危険対処に重要になるサバイバルキットは常に携帯しています。
市販もありますが私は自作していますので、その中身について紹介します。
【最強サバイバルキット】自作用のおすすめ中身
研究内容によって異なりますが、フィールドワークでは研究資材・行動食が運搬物のメインです。
研究がメインですから、緊急時に万全な状態にするために豊富な資材を持っていくことができません。
そのためフィールドワークに持っていくサバイバルキットは、「コンパクト・複数用途可能」が条件です。
自作して軽量化した最強のサバイバルキットは以下のような中身がおすすめになります。
災害・アウトドアでも非常に役立つので参考にしてみてください。
【最強サバイバルキット】自作用のおすすめ中身
- 救急医療キット
- 携帯浄水器
- サバイバルブランケット
- ファイヤースターター
- アナログな地図・コンパス
- フラッシュライト
①救急医療キット
【最低限の救急医療キットの内容】
- 絆創膏
- 包帯・ガーゼ・針・糸
- ポイズンリムーバー
- 消毒剤
- 石鹸
フィールドワークでは軽症を含めると怪我をする機会が多いので、応急処置のための「救急医療キッド」は必須です。
ファーストエイドキット(FAK)と呼ばれることもあり最初の処置として行うための簡単の道具と軽んじられがちですが、屋外で発生する多くの怪我に対応できる柔軟性が求められます。
自衛隊や海外軍用の本格的なサバイバルキット・市販的されているファーストエイドキットなども売っていますが、「使い方が分かりにくい」「手に馴染みにくい」などの問題があります。
できれば1つ1つ良いものを選ぶと、緊急時にちゃんと扱うことができて安心です。
足のマメ・傷口の保護のために絆創膏は思いつきやすいですが、岩肌・木などでザックリ切った場合に傷口を縫うための糸・針・消毒液も忘れずに入れましょう。
滑落で捻挫・骨折も考えられますので、包帯・ガーゼを使って木で固定することもできます。
止血・氷のうにも活用できます。
通常のファストエイドキットにはないことが多いのですが、ハチ・ヘビによる毒はとても危険ですので、ポイズンリムーバーも忘れず携帯しましょう。
②携帯浄水器
人の生存の目安 “rule of threes”(3の法則)と呼ばれ、水なしでは3日間で生命に危険があります。
外部環境によっては異なりますが、1日2.5Lの水分が排出され、内訳は以下の通りです。(厚生労働省)
- 尿:1500ml
- 便:100ml
- 呼気:300ml
- 汗:600ml
体内水分量が5%失われると脱水症状、10%失われると筋肉の痙攣・循環不全、20%失われると死亡します。
3〜7日分の水を携帯することは難しいので、水を現地で確保する必要がありますが、飲用に値する清潔な水を確保することができません。
そこで、水を浄化する携帯浄水器が必要になります。
最もおすすめな携帯浄水器は、「SAWYER PRODUCTS ミニ浄水器」です。
ストロータイプながらフィルター交換せずに約38万リットル使用可能で、付属パウチやペットボトルなどにセットすることで、水を携行することもできます。
コンパクトな浄水器なら、運搬容量を圧迫することなく持ち運ぶことができ、致命的な場面で十分な役割を果たしてくれます。
雪山の場合は、水源が凍っている可能性があるので、雪を溶かすための用具が必要です。
③サバイバルブランケット
サバイバルブランケットは、ポリエチレン素材に高純度のアルミ蒸着加工を施したもので、体が放射する熱の90%を保持してくれます。
「エマージェンシーシート」「ヒートシート」などの名称でも売られています。
多機能で以下の機能があります。
- 寒さや悪天候から守るシェルター
- 目立つ色で自分の位置を知らせるためのシグナル(遭難時)
- 雪・氷を溶かして飲水作り
ポケットティッシュほどの大きさに折り畳めるので、運搬容量を圧迫することなく持ち運ぶことができます。
木・岩などに引っ掛けることで、簡易シェルターの屋根としても使用することができます。
④ファイヤースターター
火はサバイバルでは重要で、多くの効果を得ることができます。
- 暖をとることができて体温保持
- 明かりと煙によるシグナル
- 害獣・害虫対策
- 煮沸して飲料確保・器具消毒
火・火花を木切れ・枯葉・乾いた草などで火種にして、持続時間が短いが燃焼が早く温度が高い「軟木」を燃やし、持続性のある「堅木」に火を点けます。
火つけにはマッチ・ライターが簡単なのですが、雨・湿気に弱い、落下などの衝撃に弱いなどの欠点があります
燃料を用いることなく、環境に左右されずに着火できるファイヤースターターが必須です。
ファイヤースターターには主に、フェロセリウム製とマグネシウム合金製があり、フェロセリウムの発火点は約150~180℃で、マグネシウムの約473℃に対して非常に低く容易に発火するため、フェロセリウム製がおすすめです。
横1列に並んだ3本の狼煙は遭難を意味するので、捜索救助隊が気づく可能性も高くなるので、3つの固まりで火をつけましょう。
⑤アナログな地図・コンパス
遭難時には、無駄に動かず救助を待つのは1番懸命な行動です。
しかし、「水がない・シェルターを作ることができない」ような過酷な環境では、移動しなくては助かりません。
そこで必要となるのは、地図・コンパスによるナビゲーション能力です。
現代は携帯などで簡単に位置情報が見れて簡単に経路確認ができますが、緊急時において破損・充電切れ・水ぬれなどで使用不可能になってしまうことを想定しなければなりません。
フィールドワークに入る前に、その土地の1/25000地形図を取得して、防水ケースに入れるなど水濡れに備える必要があります。
コンパスは、デジタルコンパス・マップ用コンパスなどがありますが、目標物を合わせて進む方向を正確に示す「レンザティック式」がおすすめです。
勉強しなくては簡単に使えるものではありませんが、緊急時に大いに役立つと思います。
⑥フラッシュライト
緊急時において、視野狭窄に陥りやすく視界が悪い夜間は動くべきではありません。
そのため、行動を助長させやすいフラッシュライトは入れるべきか非常に悩みました。
ただ、火起こしに失敗した場合、「夜間に自身の場所を知らせる方法がない」「暗闇が怖い」など問題が起きてしまいます。
小型・軽量・防水・ハイビームなど入れるための条件は非常に多いですが、1つ入れておいても良いかもしれません。
少しコツはいりますが乾電池は火起こしにも活用することができるので、充電ではなく乾電池タイプがおすすめです。
まとめ
自作して軽量化した最強のサバイバルキットのおすすめの中身を紹介しました。
【最強サバイバルキット】自作用のおすすめ中身
- 救急医療キット
- 携帯浄水器
- サバイバルブランケット
- ファイヤースターター
- アナログな地図・コンパス
- フラッシュライト
十分な準備をしてフィールドワークへ挑み、良い研究に繋げていきたいと思います。
自作が面倒な場合は「市販されているサバイバルキット」もありますので、足りないものは参考にして追加してみてください。
事前準備として必要な知識の習得に用いた書籍をまとめましたので、参考にしていただければ幸いです。