農業は1年に1作しかできないものが多く、圧倒的に経験・知識が不足してしまいます。
農業に従事し続けるには、勉強し常に新しい知見を学ばねばなりません。
勉強方法として、業界セミナー・先進地訪問・普及員による指導などありますが、私は本・業界誌・論文などを用いて勉強することが好きです。
その一環として『図解でよくわかる菌ちゃん農法』を読みましたので、書評・要約のように綺麗に整理できていませんが、感想・勉強になった内容をまとめてみます。
目次
『図解でよくわかる 菌ちゃん農法』とは?
読みやすさ | |
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専門性 | |
役立ち度 |
- 著者: 吉田 俊道 (著)
- 出版社:家の光協会
- 発売日: 2024/1/27
- ページ数:136ページ
【目次】
- 第1章 菌の力を生かした理想の土とは?
- 第2章 実践! 有機物を使った土づくり
- 第3章 生ごみや太陽を生かした土づくり
- 第4章 菌の力を借りる植えつけのコツ
- 第5章 元気野菜の魅力と育て方
『図解でよくわかる 菌ちゃん農法』は、無農薬・無肥料で土の中の糸状菌を活用する「菌ちゃん農法」について、図解などを用いてわかりやすく解説された1冊です。
農業法人㈱菌ちゃんふぁーむ代表取締役・NPO法人 大地といのちの会理事長の吉田 俊道氏は、「生ごみ先生」「菌ちゃん先生」と呼ばれています。
九州を拠点に生ごみリサイクル元気野菜づくりと元気人間づくりの旋風を巻き起こしています。
『図解でよくわかる 菌ちゃん農法』を読んで勉強になったこと
菌ちゃんふぁーむでは、約3haの農地で菌ちゃん農法が使われています。
無農薬でも防虫ネットがなくても、青虫がほとんどつきません。
奇跡の野菜作りの秘密は「土作り」にあり、それを支えるのは「微生物」の力です。
この菌ちゃん農法について、本書で重要だと思った箇所を章ごとにまとめます。
第1章 菌の力を生かした理想の土とは?
【第1章の小見出し】
- 菌を活かせば、虫も病気も寄り付かない
- たくさんの菌が野菜の命を支える
- 元気野菜で人も元気になる
「有機無農薬野菜=元気野菜」ではありません。
有機無農薬野菜でも不健康で弱った野菜は、抵抗力が弱いため虫が食べて分解し土に戻そうとします。
健康な土で育った元気野菜は、根がしっかり伸びてバランスよく養分を吸収でき、抗酸化物質など腐れにくい成分を作ることができます。
ファイトケミカルが豊富で栄養的に優れているだけでなく、病虫害に攻撃される心配もありません。
健康な土づくりには分解者である「菌(微生物)」が活躍し、炭素分を多く含んだ有機物を分解するのが得意な「糸状菌」が特に重要です。
【糸状菌による元気野菜づくりのメカニズム】
- Stage1:糸状菌が雑草を分解する
- Stage2:菌糸を深く伸ばし、土を耕す
- Stage3:菌糸が野菜の根とつながる
- Stage4:菌のネットワークが野菜に影響を与える
刈草・籾殻・竹・落ち葉・木・繊維くずが餌になり、糸状菌が伸ばす菌糸は細菌のすみかになり、他の有用細菌と共生することができます。
第2章 実践! 有機物を使った土づくり
【第2章の小見出し】
- 雑草の有機物で土づくり
- 実践、土づくり
- 野菜を育てながら土づくりを続ける
- ちょこっとお試し土づくり
菌ちゃんの餌として、かたい雑草である「エノコログサ・オヒシバ・カラスムギ・ススキ・メヒシバ・セイタカアワダチソウ・チガヤ・スズメノカタビラ」などがおすすめされています。
菌ちゃん農法の土づくりは、大きく5ステップです。
- ステップ①高い畝を立てる
- ステップ②有機物をのせる
- ステップ③土をかぶせる
- ステップ④マルチで覆う
- ステップ⑤土塊を置く
丸太を埋め込み10年無肥料畝・プランターや肥料袋でも実践できる方法も記載されており、細かいところは本書をお読みください。
第3章 生ごみや太陽を生かした土づくり
【第3章の小見出し】
- 台所から土づくり
- お日様のエネルギーで土づくり
身近な有機物である生ゴミを活用するためには、ひと工夫が必要です。
生ゴミは窒素分が多く炭素分が少ないので、そのまま投入すると腐敗が起こってしまいます。
生ゴミを漬物にして畑に鋤き込みことで、炭酸ガスを発生させフカフカな土を作る方法が記載されています。
また、有用菌を活性化させ発行型の土づくりをする「太陽熱養生法」も紹介されています。
第4章 菌の力を借りる植えつけのコツ
【第4章の小見出し】
- 植えつけの基本
- プランター&肥料袋での植えつけ
- 材料集めから収穫までの流れ
畝立て・プランター・肥料袋を仕込んでから、早ければ2ヶ月程度で植えつけができます。
温度によって出来上がり期間が異なるので、マルチの一部を破り細い菌糸があるか確認しなければなりません。
植えつけは、有機物をかき分けて下に現れた土に行うなど多くのコツが必要なので、本書をしっかり読み込んでください。
第5章 元気野菜の魅力と育て方
以下の野菜の魅力と育て方についてまとめられています。
- キャベツ・ブロッコリー・カリフラワー
- ハクサイ・サントウサイ
- トマト・ミニトマト
- ジャガイモ・サトイモ・サツマイモ
- ピーマン(パプリカ・シシトウ・トウガラシ)
- キュウリ・ニガウリ
- ガボチャ・ウリ・トウモロコシ
- ゴマ
- エンドウ・ソラマメ
- 長ネギ(下仁田ネギ)
- チンゲンサイ・コマツナ・ターツァイ
- かき菜
- レタス・シュンギク
- ホウレンソウ
- フダンソウ・クウシンサイ
- ツルムラサキ・モロヘイヤ・オカノリ
- カブ・ダイコン
- ニンジン・ナス
- ショウガ・ウコン
- エゴマ・青ジソ・赤ジソ
『図解でよくわかる 菌ちゃん農法』を読んで今後勉強すべきこと
『図解でよくわかる 菌ちゃん農法』は、菌を上手く使った栽培に興味を持つことができました。
菌ちゃん農法でも、生ゴミ利用にフォーカスされている『完全版 生ゴミ先生が教える「元気野菜づくり」超入門』などで勉強するのがおすすめです。
菌ちゃんふぁーむの代表商品であるふりかけ「菌ちゃんげんきっこ」が紹介されていたので、試してみたいと思います。
まとめ
『図解でよくわかる 菌ちゃん農法』を書評・要約のようにまとまっていないかも知れませんが、感想・内容を紹介しました。
まだまだ勉強不足ですので、これらからもしっかり勉強していきます。
最新の農業情報を得るためには、本だと出版までのタイムラグがあるので、農業の専門雑誌を読むほうがおすすめです。
毎月購入すると結構コストがかかってしまうので、ネットで農業雑誌・家庭菜園誌が読み放の「楽天マガジン」がおすすめですので、利用してみてください。