食材の栄養素は料理の仕方次第で大きく変化します。
栄養を大きく損なう調理をしてしまうと、食材の栄養素を活かすことができません。
逆にちょっとした工夫・要点を知るだけで、効率的に栄養を活かすことが可能です。
今回は「小松菜」のすごい栄養・効能を逃さない効果的な料理法をまとめます。
小松菜のすごい栄養・効能

【小松菜の注目成分】
- βカロテン:3100μg
- ビタミンC:39mg
- 葉酸:110μg
- カリウム:500mg
- カルシウム:170mg
- 鉄:2.8mg
【小松菜 可食部100gあたり成分 七訂日本食品標準成分表より】
小松菜は、ビタミン類・ミネラルなどをバランスよく含んでおり、緑黄色野菜でもトップクラスの栄養を持っています。
こまつなのカルシウム量は牛乳並みで野菜の中で最も多く、カルシウムの排出を抑えるビタミンも豊富でカルシウム補給にも適した野菜です。
栄養が豊富な葉物野菜の代名詞「ほうれん草」と比較すると、あらゆる点で小松菜が優れており最強の野菜といえます。
注目すべきすごい成分として「鉄分」・「葉酸」が挙げられます。
鉄分
赤血球を作るために最も重要な栄養素は「鉄」で、赤血球に多く含まれる「ヘモグロビン」をつくるのに欠かせません。
食物から摂取できる鉄には「ヘム鉄・非ヘム鉄」の2種類があり、ほうれん草に含まれる鉄はすべて「非ヘム鉄」です。
ヘム鉄は吸収率15~35%、非ヘム鉄は吸収率は2~20%であり、非ヘム鉄は吸収率が悪いので注意は必要になります。
鉄分を豊富に含む印象がある「ほうれん草」と比較すると、ほうれん草が鉄2.0mgに対して小松菜は鉄2.8mと、小松菜のほうが優れています。
葉酸
葉酸とは「水溶性ビタミンB群の栄養素」の1つで、赤血球を作り出し、DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の生合成を促進し、細胞の生産や再生を助けることから、体の基礎作るために重要な効能があります。
水に溶けやすく尿などで体外に排出されやすいため、水溶性ビタミンは体内で蓄積されにくいので、毎日摂取することが必要です。
しかし、コマツナの葉酸は熱に弱く水に溶出しやすいため、50%〜85%ほどが調理により失われてしまいます。
小松菜のすごい栄養・効能を逃さない効果的な料理法

小松菜のすごい栄養・効能を逃さないために、以下の効果的な料理方法をおすすめします。
あくまでも、栄養を活かすためであって、美味しさを追求する場合の料理方法とは異なることをご承知ください。
【小松菜のすごい栄養・効能を逃さない効果的な料理法】
- 茹でない食べる
- ビタミンDが豊富に含まれている食材と合わせる
- 根本も使う
- 鮮度が高いうちに冷凍
①茹でない食べる

小松菜にはシュウ酸の量が少ないため、ほうれん草のようにアク抜きする必要がありません。
アク抜きをしてしまうことで、ビタミンCなどの水溶性栄養素が抜け出てしまうのでもったいないです。
できる限り水にさらすこともなく調理することをおすすめします。
②ビタミンDが豊富に含まれている食材と合わせる

小松菜にはカルシウムが豊富に含まれますが、カルシウムだけでは吸収率が低いので骨の成長・再生に結びつきません。
排出を抑えるビタミンKを豊富に含んでいますが、さらに腸管のカルシウムの吸収促進を促す「ビタミンD」と合わせて食べると、カルシウムを効率的に吸収することができます。
ビタミンDが多い食材として以下のものが挙げられます。
- 鮭
- しらす干し
- 干ししいたけ
- きくらげ
これらビタミンDが多い食材とあわせて、カルシウムの吸収を促進させましょう。
③根本も使う

小松菜の根元の赤い部分には、マンガン・鉄などのミネラルが豊富に含まれています。
ポリフェノールも含まれることで、赤色になります。
この根元部分は捨てずに食べることをおすすめします。
根元を全部切ってしまうのではなく、ある程度残して料理することで、栄養を余すことなく摂取できます。
④鮮度が高いうちに冷凍

出荷後の葉物野菜は、どんどん水分・栄養が抜けていきます。
そのため、購入後すぐに使う予定がない野菜は、冷凍保存することをおすすめします。
解凍する場合は、自然解凍ではなく、 浸水解凍をするとドリップが出ないのでおすすめです。
まとめ

小松菜のすごい栄養・効能を逃さない効果的な料理法についてまとめました。
栄養を生かす調理の方法に併せて、品質の良い食材を手に入れることも重要です。
残念なことに品質の良い食材を買ってみようと思っても、近所のスーパーの品揃えがない・価格高いなどの問題にあたってしまいます。
そこで、旬で良質な野菜を手軽に安く手に入れる方法として、『野菜の宅配定期便』を紹介させて頂いておりますので、ぜひご覧ください。
農家による経験・知恵によるところもありますが、栄養をしっかり摂るためには正しい情報・データも必要なため、書籍・論文などの文献で勉強しました。
栄養について勉強をした際に使用した書籍をまとめましたので、興味がありましたらご参照ください。
