岐阜県の垂井町には、モリアオガエルが多く生息しています。
生息地の保全も盛んに行われており、地域資源として活用されています。
垂井町でモリアオガエルの代表的な保全地として
- モリアオガエルの群生地(県指定天然記念物)
- モリアオガエルの里
が挙げられます。
今回は、このモリアオガエルの里について紹介します。
※環境保護の観点から、自治体によって公表されており、広く認知されている生息地に絞って紹介しています。
モリアオガエルとは
モリアオガエルは、両生綱無尾目アオガエル科アオガエル属に分類されるカエルで、日本固有種として本州で幅広く生息しています。
森の樹上で生活するカエルで、産卵前にのみ水を摂取するため水辺に降ります。
繁殖期は4〜7月で、湖沼・水田・湿地の樹木の枝先などに白い泡状の卵塊を産むのが特徴です。
環境省のレッドデータリストでは指定されていないが、森林環境の変化によって生息地が減少傾向にあるため、都道府県・市町村単位で指定されていることもあります。。
また、「モリアオガエルおよびその繁殖地」が天然記念物に指定されている地域があります。
【モリアオガエルに関する天然記念物指定の一例】
国指定
- 福島県:平伏沼モリアオガエル繁殖地
- 岩手県:大揚沼モリアオガエルおよびその繁殖地
県指定
- 山形県:鶴間ヶ池のモリアオガエル繁殖地
- 群馬県:水上町モリアオガエル繁殖地・大峰山モリアオガエル繁殖地
- 千葉県:清澄のモリアオガエル
- 山梨県:モリアオガエル及び生息地(南部町)
- 岐阜県:モリアオガエル群生地(垂井町)・モリアオガエル群生地(郡上市)
- 三重県:池ノ谷のモリアオガエル繁殖池
- 広島県:吉水園のモリアオガエル
市町村指定
- 福島県相馬市:ケシ子沼モリアオガエル生息地
- 福島県大沼郡会津美里町:関山のモリアオガエル
- 新潟県上越市:黒倉山山腹のモリアオガエル生息地(新潟県上越市)
- 新潟県板倉町:モリアオガエル
- 群馬県みどり市:モリアオガエル
- 東京都西多摩郡日の出町:モリアオガエル
- 埼玉県飯能市:モリアオガエルの生息地
- 山梨県上野原市:モリアオガエル
- 石川県能登町:モリアオガエル
- 愛知県北設楽郡設楽町:モリアオガエルの生息地
- 兵庫県加西市河内町:モリアオガエル生息地
- 岡山県新見市大佐町小坂部:竜王池のモリアオガエル
- 岡山県新見市哲西町上神代:モリアオガエル生息地
- 島根県松江市八雲町:秋奥のモリアオガエル産卵池
コラム① モリアオガエルの見分け方
モリアオガエルと似ているカエルとして、ニホンアマガエルとシュレーゲルアオガエルが挙げられます。
モリアオガエルは大型で鳴き声も異なる点で違いますが、細かい点では以下の違いでも見分けることができます。
- ニホンアマガエル:ニホンアマガエルには目から耳にかけて黒い帯模様があるが、モリアオガエルにはない
- シュレーゲルアオガエル:シュレーゲルアオガエルは虹彩が黄色がかっているが、モリアオガエルの虹彩は赤っぽい。
モリアオガエルの里とは
「モリアオガエルの里」は、岐阜県不破郡垂井町大滝にある小さな公園です。
施設内には休憩できる木の「椅子とテーブル」が置いてあるのみです。
この入口近くの広場の横に沼地があり、そこでモリアオガエルの産卵場所になっています。
モリアオガエルの繁殖期は4〜7月ですので、この時期に訪れるとモリアオガエルに遭遇しやすいでしょう。
垂井町では「モリアオガエルの群生地」が県指定天然記念物に指定されていますが、それは垂井町宮代の真禅院の付近の「長池」のことであり、モリアオガエルの里は天然記念物の指定地域外です。(岐阜県HP)
しかし、保全地の意味合いが強い施設でありますので、採取は控えて観察に徹しましょう。
「モリアオガエルの里」へのアクセス
JR東海道本線垂井駅からは徒歩で60分もかかってしまい、バスも通っていないので、車でのアクセスが最適です。
大垣西ICから車で15分、関ヶ原ICから車で15分と、ICからのアクセスは悪くはありません。
- 所在地:〒503-2101 岐阜県不破郡垂井町大滝
- 自動車:東海環状自動車道「大垣西IC」から車で15分
・タクシー:タクシーアプリ「GO」
・レンタカー:skyticketレンタカー
コラム② 訪問時の注意点
モリアオガエルの里は、小スペースなため、駐車場・トイレなどはありません。
駐車する際には路上駐車しかありませんが、幅員の広い道路に接続しているので比較的容易に駐車はできます。
しかし、地元の方が利用される道路ですので、邪魔にならないように気をつけ、どいてほしいと言われた際は素直に移動させましょう。
また、「モリアオガエルの里」の奥に入っていくことができ、沼地が多くあり卵塊も発見することができます。
しかし、訪れた人用に整備されているわけではなく、滑って沼地に落ちてしまう可能性もあります。
そして、1番厄介なのが山ヒル(ヤマビル)です。
標高も低く、公園化されているのであまり注意していませんでしたが、奥に5分だけ入っていただけで、3箇所噛まれてしまいました。
ヤマビルへの対策をしっかりしてから挑みましょう。
まとめ
「モリアオガエルの里」を紹介させていただきました。
地域資源を活用して、自然に触れ合う機会にぜひしてみてください。