養殖魚は「美味しくない」「臭みがある」という低評価をかつては受けていました。
しかし、現在は柑橘類由来の成分を餌に混ぜるなどの工夫により臭みを抑制し、「フルーツ魚」と呼ばれるブランドに昇華されています。
フルーツ魚の中で、ハーブを用いている「長崎ハーブ鯖」についてまとめます。
長崎ハーブ鯖
長崎ハーブ鯖は、ハーブ(ナツメグ・オレガノ・シナモン・ジンジャー)を配合した飼料で養殖されたサバです。
養殖のサバは血合いの褐変が酷く生臭さがあるので、旬の冬以外に出荷するのが難しい状態でした。
長崎ハーブ鯖は、完全養殖なので寄生虫の心配がほぼなく、ハーブの効果で血合いの褐変反応が抑制され生臭さもないためほぼ1年を通じて脂乗りが良いことが特徴です。
2008年に商標番号第5151119で「長崎ハーブ鯖」の商標登録されており、2011年度「ながさき水産業大賞」受賞するなどブランド化に成功しています。
ハーブを与える効能
長崎ハーブさば生産グループによる、以下の効能があることが報告されています。
- 天然の魚に比較し、油の劣化が少ない
- 品質保持期間の延長機能(K値上昇の抑制機能向上)
- 筋肉コラーゲン含量の倍増とそれに伴う歯ごたえ食感機能の向上
- 筋肉過酸化脂質の低下機能向上(養殖魚特有な臭みの除去機能及び筋肉中中性脂質の劣化防止)
- 細胞膜強化機能の向上(細胞膜の強化はドリップを減少させ、旨み成分の流出を防ぐ)
長崎ハーブ鯖の生産
長崎県松浦市・佐世保市の業者である、有限会社リョウセイ・株式会社金政水産・谷川水産株式会社の3社で「長崎ハーブさば生産グループ」を設立し、商標登録・卸売業者認定証明書や公式取扱者ステッカーの発行などブランド化を勧めています。
令和3年長崎県県民表彰式(2021年11月23日開催)にて、長崎ハーブさば生産グループが、優良団体の産業功労、水産功労の部にて県民賞を受賞されました。
ハーブ鯖は、赤潮のリスクが少なく、海水温度が安定して酸素の含有量が多い潮の流れの速い海域で育てられています。
長崎ハーブ鯖の通販・ふるさと納税
普通の養殖サバでは味わうことができない、「刺身・しゃぶしゃぶ」でいただくのがおすすめです。
また、しめ鯖も非常によく、1年中脂の乗ったサバを楽しむことができます。
まとめ

長崎県のフルーツ魚「長崎ハーブ鯖」についてまとめました。
養殖魚のブランド化に成功した数少ない魚ですので、ぜひ知っていただき、できれば賞味いただければ幸いです。
長崎ハーブ鯖以外のフルーツ魚についても随時アップしていきますので、ぜひそちらも御覧ください。