養殖魚は「美味しくない」「臭みがある」という低評価をかつては受けていました。
しかし、現在は柑橘類由来の成分を餌に混ぜるなどの工夫により臭みを抑制し、「フルーツ魚」と呼ばれるブランドに昇華されています。
フルーツ魚の中で、みかんを用いている「みかん鯛」についてまとめます。
みかん鯛とは
みかん鯛は、愛媛県西南部の宇和海一帯で、みかん果皮を添加したエサを与えて養殖された真鯛です。
愛媛県は、養殖マダイの生産量日本一であり、柑橘類の生産量も全国2位になっています。
宇和島市にある愛媛県水産研究センターが、ポンジュース加工時に発生する残渣の有効活用に開発されました。
「みかん魚」として愛媛県で開発されたのは「みかん鯛」以外にも、「みかんブリ」「宇和島サーモン(みかん銀鮭)」があります。
みかん魚が「第7回フードアクションニッポンアワード2015 商品部門農林水産業分野」最優秀賞を受賞しました。
リモネン・ビタミンが養殖魚特有の生臭さを軽減し、抗酸化作用のあるポリフェノールが血合いの変色を遅らせ新鮮さを長持ちさせます。
それだけでなく、みかん鯛の最大の特徴は、「身からほんのりと柑橘系の味・香りがすること」です。
みかん鯛の生産
「宇和島プロジェクト」と「中田水産」がみかん鯛の生産に関わっています。
餌に混ぜるみかんは、温州・河内晩柑・甘夏・でこぽんなどの色々な品種が試された中、風味が一番つく「伊予柑」が選定されました。
魚粉・小麦などの穀類・ビタミン等の栄養剤を混ぜた「マッシュ」、イワシ・サバなどの青魚を冷凍した「生エサ」に、みかんの果皮・伊予柑オイルを加えた餌が養殖場の近くで作られます。
出荷の約3カ月前からみかんを混ぜたエサを与え、魚の成長に合わせて与える餌の量・時期・粒度を調整します。
みかんの果皮・伊予柑オイルを濃度を35%以上にすると全く食べないことが分かっているので、それ以上にならない事が重要です。
活〆・神経抜き・タグ打ちをした新鮮な状態で、タグ打ちをした活魚車による出荷で消費地まで運搬されます。
加工出荷の場合は、株式会社宇和島プロジェクトのHACCP認定水産加工場にて加工し、安全・安心の確保を徹底しています。
みかんが与える鯛への効能
みかんが与える鯛への効能は以下の通りです。
【みかんが与える鯛への効能】
- 生臭さの抑制
- 血合いの変色抑制
- 通常の養殖真鯛よりも身が大きく、柔らかい
- 身からほんのりと柑橘系の味・香りがする
みかん鯛の通販・ふるさと納税
宇和島プロジェクトのみかん鯛「お刺身の柵2節」が通販で購入可能です。
劣化の少ないプロトン凍結を自社工場で実施したものが届きます。
鱗・皮が除去されたものが届くので、刺身・カルパッチョ・鯛しゃぶなどで楽しめます。
宇和島市で有名な郷土料理「宇和島鯛めし」が、みかん鯛でも味わえます。
通常の養殖鯛と食べ比べセットがあるので、ぜひ味の違いを感じてみてください。
ふるさと納税にも対応しているので、枠が余っていれば2,000円の自己負担で楽しめます。
まとめ
愛媛県のフルーツ魚「みかん鯛」についてまとめました。
養殖魚のブランド化に成功した数少ない魚ですので、ぜひ知っていただき、できれば賞味いただければ幸いです。
みかん鯛以外のフルーツ魚についても随時アップしていきますので、ぜひそちらも御覧ください。