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香川県フルーツ魚「オリーブハマチ」~通販・ふるさと納税~

香川県フルーツ魚「オリーブハマチ」 ~通販・ふるさと納税~
記事内に商品プロモーションを含みます。

養殖魚は「美味しくない」「臭みがある」という低評価をかつては受けていました。

しかし、現在は柑橘類由来の成分を餌に混ぜるなどの工夫により臭みを抑制し、「フルーツ魚」と呼ばれるブランドに昇華されています。

フルーツ魚の中で、香川県で生産されている「オリーブハマチ」についてまとめます。

オリーブハマチ・オリーブぶりとは

オリーブハマチは、「オリーブ」の葉を粉末状にし、餌に添加して養殖されたハマチです。

香川県は、県花・県木である「オリーブ」の生産量日本一で、香川県の県魚である「ハマチ」で、香川県の特産物の掛け合せになります。

オリーブぶりは、オリーブハマチと同じ飼育法で生産され、「ハマチ」よりも「ぶり」のネーミングが好まれる地域向けに販売されています。

オリーブの葉は、抗酸化作用の強いポリフェノールの一種「オレウロペイン」という成分を豊富に含んでいます。

オリーブ葉の効果によって、血合肉の変色が抑制され、脂濃さの少ないさっぱりした味わいが特徴です。

オリーブハマチの経緯

世界で初めてハマチ養殖の事業化に成功した野網和三郎(のあみわ さぶろう)の生誕100年と、ハマチ養殖80周年という節目の年である平成20年に記念事業が発足しました。

県・関係団体によって、ブランドハマチの創出を目的とした「製品向上研究会」が設立され、オリーブハマチの研究が進められ、「香川ブランドハマチ三兄弟」が生まれました。

  • 長男「ひけた鰤」
  • 次男「なおしまハマチ」
  • 三男「オリーブハマチ」

オリーブの葉の効能

オリーブハマチ メトミオグロビンの生成率

引用:香川県水産研究所「オリーブを利用した新たな水産物の開発」

ブリ特有の血合いの変色によって、養殖魚の生臭さに繋がっていました。

血合いの褐変反応は、色素タンパク質のミオグロビンが酸化してメトミオグロビンに変化する「メト化」が原因です。

メトミオグロビンの生成率を抑制し、酸化・変色しにくい肉質に改善するため、オリーブ葉が利用されました。

モイストペレットに乾燥オリーブ葉粉末を平均1.7%添加すると、血合筋のメトミオグロビン生成率は14日目以降有意に抑制できることが判明します(大山憲一, 栩野元秀, 植田豊, 竹森弘征, & 多田武夫. (2010). 養殖ブリの血合筋の褐変抑制に及ぼすオリーブ葉粉末添加飼料の投与効果. 水産増殖, 58(2), 279-287.)。

褐変反応の抑制の副産物として、ハマチに様々な影響を与えました。

大山憲一, 大西茂彦, 松岡博美, 東畑顕, 石田典子, & 小川雅廣. (2017). オリーブ葉添加飼料を投与した養殖ブリ筋肉の脂質および呈味評価. 日本食品科学工学会誌64(10), 507-514.」によると、以下の効能が認められています。

  • 血合筋粗脂肪含量25%減
  • 血合筋・腹肉普通筋の水分含量増
  • 遊離アミノ酸のうち甘みに関するアラニンが、背肉普通筋で1.4倍・腹肉普通筋が1.3倍
    (ただ、全アミノ酸含量・全旨味甘味アミノ酸含量の有意差は認められなかった)
  • 腹肉普通筋のエキスを味覚センサーで測定した結果、旨味1.03倍・塩味2.48倍・旨味コクは1.16倍

野崎 智絵, 日比 光磨, 赤澤 隆志, 西山 智朗, 大山 憲一, 吉田 誠, 向井 龍男, 早川 茂, 小川 雅廣. (2020). オリーブ葉粉末の給餌がブリ普通肉の歯ごたえに与える効果. 日本水産学会誌86(6), 483-493.によると、以下の効能が認められています。

  • 破断歪率は24%低く歯切れのよい肉質
  • コラーゲン量は22%高い

香川県国立研究開発法人理化学研究所「オリーブハマチ機能性評価事業」より、オリーブハマチを週に1回、生(刺身)で300g摂取することで、日常生活疲労の改善・ストレス軽減・リラックス効果があることが明らかとなりました。

オリーブハマチの生産

香川県内の5地区(引田・小田・志度湾・庵治・直島)で生産されています。

オリーブハマチの生産条件は以下の通りです。

  • オリーブ葉の飼料への添加率:2.0%以上
  • 飼育期間:20日間(給餌回数20回以上)以上の継続給餌

また、オリーブハマチの販売期間は、一番脂が良い「9月末~1月」のみに限られています。

オリーブ葉の品質

オリーブハマチの生産に用いるオリーブ葉粉末は、香川県小豆島町のオリーブ生産業者(株)ヤマヒサ、香川県坂出市の(株)瀬戸内オリーブで生産されたものです。

不足するオリーブ葉については地中海沿岸産のものを輸入して対応していますが、香川県産葉が60%以上になるようにブレンドしています。

乾燥したオリーブに含まれるオレウロペインは、葉乾燥重量の5~20%と幅があります(宮崎均. “多様な有効活用が可能なオリーブ成分.” 生物工学会誌 91.3 (2013): 159.)。

そのため、香川県海水魚類養殖漁業協同組合では、葉に含まれるポリフェノール(オレウロペイン)含量・残留農薬の確認を毎年行い、高品質で安全で安心なオリーブ葉をハマチに与えています。

高品質のオリーブ葉を与えるため、冬季に剪定した枝葉を2週間以内に乾燥し、密封・暗所で保存して1年間機能性成分を維持させています(大山憲一, 柴﨑博行, 大西茂彦, 柴田英明, & 小川雅廣. (2016). 香川県産飼料用オリーブ葉のポリフェノール含量に及ぼす保存方法の影響. 日本食品科学工学会誌, 63(12), 570-574.)。

柴崎博行. (2018). オリーブ葉の乾燥条件の検討.では、乾燥には80~100℃で2時間の処理が最も効率的でオレウロペインが乾燥前より大きく増加することが分かっています。

オリーブハマチの通販・ふるさと納税

オリーブハマチの販売は期間が限定されているので、通販よりもふるさと納税を活用してその時期に発送されるのを待つ方が多いです。

エラ・内蔵・鱗を取り除き、部位ごとに小分けして真空パックしたものが届きます。

さっぱりとしたヘルシーな味わいが活かすことができる、「刺身・しゃぶしゃぶ」でいただくのがおすすめです。

まとめ

ハマチ

香川県のフルーツ魚「オリーブハマチ」についてまとめました。

養殖魚のブランド化に成功した数少ない魚ですので、ぜひ知っていただき、できれば賞味いただければ幸いです。

オリーブハマチ以外のフルーツ魚についても随時アップしていきますので、ぜひそちらも御覧ください。