作業規程の準則による基準点測量は
- 作業計画
- 選点
- 測量標の設置
- 機器の点検
- 観測
- 計算
- 品質評価
- 成果等の整理
の作業工程により実施されます。
今回、この中でも「作業計画」についてまとめさせていただきます。
基準点測量の作業計画について

基準点測量の作業計画では、資料収集を行い、平均計画図・実施計画書・作業計画書を作成します。
平均計画図・実施計画書は計画機関に提出し、承諾を受ける必要があります。
資料収集

資料収集では、
- 配点図
- 成果表
- 点の記
- 地形図
などの資料を集めます。
配点図

都道府県・市区町村などの公共機関が設置・管理する公共基準点があります。
この作成した基準点などが配点図として管理されている場合があります。
例えば、東京都ではHPで一般公開されています。
成果表

国土地理院の「基準点成果等閲覧サービス」で、国土地理院が設置した各種基準点の成果及び測量法第42条に定められた、測量成果の写しについて閲覧することができます。
この成果は、公共測量を実施する際の既知点成果として利用可能です。
点の記

点の記とは、三角点の設置記録であり、今後の測量でその点を測量するために作成されるものです。
点の記の記載事項
- 点名
- 等級区分
- 柱石長
- 所在地
- 土地所有者名
- 測量従事者名
- 選点年月日・選点者名
- 埋標年月日・設置者名
- 観測年月日・観測者名
- 三角点までの道順
- 交通(自動車到達地点)
- 歩道状況(徒歩時間・距離)
- 案内図
国土地理院で照会でき、1888年(明治21年)以降の記録が保存されています。
参謀本部陸地測量部による剱岳測量の様子を描く「劒岳 点の記」で、点の記が登場します。
平均計画図
参照:電子基準点を利用したリアルタイム
平均計画図は、地形図上で新点の概略位置を決定し、既知点・親設点の設置位置、距離観測・角度観測を実施する方向などを地形図上に示した計画図面です。
公共測量を実施しようとする場合は、公共測量実施計画書を国土地理院長に提出し、技術的な助言を求める必要があります。
この実施計画書の付図として、平均計画図を添付します。
実施計画書

実施計画書は、目的・地域・作業量・期間・精度・方法などについて適切な作業工程を決定した計画書です。
公共測量を実施する場合、この実施計画書を国土地理院の長に提出し、その技術的助言を求める必要があり、所管の各地方測量部・支所に提出します。
国土地理院の測量標・測量成果を使用する場合は、「測量標・測量成果の使用承認申請」を同時に提出します。
作業計画書

作業計画書は、測量作業着手前に、適切な作業計画を立案し、これを計画機関に提出しなければなりません。
また、計画機関に承認が必要になります。
作業計画の内容
- 測量作業の方法
- 使用する主要な機器
- 要員
- 日程
プログラムの点検

測量の計算結果が正確であるかの点検で、正しく計算できているか確認する必要があります。
プログラムの点検事項
- 厳密網平均計算
- 座標・標高計算
- 多角簡易網平均計算
- XY・B
L座標計算 - 三次元網平均計算
原則としてプログラム開発者が実施するが、中立機関の検定も可能です。
テストデータとの照合し、プログラム点検結果について確認書・検定証明書を提出します。
まとめ

今回、「作業計画」についてまとめさせていただきました。
紹介させて頂いた知識は測量士・測量士補の試験にも出てくるほど重要な知識です。
参考までに、勉強に使用した書籍をまとめさせていただきます。