フードテック

フードテックにおける「代替えプロテイン」の技術開発について

FOLU(The Food and Land Use Coalition)による試算によると、フードシステムの年間市場価値は10兆ドルであるのに対して、フードシステム自体が生み出す「健康・環境・経済」へのマイナスの影響が12兆ドルとされています。

健康では肥満・栄養失調・汚染による健康被害など、環境では気候変動による異常気象の被害・生物多様性の破壊など、経済ではフードロスなどの問題が挙げられます。

人口の増加・食の価値観における多様性・利便性の向上などにより、食のニーズが膨らんでいく中、このような問題が解決されるどころか拡大しています。

そこで、フードテックを用いることで問題解決を図ろうという試みがなされています。

フードテックで、食肉以外でのタンパク源の供給の多様性を図る「代替プロテイン」と呼ばれる技術開発が進んでおり、紹介させていただきます。

代替プロテインが求められる理由

2019年から2050年にかけて、世界人口は77億人から97億人に達するという国際連合の予測があります。(国際連合広報センターHPより)

これだけの人口に対して食糧を供給することは困難で、世界の食料需要量は2050年には2010年比1.7倍(58.17億トン)となり、畜産物と穀物の増加が大きいことが指摘されています。(農水省:2050年における世界の食料需給見通しより)

人口増加に合わせて食肉生産体制を維持すると、畜産動物を育てるための「飼料・水・土地・エネルギー」が大量に必要になり、環境への負荷が懸念されます。

そこで、食料問題・環境問題への取り組みとして、動物に頼らないプロテイン供給(代替プロテイン)が施行されています。


代替プロテインの種類

畜産以外の手段でプロテインを摂取するため開発された製品を、原料・製造方法などで種類を分けてみると以下のものが挙げられます。

  1. 植物性代替肉
  2. 培養肉
  3. 昆虫食
  4. 微生物発酵プロテイン

①植物性代替肉

植物性代替肉は、大豆・小麦・エンドウマメなどの植物性原料から作り出された人工肉です。

代表的な植物性代替肉メーカーはアメリカではインポッシブルフーズビヨンドミートです。

インポッシブルフーズは主に大豆やじゃがいも、ビヨンドミートは主にエンドウマメを原料にしています。

調理すると赤から茶色に変わり肉汁が出るなど、見た目・味・食感においても鮮肉と同様に扱うことができるものも発売されています。

日本でも代替肉が買えるようになりつつあります。

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②培養肉

培養肉は畜産動物から採取した細胞を核として、バイオリアクターで栄養を与えながら培養した人工肉です。

ミンフィスミーツは2017年に細胞ベースから培養チキンの生産に成功しています。

日本では日清食品HDが培養肉の研究・開発を行なっています。

肉の生産効率の高さ・環境負荷の低減などで注目されているが、生産コストの高さにおいて少し出遅れ感があります。

③昆虫食

昆虫は、牛・豚などの畜産を生産する際に比べて「必要な餌・温室効果ガスの排出量・必要な水の量」が少なくて済みます。

また、環境に優しいだけではなく、タンパク質・カルシウムが豊富な高栄養食品でもあります。

そのため、食肉に代わる代替プロテインとして注目されています。

世界で2000種以上の昆虫が食用として消費されておりますが、「短期間で成長する・卵をたくさん産む・水・資料が少なく済む」などの条件からコオロギが用いられることが多いです。

文化的に昆虫を食べることに抵抗がある地域が多いため、イメージの刷新が求められます。

④微生物発酵プロテイン

微生物発酵プロテインは、微生物を発酵して生成したタンパク質を人工肉に加工したものです。

マイコプロテインと呼ばれる土壌の糸状菌を培養して加工したものが海外では広く知られています。

また、遺伝子組み替え技術により、任意のプロテインを生成することもでき、乳製品の代替の事例が多くあります。

まとめ

フードテックで、食肉以外でのタンパク源の供給の多様性を図る「代替プロテイン」と呼ばれる技術開発を紹介させていただきました。

フードテックで環境問題・食料問題に取り組むものとして代替プロテイン以外にも多くの技術があります。

それらについての勉強も引き続きしたいと思います。