食材の栄養素は料理の仕方次第で大きく変化します。
栄養を大きく損なう調理をしてしまうと、食材の栄養素を活かすことができません。
逆にちょっとした工夫・要点を知るだけで、効率的に栄養を活かすことができます。
今回は、「鶏もも肉」の栄養・効能を活かす効果的な料理法をまとめます。
鶏もも肉の主な栄養・効能
【鶏もも肉の注目成分】
- エネルギー:190kcal
- たんぱく質:16.6g
- 脂質:14.2g
- 炭水化物:0g
- ビタミンA(レチノール):40μg
- ビタミンB2:0.15mg
- ビタミンB6:0.25mg
- ビタミンK:29μg
- 鉄:0.6mg
【鶏もも肉 皮付き 可食部100gあたり成分 七訂日本食品標準成分表より】
鶏もも肉は、ささみ・胸肉と比べるとたんぱく質が少なめですが、ビタミンB群・鉄分・ビタミンKが他の部位より豊富です。
他の部位と比べて、旨味成分であるイノシン酸・グルタミン酸が多いため、美味しく食べられます。
皮付きは脂質が14.2g/100gありますが、皮なしを選べば5.0g/100gになりますので、脂質を抑えながら良質なたんぱく質を摂取することができます。
栄養素以外にも注目すべき成分として、「メチオニン」が挙げられます。
メチオニン
メチオニンは体内で合成できず、食品からしか摂取できない必須アミノ酸です。
メチオニン含有量は、鶏胸肉1100mg/100g・鶏もも肉820mg/100g含まれています。
肝臓の毒素排出・肝臓の脂肪蓄積抑制など肝臓機能を高める効果が期待できます。
アレルギーの元となるヒスタミンを抑制する効果も認められています。
鶏もも肉の栄養・効能を活かす効果的な料理法
鶏もも肉の栄養・効能を活かすため、以下の効果的な料理方法をおすすめします。
あくまでも、栄養を活かすためであって、美味しさを追求する場合の料理方法とは異なることをご承知ください。
【鶏もも肉の栄養・効能を活かす効果的な料理法】
- 短時間で加熱する
- ビタミンCが豊富な食材と合わせて食べる
- ブライン液に浸ける
- 良い肉を選ぶ
①短時間高火力で加熱する
たんぱく質は高温で長時間加熱すると変質してしまいます。
しかし、短時間で加熱不足になると、カンピロバクターやサルモネラなどの雑菌が死滅せずに食中毒の原因になります。
そこで、唐揚げやチキンソテーなどの短時間で中まで火が通る調理がおすすめです。
②ビタミンCが豊富な食材と合わせて食べる
鶏もも肉には、鶏の他部位と比べると鉄分を多く含んでいます。
食物から摂取できる鉄分には「ヘム鉄・非ヘム鉄」の2種類があり、動物性のヘム鉄は吸収率15~35%、植物性の非ヘム鉄は吸収率は2~20%であり、吸収率が悪いです。
そこで、鉄分の吸収率を上げるビタミンCを豊富に含む食材と合わせて食べましょう。
ビタミンCの多い食材として、ブロッコリー・ピーマンが挙げられます。
③ブライン液に浸ける
鶏肉は、パサパサとした食感になりがちです。
そこで、水に対し5%砂糖5%塩を溶かした「ブライン液」に漬け込んでから調理することをおすすめします。
肉の保水性がアップして、ジューシーな食感になりやすいです。
また、片栗粉・薄力粉をつけてから焼くことで、水分が逃げにくくなるのでやわらかく仕上がりますよ。
④良い肉を選ぶ
どんな種類のお肉にも共通して良いお肉を選ぶポイントがあります。
- パックの中に肉汁(ドリップ)が出ていない
- 肉の色が黒ずんでいない
- 赤みと脂肪の境目がはっきりしている
できるだけ良い肉を選べるかで、肉の味・栄養が大きく変わってきます。
まとめ
鶏もも肉の栄養・効能を活かす効果的な料理法についてまとめました。
農家による経験・知恵によるところもありますが、栄養をしっかり摂るためには正しい情報・データも必要なため、書籍・論文などの文献で勉強しました。
栄養について勉強をした際に使用した書籍をまとめましたので、興味がありましたらご参照ください。