食材の栄養素は料理の仕方次第で大きく変化します。
栄養を大きく損なう調理をしてしまうと、食材の栄養素を活かすことができません。
逆にちょっとした工夫・要点を知るだけで、効率的に栄養を活かすことが可能です。
今回は「枝豆」の栄養・効能を活かす効果的な料理法をまとめます。
枝豆の主な栄養・効能
【枝豆の注目成分】
- 炭水化物:8.9g
- たんぱく質:11.5g
- 脂質:6.1g
- βカロテン:290μg
- ビタミンC:15mg
- ビタミンE:8.6mg
- ビタミンK:33μg
- 葉酸:260μg
- カリウム:490mg
- カルシウム:76mg
- マグネシウム:72mg
- リン:170mg
- 食物繊維:4.6g
【枝豆 茹で 可食部100gあたり成分 七訂日本食品標準成分表より】
枝豆は、大豆の未成熟な豆を食用とするため、大豆同様タンパク質が豊富です。
未成熟な大豆を食べる文化は日本特有で、「EDAMAME」が国際語として使用されます。
枝豆の種類は、うぶ毛の色の違いによって「白毛豆(青豆)」「黒豆」「茶豆」の3種類です。
タンパク質だけなくβカロテン・ビタミンCも多く含んでいるため、枝豆は豆類ではなく野菜として分類され、豆類・野菜類の両面の栄養が摂取できます。
野菜ですが、「100gあたり134cal」とカロリーは高い点は注意して食べましょう。
栄養素以外にも注目すべき成分として、「メチオニン」「イソフラボン」が挙げられます。
メチオニン
メチオニンは、食べ物からしか摂取できない必須アミノ酸の1つで、硫黄を含んだ含硫アミノ酸です。
マグロや鶏胸肉などに多く含まれており、枝豆は野菜の中では多い方で、枝豆100gあたりメチオニンは160mg含まれています。
メチオニンには以下の効果があることが分かっています。
- アレルギーを引き起こすヒスタミンの血中濃度低下
- 肝臓で毒素・老廃物・血中コレステロールの排除・代謝促進
- 体内でカルニチン・グルタチオン・タウリンの原料になる
- うつ病や統合失調症の改善育毛・発毛
アルコールの過剰摂取によって肝臓でメチオニンが大量消費されてしまう弱点があります。
イソフラボン
イソフラボンは、大豆に多く含まれるポリフェノールの1種です。
女性ホルモンのエストロゲンと化学構造が類似している特徴があるため、ストレスホルモンの分泌を抑える働き・美肌効果・骨粗鬆症予防効果などがあります。
枝豆のイソフラボン含有量は約10mg/100gと、大豆大4%分のイソフラボンしか含まれていません(J. Nutr. 130:2243-2250, 2000)。
ただ、大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値70〜75mg/日と設定されているので、1日のトータルバランスでは適切な量を摂取できます(食品安全委員会:大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A問19)。
枝豆の栄養・効能を活かす効果的な料理法
枝豆の栄養・効能を活かすため、以下の効果的な料理方法をおすすめします。
あくまでも、栄養を活かすためであって、美味しさを追求する場合の料理方法とは異なることをご承知ください。
【枝豆の栄養・効能を活かす効果的な料理法】
- 蒸し焼き・電子レンジで加熱
- さやから外さない
①蒸し焼き・電子レンジで加熱
枝豆の調理方法といえば、「茹で」が思い浮かぶかもしれませんが、水溶性ビタミンなどが流出してしまいます。
そのため、水に溶けにくい調理法である「蒸し焼き・電子レンジで加熱」にすることで、栄養の流出を抑えることができます。
枝豆をフライパンに広げ蓋をして5~10分ほど蒸し焼きにしたり、500~600Wの電子レンジで5分ほど加熱するなどの方法でできます。
枝豆の素揚げなどの揚げる方法もありますが、ビタミンCが欠損してしまうので、蒸し焼きくらいの焼き加減が好ましいです。
②さやから外さない
抜き身ではなく「さや」の状態のままの方が、加熱に強く、栄養の流出を抑えることができます。
そのため、さやから出さずに、さやごと調理することをおすすめします。
さやの両端を切ってから調理すると火は通りやすいですが、栄養が抜けるのでおすすめしません。
冷凍枝豆を買うときも、抜き身だけはなく、さや入りのものを買いましょう。
まとめ
枝豆の栄養・効能を活かす効果的な料理法をまとめました。
栄養を生かす調理の方法に併せて、品質の良い食材を手に入れることも重要です。
残念なことに品質の良い食材を買ってみようと思っても、近所のスーパーの品揃えがない・価格高いなどの問題にあたってしまいます。
そこで、旬で良質な野菜を手軽に安く手に入れる方法として、『野菜の宅配定期便』を紹介させて頂いておりますので、ぜひご覧ください。
農家による経験・知恵によるところもありますが、栄養をしっかり摂るためには正しい情報・データも必要なため、書籍・論文などの文献で勉強しました。
栄養について勉強をした際に使用した書籍をまとめましたので、興味がありましたらご参照ください。