有機農産物のJAS規格は、主に次の3つの項目で構成されている。
- 有機農産物の生産の原則
- 生産の方法についての基準
- 有機農産物の名称の表示
生産にあたっては「有機農産物の日本農林規格(JAS 規格)」に定められた栽培方法により農産物を生産し、この規格に準拠したものに格付して出荷しなくていけません。
特に有機農産物として販売する際に、どのような名前をつけて良いかの命名規則が厳格に決まっております。
今回は、3つの項目から、「有機農産物の名称の表示」についてまとめます。
有機農産物のJAS規格における「有機農産物の名称の表示」について
有機JAS規格には表示方法が規定されており、これに従った表示にしなければならない。
有機農産物に関しては名称の表示として下記の名称を使用し、トレーサビリティの観点から納品書・伝票・送り状などにも同様NO表示が必要です。
【有機農産物の名称の表示】
- 「有機農産物」
- 「有機栽培農産物」
- 「有機農産物○○」「○○(有機農産物)」
- 「有機栽培農産物○○」・「○○(有機栽培農産物)」
- 「有機栽培○○」・「○○(有機栽培)」
- 「有機○○」・「○○(有機)」
- 「オーガニック○○」・「○○(オーガニック)」
これらを実施するには、生産行程管理者の認定が必要ですが、以下の事柄においては生産工程管理者以外でも記載することができます。
- チラシ・パンフレット・ニュースレター・看板新聞・雑誌・インターネット等の媒体で、有機農産物を取り扱っているなどの説明
- 注文販売の注文書や案内チラシに「有機○○」と書くこと
- 宅配の野菜ボックスなどにいれるニュースレター等に、どれが有機かを説明した文書
有機JASマークの貼付
有機JASマークを貼付するということは、「有機JAS規格を満たした食品であること」を示しています。
そのため、上記の有機農産物の名称の表示を実施する場合は有機JASマークを必ず貼付することが必要です。
有機JASマークには厳格な規格が決まっていますので、以下を基準にし、場合によっては認定機関のマーク使用基準に従います。
紛らわしい表示の禁止
有機JASマークを貼付せずに、有機と間違われるような紛らわしい表示を禁止しています。
以下のような用語は、有機JASマークが付いていない場合は、農産物に使用してはならない。
【有機 JAS マークが付いていない場合、表示してはならない例】
- 有機
- 有機農法
- 完全有機農法
- 完全有機
- 海外有機
- 準有機
- 有機率○%
- 有機産直、
- 有機○○(商標登録)
- 有機移行栽培
- 雨よけ有機栽培
- 有機土栽培
- オーガニック
- organic
「有機=無農薬・有機=化学肥料不使用」を保証するものではないため、JAS規格第5条に定められた名称の表示にないように、「有機無農薬」「有機無化学肥料」「有機無農薬無化学肥料」の表示をすることはできません。
ただ、「有機」の用語が商品を形容している場合は禁止されているため、肥料を形容している場合は容認され、「有機たい肥使用、有機質肥料使用、有機肥料を使用して栽培した〇〇」などは表記して良いとされている。
「有機肥料使用」の表記についてはOKな理由
『有機農産物、有機加工食品、有機畜産物 及び有機飼料のJASのQ&A 』(https://www.maff.go.jp/j/jas/
(答)1 (略) 一方、一般的な名称のほか、「肥料は有機質肥料を使用しました」と言うように、栽培方法 の過程等を強調表示する場合については、紛らわしい表示に該当しないことから可能です。
(2) 有機JASマークが付いていなくても表示してよい例
有機質肥料使用、有機肥料を使用して栽培したトマト
ただし、有機堆肥使用という表示をことさら強調することにより農産物自体が有機的な方法 により生産されたものと誤解を招くような表示が行われている場合には、表示規制に抵触する おそれがあります
有機JASマークが付いていなくても、『有機質肥料使用、有機肥料を使用して栽培したトマト 』と表示しても良いと解答されています。
しかし、”ことさら強調すること”がどういうことを指すのかわかりません。
商品名には使えないが、パッケージの一部説明において「有機肥料を使用して栽培した〇〇」と表記しても良いものと考えます。
まとめ
有機農産物のJAS規格における「有機農産物の有機農産物の名称の表示」についてまとめました。
有機農業について書籍で勉強をすることができますので、おすすめの本を下記記事にてまとめていますのでご参照ください。