ハリヨはトゲウオ目トゲウオ科の魚で、岐阜県と滋賀県の湧水のある河川に局所的に分布しています。
個体数が減少傾向にあるため、生息地の多くは重要な保全地です。
岐阜県西濃地域にある保全地の1つとして、万石の名水「幸福の泉」を紹介します。
万石の名水「幸福の泉」について
万石の名水「幸福の泉」は、地下147mから湧き上がった毎分2tの水量を誇る、大垣の東玄関を代表する自噴井戸です。
大垣市万石にある大垣フォーラムホテルの敷地内にあり、平成12年7月に設置されました。
大垣市のわくわく湧き水マップに載っている自噴水で、地域の方がひっきりなしに訪れて混雑する人気のある水汲み場です。
カンボジアに井戸を掘るために、募金箱が設置されています。
令和5年の水質検査結果書の内容は以下の通りで、とても清潔な湧水であることが示されています。
項目名 | 結果 | 基準値 |
一般細菌 | 0CFU/ml | 100CFU/ml |
大腸菌 | 陰性 | 検出されないこと |
亜硝酸態窒素 | 0.004mg/L未満 | 0.004mg/L以下 |
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 | 0.6mg/L | 10mg/L以下 |
塩化物イオン | 3.0mg/L | 300mg/L以下 |
有機物 | 0.3mg/L未満 | 3mg/L以下 |
pH値 | 7.9 | 5.8~8.6 |
味 | 異常なし | 異常でないこと |
臭気 | 異常なし | 異常でないこと |
色度 | 0.5度未満 | 5度以下 |
濁度 | 0.1度未満 | 2度以下 |
万石の名水「幸福の泉」のハリヨについて
「幸福の泉」から安定した湧水が注がれる大垣フォーラムホテル玄関前の小渓流は、年間通じて12℃前後の水温を保たれています。
この環境を活かして、約100匹のハリヨを放流し、ハリヨの保護が実施されています。
高水温(20〜25°C以上)の水域では生息できないため、年中15°C程度に保たれている豊富な湧水がある環境にだけ生息できるハリヨにはとても良い生息環境です。
柵も網も設置していないのに、すごい数のハリヨが生息しているので、観察に非常におすすめです。
ハリヨ以外にも梅花藻(バイカモ)も生息しており、水質の良さが際立っています。
万石の名水「幸福の泉」へのアクセス
- 所在地:〒503-0812 岐阜県大垣市万石2丁目32
- 公共交通:名阪近鉄バス岐垣線「万石」下車後、徒歩約1分
・タクシー:タクシーアプリ「GO」
・レンタカー:skyticketレンタカー
- 自動車:名神高速道路「安八スマートI.C」より約10分
駐車場について
大垣フォーラムホテルの駐車場が使えるので、駐車場は非常に余裕があります。
万石の名水「幸福の泉」に1番近い箇所に5台ほど、奥に30台以上のスペースが確保されています。
県道31号(旧国道21号)に面しているので、車での訪問が容易で、地元で人気なのが頷けます。
ただ、揖斐川大橋が近く通勤時間は混むので、お気をつけください。
まとめ
ハリヨ生息地である万石の名水「幸福の泉」を紹介しました。
大垣市「幸福の泉」は、美しい湧水と希少魚ハリヨが共存する特別な場所です。
地域住民による保全活動や名水文化との調和が魅力的であり、自然観察や湧水体験を楽しむことができます。
岐阜県西濃地域にはハリヨの生息地が多くありますから、ぜひ観察しに行ってみてください。
参考ページ:【岐阜県西濃地域】ハリヨが自然観察できる生息地