養殖魚は「美味しくない」「臭みがある」という低評価をかつては受けていました。
しかし、現在は柑橘類由来の成分を餌に混ぜるなどの工夫により臭みを抑制し、「フルーツ魚」と呼ばれるブランドに昇華されています。
フルーツ魚の中で、すだちを用いている「すだちぶり」についてまとめます。
すだちぶりとは
すだちぶりは、「とくしま特選ブランド」「瀬戸内ブランド商品」に認定されている、徳島県産すだちの果皮を配合した飼料で育った養殖ブリです。
徳島県が、すだちの全国生産量の98%(2018年:3,999.8t/4080.4t)と、圧倒的1位のシェアです。
潮流の速い鳴門海峡の北灘漁場で、大きな生簀(20m×30m)でストレスなく養殖されているので、健康で身も引き締まりきめ細かな肉質になります。
さらにすだちぶりの可食部にはビタミンEが約15.4mg/100g含まれ、一般の養殖ブリの約4.1mg/100gと比べて約4倍も多く含まれることが確認されています(参照:北灘漁業協同組合資料)。
ビタミンEなどの抗酸化作用から生臭さ・褐変が抑えられ、適度な脂質で上品なうま味・甘みとさっぱりした後味が特徴です。
すだちぶりの生産
「すだちぶり」は、北灘漁業協同組合で生産、水産物総合商社・徳島魚市場株式会社が取り扱っています。
農林中金総合研究所のレポートによると、以下の方法で配合飼料が作成されています。
- 佐那河内村にあるJA徳島市農産工場ですだち果汁を搾取した残渣「かぼす果皮」を回収
- 徳島魚市場の関連会社の(株)マリン大王がすだち粉末に加工
- 中部飼料(株)が粉末をEP(エクストルーデッドペレット)に混ぜる
餌の効果低減限界までの期間から、給餌期間は出荷前の3か月間と決められています。
海の自然環境や水産資源を守って獲られた水産物・シーフードに与えられる認証エコラベル「水産エコラベル」である、「養殖エコラベル(AEL)流通加工段階認証・生産段階認証」「マリン・エコラベル・ジャパン(MEL) 流通加工段階(CoC)認証」を取得しています。
すだちぶりの通販・ふるさと納税
すだちぶりは、さっぱりした後味を楽しむなら「お刺身」がおすすめです。
ローソン「金しゃりおにぎり すだちぶり醤油漬」、くら寿司「徳島県産すだちぶり」で製品化されているところをみると、間違いないと思います。
ふるさと納税でも購入可能です。
まとめ
徳島県のフルーツ魚「すだちぶり」についてまとめました。
養殖魚のブランド化に成功した数少ない魚ですので、ぜひ知っていただき、できれば賞味いただければ幸いです。
すだちぶり以外のフルーツ魚についても随時アップしていきますので、ぜひそちらも御覧ください。