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『小さな農業で稼ぐコツ』を読んだ感想・勉強になった内容

『小さな農業で稼ぐコツ』を読んだ感想・勉強になった内容
記事内に商品プロモーションを含みます。

農業は1年に1作しかできないものが多く、圧倒的に経験・知識が不足してしまいます。

農業に従事し続けるには、勉強し常に新しい知見を学ばねばなりません。

勉強方法として、業界セミナー・先進地訪問・普及員による指導などありますが、私は本・業界誌・論文などを用いて勉強することが好きです。

その一環として『小さな農業で稼ぐコツ』を読みましたので、書評・要約のように綺麗に整理できていませんが、感想・勉強になった内容をまとめてみます。

『小さな農業で稼ぐコツ』とは?

読みやすさ
専門性
役立ち度
  • 著者西田栄喜 (著)
  • 出版社農山漁村文化協会
  • 発売日2016/2/5
  • ページ数:144ページ

【目次】

  • 第1章 小さい農業の魅力
    1 小さい農業って何?
    2 一日の仕事、一年の仕事
    3 小さい農業のいいところ
  • 第2章 野菜つくり――コンスタントにつくる
    1 少量多品目で継続的にとる
    2 混植で効率よくとる
    3 育苗で畑をムダなく使う
    4 わき芽収穫で連続どり
    5 キャベツ、レタス、ハクサイの超密植栽培
    6 野菜セットのための品種選び
    7 漬物のための品種選び
  • 第3章 漬物・お菓子つくり――長く売れる加工品をつくる
    1 生で売るより加工して売る
    2 浅漬けで売る
    3 昔ながらの漬物
    4 ヨモギ団子とかきもち
    5 加工に必要な機器
    6 必要な免許
  • 第4章 売り方――個人を出して売る
    1 引き売りで学んだ売り方
    2 直売という販路を持つこと
    3 単品よりセットで売る
    4 原材料にこだわる
    5 大きさを変える
    6 情報を発信する
    7 ネットの使い方
  • 第5章 つながり方――ファンをつくる
    1 風来のつながり方の変遷
    2 つながると売上は一〇倍になる!?
    3 農の体験教室を開く
    4 地域の農家どうしでつながる
    5 農コンを開く
    6 クラウドファンドでつながる
  • 第6章 小さい農業の考え方
    1 就農前にやっておきたいこと
    2 ミニマム主義とは
    3 お金との向き合い方について
    4 命の価値観

『小さな農業で稼ぐコツ』は、1年を通じて野菜を野菜セットと漬物にしてネットを中心に販売し、加工の技と売り方のコツを惜しげもなく公開した一冊です。

著者の西田栄喜氏は、石川県で日本一小さい専業農家「風来」を営んでいます。

そこでの実践の数々が記されており、日本の農業に未来を感じる内容となっています。

『小さな農業で稼ぐコツ』を読んで勉強になったこと

本を読む

『小さな農業で稼ぐコツ』では、ゼロから始める家族経営の直売農家になる秘訣が豊富です。

著者はミニマム主義で、耕地面積30aで年間50種類以上の野菜を育て、野菜セット・漬物などに加工して、ホームページで販売しています。

本書で重要だと思ったことを、章ごとにまとめました。

第1章 小さい農業の魅力

「風来」は、30aで年間売上1200万円、収入600万円と、家族5人で十分なほどの収益です。

初期投資は漬物を作るための機材一式で140万円で、全て自己資金で無借金で補助金なしで経営されています。

お手本は「百姓」で、1人で様々な仕事をこなし、自然のリスクを分散される少量多品目栽培がきっかけです。

小さな農業のいいところは以下のように示されています。

【小さい農業のメリット】

  • 混植による危険分散
  • 時間やコストもかからない
  • 高額な機械もいらない
  • 少量多品目は飽きない
  • 家族経営には余裕がある

第2章 野菜つくり――コンスタントにつくる

小さい畑では、一時的に特定の野菜が過多になるくらい豊作になるより、コンスタントに種類と平均的な収量が求められます。

無農薬栽培・炭素循環農法・半不耕起栽培を取り入れ、堆肥のように畑の土となじませる必要がないので、品種の切り替えが簡単です。

効率的に畑を動かすための知恵が記載されています。

  • 混植:面積あたり収穫量が増える
  • ずらし定植同じ野菜でも定植時期をずらして収穫期間を調整する。
  • 育苗:畑の空いている時間を極力短くする

こうして育てた野菜を、箱に詰めて野菜セット・漬物などの加工品として販売することで、売買単価をあげます。

第3章 漬物・お菓子つくり――長く売れる加工品をつくる

加工食品を取り入れると、生鮮野菜だけを売りよりもリスク分散でき、経営が安定します。

加工することで付加価値をつけて高く売るということに重点が置かれますが、保存期間が延びて販売時期をコントロールすることが1番のメリットです。

風来のモットーは、「安全で美味しいからこそ毎日食べ続けられる味と価格」で、無添加で後味のいいものを目指しています。

浅漬けタイプは、「塩分×–0.7度」で温度管理すると凍らないギリギリの温度で菌を繁殖させず長く保つことができるなどのアイデア、「寒干しタクアン」「ヨモギ団子とかきもち」などのレシピも記載されていました。

加工に必要な機材の一覧が以下のように示されています。

  • ラベル印刷するための、パソコン・プリンター
  • 真空密閉するための、脱気シーラー
  • 保存するための、冷蔵庫・氷温冷蔵庫
  • 保健所の許可を取るための、作業場

加工するためには、機材だけではなく食品の加工・販売に必要な免許も用意しなくてはならず、「食品衛生責任者」「菓子製造・惣菜製造・漬物製造の免許」などが必要になります。


第4章 売り方――個人を出して売る

小さい農業において欠かすことができないのが、「販売能力」です。

売り方について以下のことが記載されています。

  • 引き売りで学んだ売り方:ポップの書き方・目玉商品の重要性・値段の付け方
  • 直売という販路を持つこと:直接お客さんとつながれる
  • 単品よりセットで売る:地域にしかないセットを売る
  • 原材料にこだわる:不揃い・規格外でも大丈夫な「スモールメリット」
  • 大きさを変える:米を1升・1合単位で売る
  • 情報を発信する:農家であること・人柄を売る
  • ネットの使い方:HP・ブログ・SNS

第5章 つながり方――ファンをつくる

ネットのおかげで、遠くの人と親しくなれます。

その繋がりから、「草むしり体験」「漬物教室」などのイベントを行い、コミュニティ形成を行います。

「マメマメクラブ」という農家の勉強会も立ち上げ、農の体験教室・農コン・クラウドファンディングなどを実施します。

第6章 小さい農業の考え方

小さい農業を始めるための就農準備は4つ挙げられています。

  • 農業研修
  • ブログを始めること
  • 加工技術を身につけること
  • 引き売りから始めること

「ネットの時代・直売・繋がり」を重視する小さな農業は、「リスクを最小限に、幸せは最大限に」というミニマム主義のモットーを実現でき、スモールメリットを生むことができます。

ミニマム主義の肝とも言える考え方が「売上基準金額」で、目標金額の±5%以内の売上に持っていこうという「欲を出さず、足るを知る」経営です。

必要以上に働くことはなく、命の価値観でものを見ることが大事です。

『小さな農業で稼ぐコツ』を読んで今後勉強すべきこと

勉強

『小さな農業で稼ぐコツ』を読んで、農業でスモールビジネスを起こす方法が学べました。

農業の事業化に関する知識をつけるために、同分野の本をもっと読み進めます。

まず、経営計画書についての理解は重要だと思うので、経営計画に重きを置かれた就農本である『就農は「経営計画」で9割決まる 農業に転職!』を読んでみます。

また、本書の中で著者が参考にしたという『農で起業する!脱サラ農業のススメ』を読んでみます。

まとめ

『小さな農業で稼ぐコツ』を書評・要約のようにまとまっていないかも知れませんが、感想・内容を紹介しました。

まだまだ勉強不足ですので、これらからもしっかり勉強していきます。

最新の農業情報を得るためには、本だと出版までのタイムラグがあるので、農業の専門雑誌を読むほうがおすすめです。

毎月購入すると結構コストがかかってしまうので、ネットで農業雑誌・家庭菜園誌が読み放の「楽天マガジン」がおすすめですので、利用してみてください。