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【豚コレラ(豚熱)・アフリカ豚熱】異常豚発生の監視について

【豚コレラ(豚熱)・アフリカ豚熱】異常豚発生の監視について
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豚コレラ(豚熱)・アフリカ豚熱の防疫対策は

  1. 異常豚発生の監視
  2. 異常豚発見時の初動対応
  3. 異常豚発見時の臨場検査
  4. 検体の送付
  5. 農場内の疫学情報の収集
  6. 検査判断前準備
  7. 検査判定(陽性判定)
  8. 陽性判定時の防疫措置
  9. 農場周辺の人の通行制限・通行遮断
  10. 農場周辺の豚等の移動制限・搬出制限
  11. 消毒ポイントの設営
  12. ウイルスの感染状況調査
  13. ワクチンの接種(豚コレラの場合)

の流れで実施されます。

今回、①異常豚発生の監視についてまとめます。

【豚コレラ(豚熱)・アフリカ豚熱】異常豚発生の監視について

疫学調査

都道府県は、定期的に検査することにより、異常豚が発生していないか監視しています。

具体的には、

  • 臨床検査による異常豚の摘発・病状鑑定
  • 抗体保有状況調査
  • 病状鑑定材料を用いた調査

により、異常豚発生の監視を行っています。

これらの検査で陽性であった場合には、

  1. 家畜防疫員が当該農場に立ち入り
  2. 臨床検査と必要な検体の採材
  3. 必要な検体を動物衛生研究所に送付
  4. 動物衛生研究所の遺伝子解析等の結果について、動物衛生課に報告

を実施します。

臨床検査による異常豚の摘発・病状鑑定

臨床検査による異常豚の摘発・病状鑑定

出典:伊勢新聞

都道府県は、豚等を6頭以上飼養する農場について、年に1回の立入検査をし、臨床検査による異常豚の摘発・病状鑑定を行います。

臨床検査により、以下の症状が認められた異常豚の摘発・病状鑑定を実施する。

【臨床検査による確認症状】

  • 発熱、元気消失、食欲減退
  • 便秘、下痢
  • 結膜炎、目やに
  • 歩行困難、後躯麻痺
  • 痙攣
  • 耳翼や下腹部や四肢等の紫斑
  • ひね豚(削痩、被毛粗剛)
  • 異常産の発生

抗体保有状況調査

抗体保有状況調査

都道府県は、家畜改良増殖法に基づいて、エライザ法により抗体保有状況調査を行います。

95%の信頼度で5%の感染を摘発できる農場の数を抽出して行います。

都道府県内農場戸数抽出戸数
1 ~ 18戸全戸
19 ~ 25戸19戸
26 ~ 34戸26戸
35 ~ 49戸35戸
50 ~ 100戸45戸
101戸以上55戸

抽出農場ごとにそれぞれ10頭を無作為に抽出します。

10頭以下の飼養施設の場合は、全頭抽出します。

病状鑑定材料を用いた調査

病状鑑定材料を用いた調査

都道府県は、家畜保健衛生所における豚等の全ての病状鑑定事例において、解剖検査を行い、抗原検査・血清抗体検査を実施します。

【抗原検査】

  • ウイルス分離
  • PCR検査
  • 蛍光抗体法

【血清抗体検査】

  • エライザ法
  • 中和試験(陽性の場合は中和試験も実施する)

まとめ

子豚

【豚コレラ(豚熱)・アフリカ豚熱】異常豚発生の監視についてまとめました。

【豚コレラ(豚熱)・アフリカ豚熱】が実際に発生した場合の防疫措置については、下記記事にてまとめていますのでご参照ください。

参考文献等

文献

  • 「豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針」
  • 「アフリカ豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針」
  • 「舛甚ら(2018)ロシア及び東欧諸国におけるアフリカ豚コレラ(ASF)発生とその現状について」 豚病研究会報72:1-7
  •  「山田ら(2018)東欧強毒株を用いたアフリカ豚コレラウイルス感染実験について」豚病研究会報72:8-15
  • 「アフリカ豚コレラの歴史とリスク分析」小澤義博(2014)獣医疫学雑誌
  • 「アフリカ豚コレラの知識: 野外応用マニュアル」FAO Animal Health Manual No. 9
  • 「アフリカ豚コレラ (ASF) の防疫要領策定マニュアル」FAO Animal Health Manual No. 11

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